理系のセンパイ,愛媛大学航空力学研究会が製作する人力飛行機について取材して,記事を作成しました。鳥人間コンテストで優勝を目指すセンパイと話し合うことで,新たな気づきを得ることができたでしょうか。

9月3日に城山公園で開催された県民祭の出典で,愛媛大学航空力学研究会,二宮翔会が開発中の人力飛行機が展示されました。

参考URL:えひめ県民祭
http://ehime-kenminsai.com/

そこで,受講生は,人力飛行機を観察し,また開発を行っている二宮翔会のセンパイにインタビューして,人力飛行機について記事にまとめました。

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図1 展示されていたデモ機(二宮翔会Twitterより引用)

展示されていたデモ機(図1)は,動力部分になります。自転車のようにこいで,どこまでも飛んでいくのです。
以下に受講生の記事を紹介します。

中学校3年生
女子
9/3に城山公園で県民祭が行われており、その一角で愛大工学部の二宮翔会による鳥人間コンテストに関するブースが設けられていた。ここで重要となるのは機体の軽さとパイロットの持久力だ。実際に模型を1分ほど漕いでみただけでかなり疲れ、しかも目標の240Wまで完全にはたどり着けない。まさに「重い自転車」だ。大会でのパイロットは大学生から選抜で、体重は約50kgを超えてはいけない。これは、力があってもその人の体重が重いと本末転倒だからだ。その機体は釣竿に使われるような軽いカーボンなどを使用しており、軽さと強度が重要で、しかもほとんど手作りだそうだ。離陸の際には翼の角度を水平から4度ほど上げることで調節している。一機作るのに約300万円、今年の大会の参加は見送る。

中学校2年生
男子1
9月3日えひめ県民祭が、開催されていた。その中に、二宮翔会のブースがあり、実際に飛行機の開発に関わった人へ取材を行った。まず驚いたのは制作におよそ4ヶ月かかることである。設計から始めるのでかなり大変な作業だと思った。この飛行機の動力は人力である。にもかかわらず、およそ700メートルも飛行したのだ。さらに、この飛行機の翼は、飛行中、翼が少し上に曲がるのである。これは、飛行機の機体を安定させるためであるそうだ。ここまで考えて製作するのは、とても凄いことであると感じた。機体の素材は、スタイロフォームと言われるものを使用している。この素材は、自分達の手で加工しやすく、軽いうえに強度があり、良いそうだ。鳥人間コンテストを見ていると旋回している機体がある。この機体はどう旋回するのかと聞いてみると尾翼を動かして、方向を変えていると言うのだ。しかも手元で動かすそうだ。素晴らしいアイデアが取り入れられている,この機体の飛行しているところを是非見てみたい。

男子2
9月3日、二宮翔会は城山公園で開催されたえひめ県民祭で鳥人間コンテストの人力飛行機に関するブースを設け、展示した。
二宮翔会はライト兄弟よりも先に模型飛行機の飛行実験に成功した二宮忠八の飛行機の設計を元に再設計している。この飛行機の最大の特徴は、カーボンなどの素材を使った軽量設計だ。これは5〜6年かけて作られており、作った人たちの苦労が垣間見える。また、長く飛ぶためにも、乗る人の体重や風の抵抗の影響など遠く飛ぶための難しいところも随所に現れている。難しいところもあるが、使いこなせればどこまでも遠く飛ぶことが出来るこの飛行機、果たしてどこまで飛んでいくのか。

男子3 2017年9月26日追加
9月3日、城山公園で愛媛大学工学部のサークル「二宮翔会」が二宮忠八が実現できなかった人が乗った飛行を実現するために、二宮忠八のカラス型飛行機の設計を基に、軸をカーボングラファイト、翼を発泡スチロールやプラスチックなど軽量化し、人力飛行機を制作した。滋賀県の琵琶湖で開催される鳥人間コンテストに今年は参加できなかったが、次回のコンテストには出場する予定だ。

