主張
オスプレイ追加配備
県民無視した合意に怒り沸騰
日米両政府が米海兵隊の新型輸送機オスプレイを沖縄県民の反対を押し切って普天間基地に配備を強行してから7カ月がたちました。飛行ルールを定めた日米合意に違反した無法な飛行に反発が広がり、島をあげた配備撤回の要求へと発展しています。
にもかかわらず日米両政府は4月29日の日米防衛相会議で、オスプレイを今夏12機追加配備することを「確認」しました。県民が配備の撤回を求めているのに、逆に追加配備を決めたことに県民の怒りがいっそう沸騰しています。「負担軽減」というなら、政府はオスプレイ配備を撤回すべきです。
苦痛広げる無法な飛行
4月28日に1万人もの県民が参加し抗議した「『屈辱の日』沖縄大会」は、オスプレイ配備強行やさらなる配備などに抗議して、「県民総意を否定するこの国のありようは果たして民主主義といえるのか」と批判しました。昨年9月の10万人規模の県民大会や41市町村の首長や議会議長などが今年1月に政府に提出した「建白書」などでオスプレイ配備に反対しているのに、県民の声を無視する政府の態度を批判したのは当然です。
オスプレイは墜落事故を多発している危険な欠陥機です。昨年10月1日に普天間基地に配備されて以来7カ月、この連休中も含めて無法な飛行をくりかえし、県民は「いつ墜落してくるか」と不安を募らせています。
県と自治体が昨年行った調査や名護市が今年4月に行った調査で、学校や病院などの上空をわが物顔に飛び回っている実態が判明しています。「できる限り学校や病院を含む人口密集地域上空を避ける」とした日米合意がほごになっているのは明らかです。自治体の調査でさえ合意違反が明白なのに、「違反の事実は確認されていない」といい続け、米政府に抗議もせず、無法な飛行を野放しにしている政府の責任は重大です。
騒音被害も深刻です。名護市では100デシベルを超える騒音も測定されています。100デシベルは電車が通るガード下に相当する、すさまじい音です。夜10時すぎまで飛行することもしばしばです。「健康で文化的な最低限度の生活」を保障している憲法をふみにじる状態を放置するわけにはいきません。
12機を追加配備し普天間基地に24機のオスプレイが常駐すれば、墜落の可能性も高くなり、騒音被害も激増します。仲井真弘多知事が「県民の不安は払拭(ふっしょく)されていない。さらに12機はOKですよとはとても言えない」とのべているのは重要です。配備撤回の要求に背を向け、追加配備を強行すれば、県民あげての抗議によって、政府がますます追い詰められるのは避けられません。
配備撤回と基地撤去へ
これまでも「世界一危険」といわれた普天間基地が、オスプレイの配備でより危険な基地になっています。もともと普天間基地の返還は1995年の米海兵隊員らによる少女暴行事件を機に、日米両政府が返還で合意したのが原点です。名護市辺野古での新基地建設のための杭(くい)一本打たせなかったのは、沖縄から基地撤去を求めるのが県民の切実な願いだからです。政府が「危険性を除去」するというなら、オスプレイの配備を撤回させ普天間基地を無条件で撤去させることこそ重要です。
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