たたかいはこれからが正念場
――再稼働を許さず原発即時ゼロへ
原発ゼロをめざす中央集会 志位委員長の連帯あいさつ
日本共産党の志位和夫委員長が2日、「原発ゼロをめざす中央集会」(東京・明治公園)でおこなった連帯あいさつを紹介します。
みなさん、こんにちは(「こんにちは」の声)。日本共産党を代表して、熱い連帯のごあいさつを送るものです。(拍手)
安倍政権は、6月に閣議決定する「成長戦略」に、「原発の活用」を明記し、「再稼働のために政府一丸となって最大限にとりくむ」ことを明記すると伝えられております。
そして、7月の「新規制基準」の施行を受けて、柏崎刈羽、泊、伊方、高浜、玄海、川内原発などの再稼働が狙われています。しかし、再稼働など絶対に許すわけにはまいりません。(「そうだ」の声、拍手)
私は三つの点を訴えたいと思います。
福島原発は事故の真っただ中
第一に、福島原発は「収束」とは程遠い、事故の真っただ中にあるという問題であります。
とりわけ放射能汚染水の問題はきわめて深刻です。放射能汚染水に含まれている放射性物質の総量は、事故で大気中に放出されたものの約10倍と推定されるほど巨大な量であります。それが外部に流出する危機的事態の瀬戸際にまできているのが福島原発の実態なのであります。
「汚染水はいずれ海に捨てればよい」「海に捨てれば薄まる」という無責任な姿勢をとってきた国と東電に責任がある。私はこのことを強くいいたいし、海への投棄は絶対にやってはならないと訴えたいと思います。(「よし」の声、拍手)
みなさん、「収束」とは程遠いもとで、再稼働など論外ではありませんか(「そうだ」の声、拍手)。いまやるべきは「収束宣言」を撤回し、収束と廃炉、除染と賠償を日本の英知を総結集して一大事業としやりぬくことではないでしょうか。(大きな拍手)
「世界最高水準の安全基準」は完全に破綻
第二は、首相が、当初のべていた「世界最高水準の安全基準で、安全が確認された原発は再稼働する」という方針が、根底から破綻したことであります。
この間、首相は厳しい批判におされて、原発に「絶対安全はない」ということを認めざるを得なくなりました。原子力規制委員会も当初の「安全基準」という言葉を使えなくなって、「規制基準」という言葉に言い換えざるをえなくなりました。
「世界最高水準の安全基準」という首相の言明は、完全に破綻しているではありませんか。そうであるならば、再稼働方針は撤回するべきではないでしょうか。(「よし」の声、拍手)
くわえて、国内では原発に「絶対安全はない」と言いながら、海外では「世界一安全な原発技術を提供できる」などと、二枚舌を使って原発輸出に奔走していることは、絶対に許せるものではありません(拍手)。「死の商人」ならぬ「死の灰の商人」はただちにやめよ。このことを強く訴えていこうではありませんか。(「そうだ」の声、大きな拍手)
「再稼働先にありき」のずさんきわまる「新規制基準」
そして、みなさん、第三は、「新規制基準」なるものの中身が、ずさんきわまるものだということです。
たとえば、各原発の地震・津波想定に関する具体的数値の定めがありません。これでは地震や津波の想定値について、電力会社の裁量でいくらでも甘い想定を決めることができることになります。
なぜそんなずさんな「基準」になったのか。原子力規制庁は「時間が足らなかった」といっています(笑い)。冗談じゃありませんよ。(拍手)
つまり、いまの事態は、一刻も早い再稼働をめざして「スケジュール先にありき」で進められているのであります。財界・電力会社と一体での「スケジュール先にありき」での再稼働の押し付けを断固として拒否していこうではありませんか。(「よし」「そうだ」の声、大きな拍手)
たたかいは、これからが正念場であります。再稼働の強行を許すか、これを止めるのか。再稼働、原発輸出、原発固執を許さず、即時原発ゼロの政治決断をせよ。再生可能エネルギーへの大転換をおこなえ。この声をご一緒にあげていこうではありませんか。(大きな拍手)
以上をもって、連帯のごあいさつといたします。国会前でもまた会いましょう。頑張りましょう。(歓声、大きな拍手)