ブラック企業追及 若者共感
東京 吉良 佳子さん
東京選挙区(改選数5)で日本共産党の吉良佳子さん(30)=新=が3位で当選し、2001年以来、12年ぶりに共産党の議席を獲得しました。最年少の参院議員になります。
日本共産党東京都委員会と後援会は、比例90万票で5人全員当選に貢献し、当落線上の大接戦の吉良さんを押し上げようと、最後まであらゆる手だてをとりつくすことを追求してきました。
吉良さんは、ブラック企業根絶と働くルールの確立や原発即時ゼロ、憲法を守る、国民の声をまっすぐ届ける政治の実現をと訴えてきました。「就職氷河期」に就職活動をし、何十社も受けて1社しか内定が取れなかったなど自らの経験を語り、異常な働き方を変えたいと立候補を決意しました。1300人もの若者の生の声、実態を聞きとりました。
街頭でワタミやユニクロなど大企業の実名をあげ、「月250時間以上も働かされたのに、手取りは月数万円」など切実な実態を示し、「ブラック企業のようなひどい働かせ方はなくし、働くみなさんの給料を抜本的に引き上げる改革こそが必要です」と対案を示した迫力ある訴えが、若者らの反響をよびました。
吉良さんは「原発いらない」と声をあげてきました。福島第1原発事故以来、毎週のように首相官邸前の抗議行動に参加し、選挙中もタスキをはずしてスピーチ。「一緒に声をあげてきた仲間だ」と吉良さんの人柄に信頼を寄せ、応援の輪が広がりました。6月には、保守系や無党派など幅広い人たちが「キラキラサポーターズ」(吉良よし子勝手連)を結成しました。
開票日の21日夜、若者を中心に多くの支援者が、当選を喜びあいました。勝手連で活動する男性(56)は「選挙戦を通じて、吉良さんの訴えが力強さと優しさを増していったのを感じ、20~30年先を見通して活動していける人だと思いました。これからが勝負だと思います」と話しています。
京の怒りかった「反共シフト」
京都 倉林 明子さん
「めっちゃうれしい」「議席を取り戻したで」。大激戦となった改選2の京都選挙区で21日午後11時10分、日本共産党の倉林明子さん(52)の当選確実が決まると京都市中京区の選挙事務所は、われんばかりの拍手と歓声に包まれました。
15年ぶりの党議席獲得をめざす倉林さんが、自民、民主、維新などの候補と7人で2議席を争う大激戦。倉林さんは21万9273票を獲得し、民主党候補に約1万8000票差をつけ2位で当選しました。
京都新聞が「共産旋風 京で復権」と大見出しを掲げて報道するなど、大きな反響を呼んでいます。
京都でも選挙戦は、比例でも選挙区でも「自共対決」の様相が浮かび上がりました。
憲法問題では、自民、民主の候補は「ウルトラ改憲派」で、平和と護憲の願いが倉林さんに集まりました。
消費税増税をめぐっても増税反対をきっぱり主張した候補は、倉林さんだけです。京都市で2桁の商店会から支持・推薦が寄せられるなど、大きな変化が生まれました。
日本共産党と倉林さんへの期待の広がりに危機感を深めた他党派と京都財界、知事や京都市長らが総がかりの「反共シフト」で共産党落としを画策。民主党は「共産党は反対ばかり」とデマ攻撃に終始。自民党や公明党に「共産党を落とすために票を回して」と“おねだり”戦術に走りました。
京都の党と後援会は「総がかりの『反共シフト』をはね返し、比例、選挙区勝利を」といっそう奮起。宣伝、対話・支持拡大に大奮闘しました。
有権者からも批判が続出。「民主党への票回しを指示された創価学会員が憤慨して、逆に倉林候補支持を知人に訴えた」(北部地域)など党派を超えた支援が拡大。民主党関係者も選挙後、「姑息(こそく)なやりかたが裏目に出た」と語りました。
倉林さんは22日朝、比例代表で3選を果たした井上哲士さんらと京都市で当選の報告。「新しい国会で自公政権に対決し、頑張りぬきます」
共産党への見方変えた猛奮闘
大阪 辰巳 孝太郎さん
1増の改選数4の大阪選挙区。主要政党有力5候補がしのぎを削る大激戦を制し、日本共産党の辰巳孝太郎さん(36)が、15年ぶりに党議席を獲得しました。
「猛暑のさなか、支持者や後援会員、党員の皆さんがまき起こしてくれた“共産党フィーバー”の結果です。自民党と対決し、消費税増税中止、原発即時ゼロ、憲法改悪反対、若者をすりつぶすブラック企業の根絶などの訴えが府民の願いと重なりました」
22日朝、辰巳さんは大阪駅前でこう力を込めました。若者が両手を大きく広げてエールを送り、自転車に乗った女性が会釈をしていきました。
他方、今回唯一の現職で6年前は128万票でトップ当選した民主党は33万票しか獲得できず、2001年から得ていた議席を失いました。
日本共産党と辰巳さんは、どんな問題でも抜本的対案を示してきました。「自共対決」を貫き、維新の会に痛打を、民主に再び審判をと呼びかけました。
日本共産党と後援会がくり広げた対話では、党支持を約束した高齢の女性が「くらしをよくしてほしい。絶対に裏切らないでください」と切々と訴えました。「共産党は国民を裏切りません」というと「頼みます」と声をふり絞りました。
「50年来支持してきた自民党に入れないで『日本共産党』に乗り換えました。少しでも気が変わる前にと期日前投票で入れてきた」「共産党の言い分は理想で、死票になると思ってきた。民主党に裏切られ、雇用が安定してこそ社会も安定すると、夫婦で比例代表も選挙区も共産党に入れることにした」
多くの有権者が日本共産党への見方を変え、党と辰巳さんへの期待が広がりました。各種調査では、共産党が安倍自公政権や維新批判の受け皿となり、無党派層の2割前後の支持を得ています。
辰巳さんは言います。「府民の皆さんの苦しみ、願いを受け止め、一刻も早く国会での論戦を高め、要求実現へ全力を挙げます」
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