「余れば返納」原則が…
国民には消費税増税など負担増を強いる一方で、自民党議員が支部長を務める政党支部が、国民の税金である政党助成金を国庫に返さず、ためこんだ「基金」の総額が2012年末時点で、約7億2000万円にのぼることが本紙の調べでわかりました。
自民党に所属する400人を超す国会議員(一部、引退議員も含む)の政党支部が総務相に提出した同年分の政党交付金使途等報告書を調べたもの。
自民党は12年、各国会議員・候補が支部長を務める政党支部に対し、年数回にわたって政党助成金を交付しています。多くの議員が受け取った政党助成金の額は年間1750万円、1925万円です。
受け取った議員は、人件費や宣伝事業費、本人への「寄付」などに、この国民の税金を使っていますが、使い残した場合、「基金」にためこみ、翌年に回しています。政党助成金は余ったら国庫に返納するのが原則ですが、「特定の目的」のために「基金」として積み立てることができるため、返納されることはほとんどありません。
本紙の調べによると、半数以上の223支部が、政党助成金を使い残し、「基金」としてためこんでいます。その総額は、7億1730万812円にのぼりました。
うち、1000万円以上、ためこんだ議員は16人(表参照)。トップは、昨年7月の参院選で再選した石井みどり参院議員(日本歯科医師政治連盟顧問)の約3593万円。前年の基金が約3482万円あり、12年に1000万円の政党助成金を党本部から受け取り、人件費約206万円、調査研究費1万2105円、タクシー・ハイヤー代約420万円など、約890万円を支出。「基金」の額を前年より約100万円ふやしました。
同じく昨年7月の参院選で再選した山田俊男参院議員(元全国農協中央会専務理事)も12年に1000万円の政党助成金を受け取り、ポスターやリーフレット作成費に約543万円支出したほか、きっちり1400万円支出。前年より基金を400万円減らしたものの約2363万円をためこんでいます。
政党助成金 1994年の「政治改革」関連法で小選挙区制とセットで導入され、95年から支給されています。国民1人あたり250円で年総額を算出し、所属国会議員数や直近の国政選挙の得票率の割合に比例して政党に配分されます。支給には、所属国会議員が5人以上などの要件があり、政党助成金目当ての政党の離合集散が問題になっています。日本共産党は政党助成金の廃止を要求し、受け取りを一貫して拒否しています。
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