主張
「6・2行動」
「原発ゼロ」の声に応えよ
「原発の再稼働はやめよ」「原発は直ちになくそう」―安倍晋三政権は、こうした国民の切実な声を聞き応えるべきです。「6・2 NO NUKES DAY(ノーニュークスデイ)」を統一ロゴに、東京で繰り広げられた共同行動。「原発をなくす全国連絡会」が明治公園で、「さようなら原発一千万署名」市民の会が芝公園でそれぞれ集会を開きデモ行進のあと、「首都圏反原発連合」が主催した国会大包囲に合流するかつてない「共同アクション」です。梅雨の晴れ間の快晴のもと、東京や福島をはじめ全国から参加しました。
なにより被災者のために
「東京電力福島原発事故は収束していない。政府は収束宣言を撤回せよ」―。「原発ゼロ」の願いは、とりわけ原発事故の被災地と被災者にとって切実です。
事故を起こした福島第1原発は、破損した原子炉から放射性物質で汚染された汚染水が流れ続け、大量に流入する地下水が加わって、汚染水処理が大問題になっています。事故の原因は解明されず、収束や廃炉のめども立たず、いまだに15万人を超す県民が避難したままです。政府の避難指示区域の見直しで、長期にわたって帰れない「帰宅困難区域」の住民は、7市町村で2万5000人を超すとみられています。
政府と東電は、第1原発の1~4号機の廃止は決めました。しかし、第1原発の5、6号機と、第2原発の四つの原子炉は廃止していません。県内10基の原発をすべて廃止にせよとの県民の要求は当然であり、政府と東電は直ちにこの声に応えるべきです。
福島だけでなく、安倍政権が原発事故の収束もできていないのに、「世界一安全な原発」と称して全国各地の原発の再稼働を画策し、日本の原発は「世界一安全」だと世界に売り込みを図ることほど、被災者の気持ちを逆なでするものはありません。明治公園の集会では、玄海(佐賀・九州電力)、伊方(愛媛・四国電力)、柏崎刈羽(新潟・東京電力)などの地元から、決意表明がありました。鹿児島県の川内原発(九電)ではこの日、独自の行動も取り組まれました。
安倍政権は原発の再稼働や輸出に異常なほど前のめりで、近く決める「アベノミクス」の3本柱のひとつ「成長戦略」にも、「原発の活用」を盛り込もうとしています。福島原発事故であれほどの被害をもたらしたのに、あくまで原発依存を続けようというのは、国民と世界を裏切るものです。
日本で今ある50基の原発のうち稼働中の原発は関西電力大飯原発の2基だけです。原発が動かなくても電力供給に問題がないことはすでに証明済みです。大飯原発の運転を中止するとともに新たな原発再稼働を許さず、「原発ゼロ」を実現していくことこそ、政府の国民と世界に対する責任です。
国民の審判で再稼働阻止
安倍政権と「原子力ムラ」は、7月に原子力規制委員会が原発に対する「規制基準」を正式に決めるのを受け、北海道電力泊、柏崎刈羽、関西電力高浜(福井)、伊方、玄海、川内などの原発について再稼働の手続きを進めることを計画しています。国民のたたかいの正念場です。6月の東京都議選と7月の参院選を重要な機会に、再稼働阻止と「原発ゼロ」実現のたたかいを広げようではありませんか。