主張
師走総選挙の結果確定
論戦生かし新たなたたかいへ
師走の日本列島でたたかわれた衆院選挙の結果が確定しました。
民主党は歴史的惨敗で野田佳彦政権の退陣が確定、自民党が大幅に議席を伸ばし、公明党とともに政権を復活させる見込みです。
日本共産党は、比例代表選挙で直近の参院選より得票数・率を伸ばし8議席を確保、今後の前進への足がかりを築きました。選挙で支持していただいた方、奮闘された方に感謝と敬意を申し上げるとともに、選挙戦での論戦を生かし、これからのたたかいにいっそう力を尽くす決意です。
“敵失”に助けられた自民
民主党の歴史的惨敗が、3年4カ月前に自民党政権から交代した民主党政権が国民への公約を裏切り続けたことへの、国民の怒りと批判の表れであることは明らかです。沖縄での米軍新基地建設や前回総選挙で「やらない」とまでいった消費税の増税など、民主党政権は政権交代への国民の期待をことごとく裏切りました。総選挙で菅直人前首相や歴代官房長官など政権中枢から落選者があいついだ(菅氏は比例で復活)ことでも国民のきびしい批判は明白です。
自民党が、小選挙区の得票数では大敗した前回より200万票減らしているのに、今回議席を大幅に伸ばしたのも、こうした民主党による“敵失”と、1票差でも議席が決まる小選挙区制という不公正な選挙制度に助けられた結果です。自民党は小選挙区では8割近い議席を確保しましたが、得票に応じて議席が配分される比例代表選挙では3割そこそこの議席しか獲得できていません。選挙結果は自民党型政治崩壊の一過程です。
その自民党が政権に就いたからとはいえ、消費税、原発、環太平洋連携協定(TPP)、憲法など総選挙の争点になった問題で、打開の方策も展望も持っているわけではありません。経済問題では民主党に公約違反をけしかけて進めた消費税増税の責任には口をつぐみ、「デフレ脱却」だといって異常な金融緩和と公共事業のばらまきを示しただけです。財政と経済をいっそう破綻させる道です。
原発問題でも、自民党は「原発ゼロ」を求める国民世論に耳を貸すどころか、「即時ゼロ」は無責任だと攻撃し、原発依存を続ける態度です。東京電力福島原発の事故がいまだに解決せず、原発を再稼働させれば「核のゴミ」がたまり続けるのは明らかなのに、自民党の態度では国民の願いにこたえることはできません。
安倍晋三総裁のもと、タカ派路線を鮮明にした自民党が持ち出してきた「集団的自衛権の行使」や憲法9条を全面的に改悪して自衛隊を「国防軍」にするなどの主張は、国民の願いに逆行し、国際関係も悪化させることになります。アメリカからさえ「右傾化」が懸念される危険な策動を阻止することがいよいよ重要です。
国民的たたかいに総力
「アメリカいいなり」「財界中心」の自民党型政治を断ち切らない限り、政治のゆがみを正す展望が開けないことは明白です。
日本共産党は政治のゆがみを根本から正すことを訴え、消費税増税阻止、即時原発ゼロ、TPP参加反対、憲法の平和原則を守れなどの公約を掲げて総選挙をたたかいぬきました。今後も国民とともにその実現に力を尽くし、来年の参院選での前進を目指します。
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