主張
「こどもの日」
夢や希望がもてる社会を
今日は「こどもの日」。「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかる」日として、憲法施行の翌年、1948年に制定され65年がたちました。
いつの時代にも子どもは社会の宝であり、私たちおとなが願うのも、「子どもの将来に希望が持てる社会」です。しかし、今日の日本社会は、ますます子どもたちの夢や希望を奪いとる方向にすすんでいます。
急がれる貧困の克服
親の雇用の悪化で、「児童のいる世帯」の平均所得は、1996年の781・6万円をピークに、2010年の658万円へ、100万円以上も大幅に減少しました。しかも日本の子どもの貧困率は先進20カ国中4番目の高さです。社会の標準的な所得の半分以下しかない家庭の子どもは300万人以上にのぼります。
“世界一高い”学費のため、親の収入が子どもの教育格差に直結しています。働く母親が増えているのに認可保育所が足りず、保育環境の不十分な施設ですごす子どもも増えています。子ども期の貧困と保育・教育の格差が将来へも大きな影響を及ぼす事態、これを解決するのは、政治の責任です。
「なぜに?俺だけ?」(小学校高学年)、「悲しくなる。友だちにからかわれるとき。みんなと違うと分かったとき」(小3)、「話に乗れないからみんなから透明人間扱いされる」(小4)…。子どもたちは貧困が社会からの排除と孤立につながることを敏感に感じています。こんな痛みを子どもたちにおしつけ、希望を奪う社会にしたのは自民党政治です。
財界いいなりの政治がつづいた結果、大企業は260兆円もの富を蓄積している一方で、長時間労働と「使い捨て」雇用におかれた親たちから、生活の安定も子どもと向き合うゆとりも奪いとる、ゆがんだ社会をつくりました。社会保障の切り捨て路線が子どもの貧困を放置し、さらに安倍晋三政権は、生活保護の大幅削減や公的保育の改悪など子育てを親の自己責任として、子どもの貧困をいっそう深刻化させる方向につきすすんでいます。世界の努力の方向に逆行するものです。
国連は02年の国連子ども特別総会で「子どもにふさわしい世界」の構築をよびかけ、子どもを最優先に、貧困の根絶、すべての子どものケアと教育、戦争からの保護、地球を守ることなどをかかげました。北欧諸国やオランダでは子どもの貧困割合は日本の半分以下です。スウェーデンやフランス、イギリスの子ども関連予算は日本の3倍以上です。日本の子どもたちに「ふさわしい世界」をどうつくっていくのか、東京都議選、参議院選挙でも問われています。
共同を大きく広げ
各地で認可保育所をつくってと声をあげた父母たちの運動、放射能から子どもを守る行動、地域からいじめや虐待をなくす共同などがはじまっています。子どもの貧困を克服し、子どもたちが安心して育つ社会の実現を求める声と行動を大きく広げていくときです。
子どもが安心して育つ社会は、だれもが安心できる社会です。日本共産党は、すべての子どもたちの幸福と健やかな成長、平和に生きる権利を守る共同を広げ、夢や希望がもてる社会にむけて全力をつくす決意です。