「九条の会」の第5回全国交流・討論集会が16日、東京・日本教育会館で開かれました。安倍政権が、海外で戦争するための集団的自衛権行使に向けた解釈改憲や秘密保護法案など「戦争できる」国づくりの動きを強めるなか、全国各地の草の根で活動する「九条の会」が集いました。約600人が参加しました。
集会では「九条の会」呼びかけ人の大江健三郎(作家)、奥平康弘(憲法研究者)、澤地久枝(作家)各氏があいさつ。大江氏は「原発をなくすこと、憲法を守ることは、次の世代が生きていける世界を渡すこと。絶対に守らなければいけない」と語りました。
奥平氏は「秘密保護法案は憲法9条改正と直結している。われわれは踏ん張ってなきものにしなければならない」と発言。澤地氏は、秘密保護法案強行の動きを批判しました。
集会ではまた、「集団的自衛権行使容認と憲法」をテーマに、浦田一郎・明治大学教授と柳沢協二・元内閣官房副長官補をパネリストにシンポジウムが行われました。武力に頼らない平和を一貫して追求してきた研究者と、現実の防衛政策に関与してきた元政府高官の対話に会場はたびたび拍手に包まれました。
浦田氏はこれまでの政府の憲法解釈は、自衛隊や日米安保体制の正当化と同時に軍事力を制約する側面をもってきたことを指摘。「(解釈で)集団的自衛権も憲法上可能とすれば、9条に法的意味がない、削除と同じことになってしまう」と述べました。
自衛隊のイラク派兵に関わった柳沢氏は「安倍政権では、かつてない戦略的な食い違いが日米間にある。アメリカは中国との戦争など考えていない」と発言。「無人島をめぐる争いに俺たちを巻き込むな」という米軍準機関紙「星条旗」の記事を紹介すると会場はどっとわきました。
「イラクで1発も銃を撃たなかったような日本ブランドを大事にすべき」との柳沢氏の発言に大きな拍手がおくられました。
全体会や分科会では、全国の自治体首長と経験者に緊急アピールを発した「首長の会」や、紙芝居で自民党の改憲案を批判している東京の法律事務所の活動など、憲法を守る運動や秘密保護法案に反対するとりくみが豊かに交流されました。
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