4月実施反対の一点で―志位委員長が会見
日本共産党の志位和夫委員長は25日、国会内で記者会見し、来年4月からの消費税増税を中止するための法律改正の骨子案を発表しました。「来年4月からの消費税増税が国民の暮らしと日本経済を悪化させるという批判と懸念が大きく広がっています。協力が可能な各党に共同提案を呼びかけ、国民の声を法案の形で提起するために力を尽くし、実らせるために頑張りたい」と表明しました。
会見で志位氏は「日本共産党は、今後の消費税のあり方、社会保障のあり方、財政危機打開の方途で意見の違いがあっても、国民の暮らしと経済を守るために、来年4月からの増税を中止する一点での共同を呼びかけてきました。この法案は、その具体化としてまとめたものです。予算を伴う法案ですので、わが党単独で提出できません。この一点で協力が可能な各党に共同提案を呼びかけたい」と語りました。
法案骨子は、消費税増税法の改正案として提起するものです。来年4月1日からの増税施行期日を「別に法律で定める日」と改めることで、「中止」と同じ効果を持たせるものになっています。
志位氏は「別に法律で定める日」と改めることが将来的な消費税増税を肯定する政党への配慮かと問われ、「私たちは、消費税増税は将来的にも中止するという立場です。ただ、この問題での立場の違いはあっても、この法案の内容であれば一致しうると考えました。もっとも簡単な中止の法的措置で、立場の違いがあっても共同できます」と強調しました。
議案提出権 国会の議案提出は、提出者のほか、衆院では20人以上、参院では10人以上の議員の賛成が必要。予算を伴う法案については衆院では50人以上、参院では20人以上の賛成を要します。日本共産党は参院選で11議席(非改選含む)へと躍進し、議案提出権を確保。参院ではブラック企業規制法案を提出しました。他方、消費税増税中止法案は予算を伴う法案であるため、単独提案はできません。
日本共産党よびかけの消費税増税中止法案(骨子)
「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」改正骨子(案)
1.消費税の税率の引き上げ等の延期
(1)社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律(平成24年法律第68号)の施行期日について次の改正を行うこと。
(1)消費税の税率の6・3%への引き上げ等に関する改正規定の施行期日(現行「平成26年4月1日」)を、別に法律で定める日に改めること。
※税率の引き上げのほか、消費税の使途の明確化、特定新規設立法人の事業者免税点制度の不適用制度の創設、任意の中間申告制度の創設の施行も延期する。
(2)消費税の税率の7・8%への引き上げに関する改正規定の施行期日(現行「平成27年10月1日」)を(1)の改正規定の施行日後の日で別に法律で定める日に改めること。
(2)(1)に伴い、消費税の税率の引き上げに係わる経過措置規定等について、所要の規定の整備を行うこと。
2.施行期日、関連法の改正等
(1)この法律は、公布の日から施行すること。
(2)消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法の改正その他所要の規定の整備を行うこと。
【予算を伴う法律案】
この法律の施行に伴い歳入減となる。
※なお、消費税の税率の引き上げの延期と一連のものとして、地方消費税の税率の引き上げ及び地方交付税に係わる消費税収入額の割合の引き下げを延期するため、「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律(平成24年法律第69号)」の改正を行うこととする。
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