1 えひめこども科学新聞とは
えひめこども科学新聞にはふたつの目標があります。
(1) 新聞作成を通じて,各テーマで身につけたことを振り返って理解を深め,
また伝える力をみがくこと。
(2) 他者とのコミュニケーションを通じて,新たな視点で物事を見ることが
できるようになること。
チームごとに,ひとつの紙面を作成します(図1)。役割分担して記事を作成しますので,話し合いが大事です。
図1 えひめこども科学新聞ひな形(A1用紙に作成します)
2 理解の深さは,説明できるかどうかで決まる
ノーベル物理学賞を受賞したリチャード・ファインマン博士は次のように述べています。
あなたが何かについてわかっていると考えるのであれば,それを他人に説明してみましょう。The ultimate test of your knowledge is your capacity to convey it to another.
3 言葉を使わける
図2 相手に合わせて言葉を使い分けよう
専門用語は,
- 意味が決められていて誤解しにくいこと,
- 用語が定められた背景がふくまれているため,ひとつの言葉に情報が圧縮できること
4 カンタンに説明することこそ難しい
図3 カンタンに説明するのは難しい
あなたは研究者の語る難しい言葉づかいで話すことが大変だと感じるかもしれません。しかし,じつはカンタンに説明することこそ難しいのです。
なぜなら専門用語を使わずに説明するためには,専門用語の意味をよく理解した上で,相手に理解しやすいように再構成しなければならないからです。そう。カンタンに説明できるかどうか,あなたの理解度を測る良い方法なのです。
5 伝わらないと意味がない
図4 あなたの考えについて話し合おう
もしかするとあなたは,孤独な変人に憧れがあるかもしれません。しかし,実際の研究者は互いのコミュニケーションを重視しています。たとえば,学術論文は,他の研究者に査読(読んでもらうこと)されて「この研究は社会に貢献しうるものである」と認められたときに掲載されます。他のだれにも理解できない言葉では,学術論文として発表できず,研究者として生きていくことはできません。
そのため,あなたの考えを他の人に伝わるように説明できる必要があるのです。他の人があなたの成果を見れば,あなたとはちがった視点で,そのおもしろさ,スゴさに気づいてくれるかもしれません。その視点こそが,あなたの世界を広げ「新たな発見」につながるのです。
6 まとめ
以上が,えひめこども科学新聞が必要な理由です。未知のものを見聞きして,それを相手に理解できるようにまとめ直す。新聞作成と発表は,あなたの理解をはかり,深める方法なのです。ぜひ,あなたも新聞作りに挑戦してみましょう!
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