「しんぶん赤旗」

沖縄県名護市長選―米軍新基地断念させるために

2014/01/08 10:59 投稿

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主張

沖縄県名護市長選

米軍新基地断念させるために

 沖縄県名護市の市長選の告示(12日)が目前に迫っています。

 市長選は名護市辺野古での新基地建設問題を最大の争点にしてたたかわれます。市長として新基地反対の先頭にたち「オール沖縄」の原動力になった稲嶺ススム候補と新基地推進候補の一騎打ちです。強圧で仲井真弘多(ひろかず)沖縄県知事に辺野古埋め立てを承認させた安倍晋三政権のもくろみを打ち砕き、「基地のない沖縄」「基地のない日本」につなげる大事な選挙です。新基地反対の稲嶺候補の勝利が決定的に重要です。

県民総意は変わらない

 安倍政権が仲井真知事に辺野古埋め立てを承認させたことで県民の怒りが噴き上げています。承認後の地元紙の県民世論調査で、埋め立て承認を「支持しない」が61・4%にのぼり、普天間基地については「無条件撤去」「国外・県外移設」あわせて73・5%となっています。普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念、オスプレイ配備撤回の県民総意は揺らいでいない証拠です。稲嶺候補の勝利は県民総意をふみにじる安倍政権を追い詰めることになります。

 日米両政府が狙う新基地は、戦場に米兵や物資を輸送する米海兵隊のオスプレイが24機も配備され、強襲揚陸艦が接岸できる272メートルもの巨大な護岸をもつ最新鋭の基地です。「命(ぬち)どぅ宝」を大事にする県民が認められるはずはありません。

 墜落事故を多発しているオスプレイが市民・県民を墜落の危険にさらし、騒音被害をまきちらします。自然環境も破壊します。名護市民は米軍ヘリの墜落や爆音被害などで苦しめられてきました。子や孫に新基地を残すわけにはいかないと奮闘する稲嶺候補の再選でこそ、市民の命と安全が守れます。

 稲嶺候補が勝利すれば、県民のたたかいはさらに加速し、日米両政府に新基地建設を断念させ、普天間基地を撤去させる大きな力になります。新基地推進候補では市民・県民の願いに応えることはできません。

 市長選の重要な争点である地域振興も新基地を許せば発展の芽が奪われます。稲嶺候補が市長になる前、名護市は巨額の基地関連予算を組み、新基地受け入れと引き換えに米軍再編交付金を受けてきました。しかし特定の企業と本土のゼネコンをもうけさせただけで、地元の建設会社は相次いで倒産に追い込まれ、失業率も県平均を上回る結果となりました。基地依存では地域振興が衰退するしかないのは明白です。稲嶺候補は基地再編交付金を受けとらず、財源を捻出して建設事業費を増やし、雇用も増やしてきました。稲嶺候補の再選でこそ、暮らしが向上し地域振興が発展するのは明らかです。

全国からの支援を

 安倍政権が仲井真知事に埋め立てを承認させても、手続き面での一段階にすぎません。沖縄県民は沖縄を本土から切り離したサンフランシスコ条約の壁を乗り越え本土復帰を実現させた不屈の経験があります。島ぐるみのたたかいで、埋め立て承認を撤回させ、普天間基地の閉鎖・撤去に道を切り開くことができます。

 新基地反対の稲嶺候補の再選は「基地のない沖縄」「基地のない日本」への大きな一歩を築きます。全国から物心両面での支援をつよめることが求められます。

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