23日、東京都知事選挙が告示されました。「安倍政権の暴走を許すのか」「福祉切り捨ての石原・猪瀬都政からの転換をはかるのか」が大きな争点です。各候補の第一声や記者会見から、都民の願いを託せる人は宇都宮けんじ候補であることがはっきりしました。
■安倍暴走政治ストップ
宇都宮氏 「歯止めをかけよう」
舛添氏 秘密法「推進」・原発再稼働 容認
細川氏 医療・子育て…「構造改革」路線
宇都宮候補は第一声で「名護市長選挙に続き都知事選も勝ち抜き、安倍政権に大きな歯止めをかけましょう」と語り、安倍政権の暴走政治と対決する姿勢をきっぱり示しました。秘密保護法廃止を求めると表明し、安倍政権の狙う集団的自衛権行使容認など「戦争する国づくり」に断固反対すると力説。「憲法を守り、東京からアジアに平和の発信をする」と訴えました。
原発ゼロ・再稼働反対の運動や被災者支援にとりくんできた宇都宮氏は、原発再稼働反対や福島原発の廃炉などを改めて主張。同時に「東京へ避難している原発事故被害者への生活再建支援を最大限行う」と述べました。
消費税増税にも反対を表明しました。
一方、元厚労相の舛添要一候補は第一声で「史上最高の東京オリンピックに」などと述べるだけで、安倍政権への態度については語りませんでした。しかし、会見(22日)では、憲法9条改定を主張。国民の多くが慎重審議や廃案を求めた秘密保護法にも「推進する立場」であると明言し、原発再稼働も容認しました。大企業支援の「国家戦略特区」推進も、安倍政権と同じ立場です。
元首相の細川護熙候補は、原発政策で安倍政権との違いを強調しました。しかし、会見(22日)では「医療、介護、子育て、教育などの規制改革を強力に進めていきたい」と語り、安倍政権と同様に自己責任と重い自己負担を強いる「構造改革」路線を進める姿勢を示しました。
■暮らしに冷たい都政正す
宇都宮氏 石原・猪瀬都政を転換
舛添・細川両氏は継承・推進
宇都宮氏だけが、ムダな大型開発を優先し、都民の暮らしに冷たい石原・猪瀬都政からの転換を訴えました。一方、舛添、細川両氏は、都政問題を語りませんでした。
宇都宮氏は「石原・猪瀬都政を転換して、福祉を充実します」と主張し、4万3000人の待機者がいる特別養護老人ホームや、待機児2万人以上の認可保育園の増設、全学年での30人学級の実現などの公約を掲げました。
舛添氏は厚労相時代に、細川氏は元首相、熊本県知事時代に、国民・県民の福祉施策を切り下げ、負担増を強いてきました。
舛添氏は「世界一の福祉都市にしたい」と言いましたが、国の基準を緩和した都独自の認証保育所を進めると表明。「国としてやれなかったのを東京が先駆けてやる」と述べるなど、福祉切り捨ての石原・猪瀬都政推進の立場を鮮明にしました。
細川氏は、第一声では都政の問題を全く語らず、22日の出馬会見では、医療、介護、子育て、教育などで規制緩和を主張。政策で「『国家戦略特区』も活用し、魅力的なビジネス拠点の形成に努める」としており、法人税減税や外国企業誘致のための規制緩和を盛り込んだ「国際戦略特区」を進めてきた石原・猪瀬都政と同じ立場です。
■清潔な都政に刷新
宇都宮氏 前知事疑惑を徹底解明
舛添・細川両氏は自身に疑惑
前知事が徳洲会からの裏献金疑惑で辞職したことから、都知事選は清潔な都政に刷新できるかどうかも大事な争点です。
宇都宮氏は第一声で「この(裏献金疑惑)問題を徹底解明し、カネと利権と決別したクリーンな都政をつくる」と主張しました。
舛添氏は、第一声でも会見でもこの問題をまったく語っていません。そもそも幕引きをはかる自民、公明などから支援を受けており徹底解明ができる足場はありません。自らが結成した新党改革が政党助成金で違法に借金を返済した疑惑(本紙21日付)も新たに生じており、候補者の資格が問われる事態です。
細川氏も、首相辞任のきっかけとなった東京佐川急便からの裏金疑惑について「謝罪」したものの、前知事の疑惑解明はまったく語っていません。
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