秘密保護法で危険拡大 赤嶺氏が告発
日本共産党の赤嶺政賢議員は11日、衆院国家安全保障特別委員会での秘密保護法案に関する初質問に立ち、日本共産党が新たに入手した海上自衛隊のものとみられる身辺調査文書の存在を告発。秘密保護法案の「適性評価」を先取りする身辺調査=人権侵害の実態がいっそう明らかになりました。
入手したのは、“秘密”を扱っていい隊員かを選別する「適格性確認」のための調査文書で、調査対象本人が記入する「身上明細書」と、その「記入要領」、上官などの「補助者」が調査対象を評価する「調査票」の3点からなっています。本紙が入手して明らかにした陸上自衛隊の身辺調査文書と酷似しています。
赤嶺氏は、陸上自衛隊の「身上明細書」が「交友関係」や「所属団体」を記入するよう求めている点を指摘。「自衛官の親族や友人は本人が知らぬ間に住所職業などを防衛省に把握されることになる。人権侵害に当たることは明白」とただしました。
小野寺五典防衛相は「何をもとにそのような質問をしているのか承知していない」と答弁、赤嶺氏の指摘を否定できませんでした。
さらに赤嶺氏は、海自のものとみられる「明細書」につける「誓約書」の詳細な書き方を指示したマニュアルの存在を示しました。誓約書には、携帯電話の通話記録などの提出やポリグラフ(うそ発見器)検査への協力を約束させている点を指摘。
小野寺氏は、誓約書の存在を認めました。しかし、通話記録の提出については「何をもとに質問しているのか承知していない」と答弁をさけました。赤嶺氏は「通話記録の提出などさせていないのなら、誓約書に書かせていないといえばいいではないか。今後も追及していく」とのべました。
秘密保護法案の検討過程は黒塗り
赤嶺氏 即刻開示を求める
日本共産党の赤嶺政賢議員は11日の衆院国家安全保障特別委員会で、秘密保護法案策定の最も基本的な文書である有識者会議報告書の作成にあたって関係省庁間で交わされた文書の大半が非開示(黒塗り)として国民から隠されており、国会審議の前提を欠いているとして速やかな開示を求めました。
報告書は、民主党政権下の2011年8月に「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」がまとめたもの。
赤嶺氏は、同報告書作成の過程で秘密漏えいの罰則最高刑を懲役5年にするか、10年にするかなどの法案をめぐる重要な変更が行われていることを指摘。報告書には防衛、外務、法務、警察など関係省庁も意見を出しているものの、関連文書の大半が黒塗りであることを示しながら、「国民の基本的人権の制限に関わる重大法案だ。なぜ各省庁からの意見を明らかにしないのか」と追及しました。
森雅子担当相は「開示を前提にしていくことは当然だ。個人情報などを除いては原則すぐに開示すべきもの」と答弁。一方、谷垣禎一法相は「全部公表する必要があるか疑問だ」などと開示に後ろ向きな姿勢を示しました。