東京でシンポ 秘密交渉に怒り
環太平洋連携協定(TPP)交渉で、安倍晋三内閣が交渉の内容を国民に秘密にしたまま、年内妥結へ突き進むなか、TPP阻止に向けた運動と共同を広げようと、シンポジウム「このまま進めて大丈夫なの? TPP交渉」が14日、東京都文京区で開かれました。農業、食の安全、医療、日本の主権を脅かすTPPの危険性と阻止に向けた決意が語られました。
TPP参加交渉からの即時撤退を求める大学教員の会、TPPに反対する弁護士ネットワーク、主婦連合会が主催し、全国食健連、全国保険医団体連合会など31団体が賛同。400人が参加しました。
特別スピーチを行った日本医師会副会長の中川俊男さんは、TPPと新自由主義的改革で崩されようとしている皆保険制度を守るため、「矢尽き刀折れるまでたたかい続けます」と述べました。
高橋正夫(北海道本別町長、十勝町村会長)、小林寛史(ひろふみ)(全国農業協同組合中央会農政部長)、鈴木宣弘(のぶひろ)(東京大学大学院教授)、山根香織(主婦連合会会長)、杉島幸生(ゆきお)(弁護士)の各氏がパネリストを務め、討論しました。
高橋さんは「TPPは、130年私たちが築き上げてきた農業、地域を壊し、子どもたちから夢と希望を奪う。子どもたちに大地をバトンタッチするため、皆さんと力を合わせて頑張り抜きます」と語りました。
アジア太平洋資料センターの内田聖子(しょうこ)事務局長が特別報告し、交渉が国民にいっさい明らかにされないなか、日米の多国籍企業が自らの利益のために各国の交渉官に働きかけている実態を告発。討論では、「つながりを広げ、圧倒的な力を結集してTPP阻止へ流れを変えよう」などの発言に、拍手が起こり、声援が飛びました。
東京都板橋区の大学院生(24)は「TPPが秘密交渉だと初めて知って驚いています。国民をあまりにもないがしろにしていて無責任です。今日、学んだことを同世代の友人や家族と議論し、インターネットでも発信します」と語りました。
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