庶民からむしり取り、大企業にふるまう安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の正体がいよいよはっきりしてきました。大企業にはトリプル(3重)減税、その一方で庶民には消費税増税で13.5兆円もの負担増を押し付けようとしています。
大企業向け減税は、(1)15年3月に期限切れとなる東日本大震災の復興特別法人税分の引き下げ(2)安倍政権が閣議決定した「成長戦略」にある「思い切った投資減税」(3)参院選公約に明記した「法人税の大胆な引き下げ」―の三つです。
復興特別法人税は、民主党政権下の2012年4月、法人税減税と同時に3年期限で導入されました。現在、法人課税は約38%ですが、15年4月からは約35%まで減税されることになります。
6月14日に安倍政権が閣議決定した「成長戦略」は、「思い切った投資減税で法人負担を軽減」することや、研究開発など「国内投資を促進するため、税制・予算・金融・規制改革・制度整備といったあらゆる施策を総動員」することを打ち出しました。
三つ目の減税となるのが、自民党の参院選公約に書き込まれた「法人税の大胆な引き下げ」です。引き下げ目標は参院選公約には明記されていません。しかし、昨年11月に自民党の日本経済再生本部が発表した「中間とりまとめ」には、「世界水準を目指した法人税の大胆な引き下げ(税率20%台)」と書かれていました。
大企業にはトリプル減税する一方で、庶民に対しては負担増が待ち受けます。安倍政権は、消費税率を来年4月に8%、15年10月には10%へと引き上げることを狙っています。消費税増税だけで、国民の負担増は13兆5000億円にも上ります。消費税増税を強行すれば、個人消費が減少し、中小企業の経営は行き詰まります。経済が悪くなれば、税収も減少し、財政も破たんしかねません。
日本共産党は、暮らしも経済も破壊する消費税大増税の実施を中止することを主張し、参院選挙で「大企業減税、庶民増税ノー」の審判を下そうと呼びかけています。