2万3300件「偏った放送心配」
衆院で承認
NHKの2014年度予算案は27日、衆院総務委員会と本会議で日本共産党、民主党、日本維新の会、生活の党、結いの党、社民党が反対するという異例の事態になりました。予算案は自民、公明、みんなの各党の賛成多数で承認されました。日本共産党は、籾井(もみい)勝人会長の一連の暴言などをあげて承認に反対しました。NHK予算の承認が全会一致でなかったのは2006年以来です。
本会議に先立って開かれた衆院総務委員会で、日本共産党の塩川鉄也議員は予算案への反対討論に立ち、歴史を歪曲(わいきょく)する籾井氏の発言は会長としての資質が根本から問われると批判。「会長の発言に対してかつてない規模で国民、視聴者から批判が寄せられているもとでは、予算は承認することができない」と述べました。
塩川議員の質疑で、籾井会長発言でNHKに寄せられた意見が今月26日までに3万6100件、うち64%にあたる2万3300件が「偏った放送になるのが心配」など批判的な内容だったことが明らかになりました。
塩川議員は、04年に受信料不正使用や、日本軍「慰安婦」の番組「ETV2001」が安倍晋三官房副長官(01年当時)らの圧力で改変された事件が明るみに出て、NHKに55日間で1万1000件の意見が寄せられたと指摘。「今回はそれをはるかに上回る深刻な事態」だと訴えました。
塩川議員は「公権力からの自立という姿勢が欠落した会長に、国民から厳しい意見が寄せられるのは当然だ」と、予算案反対の理由を強調しました。
2000年以降のNHK予算は、05、06年に日本共産党などが反対。それ以降は全会一致の承認が続いていました。
籾井会長発言 元三井物産副社長の籾井勝人氏は、昨年12月にNHK経営委員会(浜田健一郎委員長)から会長に任命されました。今年1月25日の就任会見で「慰安婦問題はどこの国にもあった」、国際放送に関して「政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」など事実にも放送法にも反する数々の発言をしました。国会で「個人的見解だから取り消す」と述べましたが、その後も「考えは変わっていない」など居直りを続けています。
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