維新 兵庫2市長選惨敗

“大阪都に吸収”市民反発

宝塚で中川氏再選

 14日投開票の兵庫県宝塚市長選で、広範な市民とともに「明るい宝塚民主市政をつくる会」(日本共産党や民主団体で構成)が支援する無所属現職の中川智子氏(65)=元社民党衆院議員=が4万3347票、51・75%を獲得、「日本維新の会」公認の元市議(40)らに大差をつけて再選を果たしました。

 「維新」は宝塚市長選と、同日投票の伊丹市長選に大阪府外の首長選では初めて公認候補を擁立。夏の参院選や兵庫県知事選の前哨戦として、大阪市長の橋下徹共同代表が2度も現地入りするなど総力戦で臨みましたが、宝塚・伊丹の両市とも市長選で惨敗し、市議補選でも落選しました。「『維新の会』ノーという結果」(橋下氏)が突き付けられた格好です。

 宝塚では市長2代続けての汚職・逮捕という異常事態の中で4年前、中川氏が初当選。クリーンな市政で「宝塚の誇り」を取り戻し、財政健全化を進めながら市立病院の医師を増やすなど、市民本位の市政を推進してきました。日本共産党は与党として中川市長を支えてきました。

 選挙戦では「維新」幹部が「大阪都」構想にからみ、兵庫県の自治体も特別区に含める発言をしたことが大問題になり、中川氏は「大阪への吸収など許さない。絶対に宝塚を『維新』に明け渡してはいけない」と強調。「『維新』に負けるな」という市民の声が日々広がりました。

 「維新」候補は、公務員攻撃を繰り返し、「単純労務職員の分限免職(解雇)を殺されてもやる」「中川・共産党市政はおかしい」と叫びましたが、中川氏の「自治体は市民に寄り添い、日々の生活を守り、困っている人を元気にすることが仕事」(14日の会見)という姿勢が市民の共感を得ました。