北朝鮮の「ロケット」発射強行
日本共産党は一貫して反対し、中止のため行動
計画発表時から抗議・談話送り自制求める
日本共産党は、北朝鮮の「ロケット」やミサイルの発射に一貫して反対し、これを中止させるため、日本政府や関係各国に働きかけるなど、具体的に行動してきました。
今回の北朝鮮による「ロケット」発射については、発射計画が明らかにされた今月1日、志位和夫委員長がこれに厳しく抗議し、計画の撤回を強く求める談話を発表していました。
談話は、(1)北朝鮮に対し、「弾道ミサイル」だけでなく、人工衛星など「弾道ミサイル技術を使用した発射」も行わないよう強く求めている国連安保理決議1874号(2009年)など一連の安保理決議を順守し、日朝平壌宣言(02年)、北朝鮮の核問題に関する6カ国協議の共同声明(05年)に立ち返る(2)国際社会に対しては、非軍事・外交的手段に徹しながら、一致した対応で北朝鮮への働き掛けを強める―ことを求めました。
同時に、この志位委員長の談話を、「しんぶん赤旗」北京支局を通じて、在中国北朝鮮大使館に郵送し、発射の自制を強く求めました。こうした対応を取った日本の政党は、日本共産党だけでした。
北朝鮮はこれまでも、ミサイルや「ロケット」発射を繰り返してきました。
1998年8月には弾道ミサイル「テポドン1号」を発射し、日本列島上空を通過。06年7月にも「テポドン2号」などを日本海に向けて発射しました。09年4月には人工衛星打ち上げのためとして「ロケット」を発射し、日本列島上空を通過しました。
日本共産党はそのたびに厳しい抗議や遺憾の意を表明。同時に、02年の日朝平壌宣言の順守、03年に立ち上げられた6カ国協議の再開・成功を訴えてきました。
今年4月の北朝鮮による「ロケット」発射(結果は失敗)でも、志位委員長が発射計画の中止を求める声明を発表。「しんぶん赤旗」北京支局を通じて声明を北朝鮮大使館に届けるとともに、志位委員長が藤村修官房長官と首相官邸で会談し、野田佳彦首相あての声明を手渡しました。
さらに、6カ国協議に参加する中国(議長国)の程永華駐日大使と志位委員長が会談したのをはじめ、米国、韓国、ロシアの各大使館にも声明を届け、外交努力を要請しました。
今回の総選挙にあたっても、北朝鮮の発射計画が明らかになる前の11月に発表した政策で、北朝鮮による「ロケット」やミサイルの発射が安保理決議1874号に違反するとして「北朝鮮は、情勢を悪化させるいかなる行動も厳重に慎むべき」だと求めていました。
安保理決議への違反、6カ国協議の場へ復帰を
北朝鮮は12日、運搬ロケット「銀河3」を発射しました。北朝鮮側は、このロケット発射について、人工衛星打ち上げのためとしています。しかし、2009年に北朝鮮の核実験強行に対して、国連安保理は、それが弾道ミサイル開発と結びついた「国際の平和および安全に対する脅威」であるとみなし、開発の中止を求める安保理決議1874を全会一致で採択しました。今回の発射はこの安保理決議違反であることは明らかです。
人工衛星でも決議は禁止に
09年6月の安保理決議1874は、北朝鮮に対し、「いかなる核実験または弾道ミサイル技術を使用した発射もこれ以上実施しないことを要求」しました。さらに「弾道ミサイル計画に関連するすべての活動を停止」することを求めています。
「衛星」であって、弾道ミサイルではないとする言い逃れは通用しません。衛星打ち上げのためのロケット発射技術と、決議が使用を禁止している「弾道ミサイル技術」は同一であるというのが国際社会の常識です。
自制を求めた中国・ロシア
今回、北朝鮮がロケット発射を予告した際、中国外務省の秦剛報道局長は2日、「宇宙の平和利用の権利はあるが、この権利は国連安全保障理事会の決議などの制限を受ける」と述べて、発射にたいする自制を促しました。中国が「安保理決議」にふれて、北朝鮮をけん制するのは異例のことでした。
ロシア外務省も声明(3日)で「北朝鮮は国連安保理の決議を順守する義務がある」と自制を要求しました。
米韓日は発射予告を厳しく批判しており、中ロの表明で、北朝鮮の核問題の解決をはかる6カ国協議参加国のうち、北朝鮮以外の5カ国すべてが発射見直し要求で足並みをそろえたものでした。
安保理は、北朝鮮による今年4月のミサイル発射後、議長声明を採択し、核や弾道ミサイル計画に関与する複数の企業を資産凍結の対象に追加指定するなど制裁を強化しました。さらなる発射には「相応の措置を取る」と警告しており、安保理決議を無視しつつ、孤立化への道を歩む北朝鮮への国際社会の対応は厳しさを増しています。
05年共同声明に立ち返ること
北朝鮮はこれまで、02年9月の日朝平壌宣言でミサイル発射の凍結を表明、05年9月の6カ国協議の場では核兵器・核計画の放棄を約束しました。
北朝鮮に今、求められているのは、自らも確認した「平和的な方法による朝鮮半島の非核化」が目的であるとした05年の6カ国協議の共同声明に立ち返ることです。そして、国際社会の一員として、安保理決議を順守することです。
関係各国もまた、「事態の平和的、外交的、政治的解決」を強調している安保理決議1874の精神に沿って、一致して外交的努力を強めることが求められます。 (西村央)
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