ブラック企業大賞 自民で出馬

 自民党の参院選比例代表の31人目の公認候補となったのは、居酒屋チェーン「ワタミ」の渡辺美樹会長です。同氏は、2011年3月の都知事選に民主党都議団の支援を受け立候補、落選した経歴の持ち主。今回、公認を受けての記者会見で、安倍首相と4月に会食した際に出馬を要請されたと説明しています。

 ○…同社の系列の居酒屋「和民(わたみ)」で働いていた女性が、2008年6月、約1カ月の時間外労働が140時間を超えるなどの過酷な勤務で自殺に追い込まれ、昨年2月、労災と認定されました。昨年夏、労働環境が劣悪な企業の頂点を決める「ブラック企業大賞」のネット一般投票で、ワタミはぶっちぎりの1位に“認定”されています。

 ○…3月6日の参院本会議で、日本共産党の山下よしき議員が、「ブラック企業」の根絶を求めたのに対し、首相は「長時間労働の抑制を指導し、重大な法違反には厳正に対処する」と答弁しました。ところが、首相直々に渡辺氏に出馬要請したとあっては、安倍・自民党の見識が問われるというものです。(忠)