主張

国会閉幕参院選へ

安倍政権と対決する党の出番

 参院選を目前にした通常国会は、最終日に自民、公明が提出していた平田健二参院議長の不信任案を否決、安倍晋三首相への問責決議案は日本共産党など野党の賛成で可決して閉幕しました。問責決議可決により生活保護法改悪案などの採決はおこなわれず廃案になりました。発足以来半年間の安倍政権に国民が審判を下す参院選挙が、安倍政権とそれを応援する党と、あらゆる分野で安倍政権と対決し抜本的対案を示してきた日本共産党との「自共対決」を重要な対決軸にたたかわれることが、いよいよ明らかです。

憲法踏みにじった首相

 国会最終日に否決された平田参院議長の不信任決議案が、平田議長が衆院小選挙区を「0増5減」する区割り法案の採決を強行する本会議の日程を設定しなかったという与党の勝手な理屈にもとづくもので、何の道理もなかったことは明らかです。一方、可決された首相問責決議は、安倍首相らが議長不信任を口実に予算委員会などへの出席を拒否したためのもので、閣僚は国会に求められたときは出席しなければならないと定めた憲法63条を踏みにじる問題です。

 参院の問責決議は衆院の内閣不信任決議と違い内閣総辞職など法的な拘束力はありませんが、内閣の基本姿勢が問われる事態です。安倍政権が、自民・公明の与党が衆院で再議決に必要な3分の2以上の議席を占めるようになったことを背景に、国会運営の原則も踏みにじる横暴な態度に出ていることによるものです。

 異例な形で閉幕することになった今国会が、安倍政権による国民の暮らしを破壊する「アベノミクス」の押し付けや、原発の再稼働と輸出推進、憲法改定や侵略戦争美化の策動、環太平洋連携協定(TPP)への参加など、安倍内閣とその与党の暴走ぶりを浮き彫りにしたのは明らかです。問責決議の可決により廃案となったものの、最終日に採決をねらった生活保護法の改悪案は、生活保護を申請することさえ規制する「水際作戦」を合法化する重大な改悪です。今国会での廃案を大きな成果に、参院選でも審判を下し、完全に息の根を止めることが重要です。

 重大なのはこうした安倍政権の暴走にあらゆる分野で正面から対決し、国民の所得を増やす景気対策でも、「原発ゼロ」でも、憲法問題や歴史問題でも、抜本的対案を示してたたかった党が日本共産党だけだった事実です。とりわけ民主党が国会最終盤にあたり、生活保護法改悪など法案の処理を優先させ、問責決議には慎重な態度をとったことは重大です。最終的には民主党も問責に賛成しましたが、安倍政権に対決する立場がないことは隠しようがありません。

対決し対案示す党を

 総選挙で「第三極」といわれた日本維新の会やみんなの党なども、今国会を通じ、「アベノミクス」に反対せず、憲法問題や歴史問題では安倍政権をけしかける態度をとるなど、自公政権を補完する勢力であることがいよいよ明らかになってきました。

 国民は「アベノミクス」に不安と批判を募らせ、原発からの撤退や憲法を守り生かすことを切望しています。こうした国民の声にこたえるためにも、安倍政権と対決し対案を示す日本共産党が参院選で議席を伸ばすことが重要です。