税金丸抱えで選挙
安倍内閣の副大臣が、みずからが支部長を務める政党支部で2012年に3億5000万円を超す政党助成金を受け取り、1割に相当する約3500万円も使い残しながら国庫に返さず、ためこんでいたことが本紙の調べでわかりました。安倍首相はじめ閣僚は、首相の約695万円はじめ合わせて約2400万円(9月29日付既報)をためこんでいました。
25人の副大臣のうち、公明党の3人をのぞく22人の政党交付金使途等報告書(2012年)を調べたもの。
これによると、衆院出身の副大臣は、大半が1925万円、参院出身の副大臣4人は各1000万円の政党助成金を自民党本部から受け取っています。22人の合計は、3億5825万円にのぼります。
政党助成金は余ったら国庫に返納することが原則ですが、「基金」に積み立てることができるため、ほぼ半数の13人の副大臣が使い残して「基金」としてためこんでいます。その総額3496万5341円。このうち、100万円以上ためこんだのは、高木毅(つよし)国土交通副大臣の1119万円はじめ7人です。(表参照)
一方、18人の衆院出身副大臣のうち、14人が昨年12月の総選挙で、「選挙関係費」として本人あてに多額の「寄付」を行っています。吉川貴盛、江藤拓両農林水産副大臣がそれぞれ1200万円、1000万円、奥野信亮法務副大臣950万円、谷公一復興副大臣800万円などで、総額8307万8558円となります。
本人あての支出は、その後、何に使ったか問われることはなく、不明朗そのものです。
総選挙に、政党助成金をほぼ全額をつぎ込んだのは、西川京子文部科学副大臣。09年7月の総選挙で、福岡10区で落選し、今回、公示前日の12月3日に比例九州ブロックから単独立候補を表明しましたが、同6日に400万円の政党助成金を党本部から受領。宣伝用自動車の借り上げに86万8500円、チラシ・ポスターに154万7070円、リーフレットに134万7150円と、計376万2720円を支出しています。税金丸抱えで選挙をたたかったことになります。
このほか、桜田義孝文部科学副大臣は、政見放送テレビ代に80万円、ポスター・ビラの作製費に121万5480円、土屋品子厚生労働副大臣は、チラシ印刷・折り込み代に52万6939円、松島みどり経済産業副大臣がポスター印刷に43万2600円など。
こんな支出も―。
上川陽子総務副大臣は、エアコン工事代に23万9400円、吉川農水副大臣と野上浩太郎国交副大臣は、除雪費にそれぞれ15万7500円、21万2425円を支出しています。
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