主張
消費税増税中止
“列島騒然”の世論と運動を
安倍晋三自公政権は4月1日から、消費税の大増税を計画どおり実施しようとしています。政府広報ではさかんに、消費税増税が「社会保障の充実と安定化」のためとキャンペーンし、増税をおしつけようとしていますが、いま消費税をあげられる情勢でしょうか。
増税に大義はない
国民の暮らしと営業は、いまでも深刻です。労働者の賃金は減少し続け、生活保護や年金の引き下げ、社会保障の負担増が、高齢者、生活弱者を襲っています。円安による原材料費の高騰も中小業者の営業を苦境に追い込み、生活必需品の価格上昇で国民の暮らしは圧迫されています。
経済情勢は悪化しています。内閣府が3月10日に発表した昨年10~12月期の国内総生産(GDP)の改定値は、年率換算で0・7%の伸びにとどまり、安倍首相が増税実施を決断した4~6月の4・1%と比べて低下、減速傾向に拍車がかかっています。
マスメディアも、「アベノミクス相次ぐ想定外」として「昨年後半からの減速ぶりが際立っている。急ブレーキの主因は、景気回復のカギを握るとされる『設備投資』と『個人消費』の力弱さにある」と報じています。各新聞の世論調査では、「景気の回復」を実感していないと回答した人は8割近くに及んでいます。
4月1日からは、さらなる年金の引き下げや生活保護の削減がおこなわれ、70~74歳の医療費自己負担の2倍化などが実施されようとしています。消費税増税のおしつけが、国民の暮らし、営業とともに日本経済にも大打撃を与えることは確実です。
安倍内閣は消費税増税を国民におしつける一方で、大企業には大盤振る舞いの減税や巨大公共事業が行われようとしています。消費税増税が「財政再建のため」でも「社会保障のためでも」ないことはいよいよ明らかです。
日本共産党は、消費税増税に断固反対するとともに、消費税を増税しなくても、社会保障の拡充と財政再建のための財源をしめした「経済提言」の実現をめざしています。巨大開発などムダづかいの見直しや、大企業・大金持ちに応分の負担を求める税制改革こそ進めるべきです。国民の所得を増やして日本経済を立て直せば、税収も増やすことができます。
日本共産党も参加する消費税廃止各界連絡会の宣伝・署名行動には、増税の実施が迫れば迫るほど、大きな不安と怒りが寄せられています。「もう決まったことでは」という人にも「では暮らしは大丈夫ですか」と問いかけ、「黙っていると10%にされてしまう」と対話すると、それではと署名してくれるようになっています。
中止を訴えぬこう
増税実施の4月1日が間近に迫ったいま、消費税増税中止の旗を最後まで掲げて奮闘することは、国民の暮らしと営業をまもるうえでも、日本経済を立て直すうえでも、大義あるたたかいです。
消費税の増税法でさえ、経済状況によって「停止を含め所要の措置を講ずる」(付則第18条)としています。安倍内閣は増税中止を今からでも決断すべきです。4月1日に向けた連日の行動で世論と運動を草の根からおこして“列島騒然”の状況をつくりだし、増税勢力を追い込もうではありませんか。