舛 添氏 「保育は規制緩和が必要だ」
細 川氏 「福祉は誰がなっても同じ」
田母神氏 「福島原発は安全だ」と暴言
東京都知事選(2月9日投票)で「希望のまち東京をつくる会」の宇都宮けんじ候補(67)=日本共産党、社民党など推薦=は30日、日本テレビの候補者討論会に出席し、保育園の待機児童、原発政策、東京オリンピック、政治とカネの問題で、元厚生労働大臣の舛添要一(65)=自民党都連、公明都本部が推薦=、元首相の細川護熙(76)、元航空幕僚長の田母神俊雄(65)の各候補と討論しました。宇都宮氏は、どの問題でも都民本位の解決の道筋を具体的に示し、他候補を圧倒しました。
待機児童の問題では、画面に「認可保育園等の定員を5年間で5万人増やす」との公約が映し出されるなか宇都宮氏は、「都有地の活用を最優先で進めながら、認可保育園の増設、待遇の改善による保育士の確保を進め、質の高い保育を確保していく」と主張。「施設の整備、保育士の確保などで仕事も増える」と、認可保育園の経済的な効果を強調しました。
一方、舛添氏は「規制緩和が必要だ。都は(認可保育園より基準の低い)認証保育所の整備を先行的にやってきた。これからもそれをやっていく」と規制緩和をさらに進めるとしました。
原発政策では、宇都宮氏は東京電力に全原発廃炉を迫ると述べるとともに、再生エネルギー普及を支援すると強調。「原発をやめると電気料金が上がるのではないか、との心配の声がある」との司会者からの質問に答えて、「原発は一度事故が起きれば賠償は巨額になる。使用済み燃料などの廃棄物の処理、廃炉など膨大な費用がかかる。原発は決して安くない」と指摘し、天然ガスの購入価格の是正を図ることなどで、電気料金の上昇を抑制できることを示しました。
舛添氏は「原発への依存を下げる」と主張するだけで、「原発ゼロ」は明言しませんでした。
また細川氏は「原発ゼロ」を主張する一方で「防災、福祉などはどなたが知事になっても変わらない」と述べ、都民の切実な願いを軽視する姿勢を示しました。
田母神氏は「原発事故の放射線で死んだ人は1人もいない。福島原発は今も安全だ。日本の放射線への基準は厳しすぎる」との暴言をはきました。
宇都宮氏は猪瀬直樹前知事の疑惑解明について「都民の信頼を取り戻し、クリーンで利権にまみれない都政実現のため、都議会に百条委員会の設置を要請し、真相究明を進める」と約束。
舛添、細川、田母神の3氏は「法律に基づいて対応する」「検察が捜査している」として真相究明に消極的な姿勢を示しました。