家庭向け電気料金の値上げ申請の関電・九電
顧問報酬まで上乗せ
九電「やらせ」引責の前社長も
家庭向け電気料金の値上げを申請している関西電力と九州電力が、役員OBらが務める顧問らに払う報酬を、電気料金を計算するときの「原価」に含めていることが、11日までに分かりました。経営にかかわらない顧問の報酬まで電気料金に上乗せすることに、10日開かれた経済産業省の有識者会議「電気料金審査専門委員会」では、疑問や批判の声が出されました。
同委員会に両電力が提出した資料などによると、関電は、人件費の一部である「雑給」のうち、「常用員給与」の年間4億7500万円(2013年~15年の平均)のなかに、関西経済連合会会長も務めた秋山喜久元会長ら14人の顧問の報酬が含まれています。
「雑給」のなかに
九電は、「雑給」6億5400万円(同)のうち、「嘱託・契約社員」分の2億5200万円に、玄海原発の再稼働をめぐる「やらせ」メール事件で引責辞任した真部利応前社長(現顧問)と相談役2人の報酬が入っているといいます。
両電力とも顧問1人あたりの報酬額については、明らかにしていませんが、東京電力の場合、福島第1原発事故発生当時、顧問に月額90万円程度の報酬を支払っていました。
役員は高額報酬
一方、九電は、昨年6月の株主総会で、取締役の数を14人から17人に増やしており、10日の電気料金審査専門委員会で質問が集中。九電は、「やらせ」メール問題を受けた信頼の再構築や収支対策のため、機能を強化したなどと説明しました。
九電の提出資料によると、役員報酬総額は、12年の6億8700万円から5億4900万円(13年~15年の平均)に減っていますが、1人あたり平均年収は3200万円超という高額ぶりは相変わらずです。
また関電の提出資料によると、「役員給与は12年10月から役職位に応じて20%~30%の減額をした」としています。年収は1人平均600万円減ったとはいえ、4100万円(同)となっています。