主張
新年度予算の成立
増税が暮らしと経済破壊する
安倍晋三内閣発足後、景気回復を「実感しない」が75・3%(時事通信)、同じく「実感していない」が77%(「読売」)、4月からの消費税増税で「家計の負担が重くなる」が79%(「朝日」)、4月以降家計の支出を「減らそうと思う」が55%(「読売」)―最近の世論調査の結果です。多くの国民は安倍政権の経済政策「アベノミクス」の効果を実感しているどころか、消費税増税でさらに支出を切り詰めようとしています。所得や雇用は改善しておらず、消費がさらに冷えこめば経済が悪化し財政の足も引っ張ります。消費税増税は暮らしと経済をいよいよ破壊します。
国民生活守らない予算
新年度(2014年度)の予算が与党などの賛成多数で参院で可決され、成立しました。衆院でも参院でも審議期間を短縮し、例年より大幅に早い成立となったのは4月からの消費税増税を意識したからです。先に成立した13年度補正予算とあわせ財政規模は100兆円を突破しましたが、4月からの消費税増税が前提で、増税の被害から国民の暮らしを守るどころかさらに痛めつける内容です。
4月から消費税の税率を5%から8%に引き上げる増税は、国民に年間8兆円もの負担を担わせ、収入を事実上目減りさせ、消費を落ち込ませるものです。安倍政権は経済の好転を増税実施の条件にしてきましたが、「アベノミクス」は効果が上がるどころか昨年半ば以降は逆に経済の減速傾向に拍車がかかっています。増税前に拡大すると見られていた消費や投資の“駆け込み需要”も思ったほど伸びていません。「アベノミクス」がもともと大企業のもうけを増やすだけで、個人の所得や中小企業の売り上げを増やす政策ではなかったからです。
総額で100兆円を超す13年度の補正予算と14年度予算も、消費税増税による国民の暮らしと経済への打撃を埋め合わせる内容はありません。安倍政権は消費税を増税する一方で、もうかっている大企業への復興特別法人税の課税を前倒しで廃止しました。大企業のもうけを増やせば賃金も雇用も改善するという「トリクルダウン」(おこぼれ)を主張しましたが、勤労者の収入は減り続けています。春闘でのベースアップ(基本給の引き上げ)はごく一部で、消費税増税による負担増をとても穴埋めするものではありません。
消費税増税で税収が増えた分は全額社会保障の充実に回すという口実は完全に投げ捨てられています。生活保護も年金も減額、70~74歳の医療費の2割負担など、「税・社会保障一体改革」の名での改悪が目白押しです。逆に増えたのは2年連続の増額になった軍事費と不要不急の大型公共事業です。こんな予算が国民の暮らしの悪化を食い止めるどころか、経済と財政のゆがみをますます激しくするのは明らかです。
これからでも増税中止を
日本共産党は予算審議で消費税増税を前提にした政府予算案に反対するとともに、抜本的な編成替えを要求しました。4月からの消費税の増税を中止することは、これからでも可能です。
4月からの消費税増税を許せばその次は来年10月からの10%への増税が待ち構えています。増税中止へ最後まで力を尽くそうではありませんか。
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