女子
9月3日にええもんフェスタが、城山公園で開催されて、鳥人間コンテストの愛大航空力研究会のブースでインタビューをしてきました。最近出場したのは、2015年だそうです。機体名は、平成カラスx1改で、パイロットは、野村将さんだそうです。その機体は、こいだペダルのどうりょくを、筒の中のシャフトをつたって、プロペラを回すそうです。大人より軽い機体を細かい設計で、組み立て、飛ばすなんて、どんな技術があるのかが、興味がわきました。

中学校1年
男子1
飛んだ長さは努力の長さに比例していた。
二宮翔会の方々に機体について話を聞いた。このカラス型と呼ばれる機体は一般的なダイダロス型と羽の形が違う。素材は丈夫で軽くするために、軸はカーボン、翼はスタイロフォームという軽い断熱材でできている。機体の重さは30キロ、パイロットの重量は52−54キロまで。軽い向かい風の時に飛び立つとうまくいくようだ。長く飛ばす為の条件はたくさんあるのだと驚いた。試行錯誤の先に結果がついてくる。鳥人間コンテストでの最高飛行記録は約769m。来年のコンテストでも、ぜひ頑張って欲しい。

男子2
人力飛行機,日本記録をぬりかえるか!?
9月3日愛媛大学工学部の野村教授が主催する二宮翔会が、城山公園で開催されたえひめ県民祭で鳥人間コンテスト出場デモ機の展示を行った。この二宮翔会では、カラス型飛行機と呼ばれるものをモチーフとした人力飛行機を設計・製作している。現在使用している機は、平成カラスⅪ改だ。次のⅫ改では、世界で初めて飛行機を飛ばしたと言われる二宮忠八の書いた設計図をもとに日本記録を超える2㎞のフライトを実現したいそうだ。

男子3
驚いたことが、2つありました。
1つ目は、鳥人間に乗る人には条件があることです。体重は、54㎏程度じゃないといけないと教えてもらいました。遠くまでできるだけ長く飛び続けることが大事なので、いくら体力があっても体重が重いとすぐに落ちてしまうからだそうです。そして、体重の条件はクリアしていても、長くこぎ続ける体力が必要だということです。2つ目は、鳥人間の製作には多額の費用がかかるということです。一機製作するには、約300万円程度かかるそうです。すごい費用ですよね。一度飛ばしたら、また300万円かかるのですから、ドキドキするけどますますワクワクするような気がします。僕は将来、工学部に入り、鳥人間を作りたいと思います。

男子4
9月3日鳥人間コンテストの飛行機を作成した愛大航空力研究会をインタビューした。
ここで作られた人力飛行機は、時速25キロで進むように設計され、このスピードを維持しなければならない。僕は、どのくらいペダルが重いか体験した。とても重くて自分では耐えられず、乗っている人のすごさをしりました。また、もうすぐ鳥人間コンテストがあるそうなのでぜひ、本物が飛んでいるのを見てみたいです。

男子5
明治24年4月29日に二宮忠八は有人飛行夢への1歩として、聴診器のゴム管を細かく切り動力とした鳥模型飛行器を香川県の丸亀練兵場で飛ばし、無人ながらも空を飛ぶことに成功した。ライト兄弟が有人飛行実験を成功させ12年前のことであった。

女子
9月3日、城山公園で開催された愛媛県民祭で、「二宮翔会」の方々に取材した。
「二宮翔会」とは、愛媛大学航空力学研究会のことで、二宮忠八が設計したカラス型飛行機をモチーフにした人力飛行機を設計、制作している。この人力飛行機の最大の特徴は、とにかく機体が軽いこと。座席は発泡スチロール、本体には釣竿等に使われるカーボン、翼も薄い発泡スチロールと木材とで作られていて、機体の中で一番重いのは操縦者だというから驚きだ。様々な工夫を積んで作られる飛行機の製作には、3〜4ヶ月もかかるという。苦労の多い挑戦だが、メンバーは一様にキラキラした目と熱い思いを持っていた。2018年夏には、鳥人間コンテストに、7回目のチャレンジをする予定だ。2010年に出した記録769mを超える飛行を期待したい。

小学校6年
男子1
向かい風は有利?
人は向かい風があると走りにくくなる。しかし鳥人間にとって、向かい風は有利なのである。例えば、秒速7mで機体が浮くと仮定しよう。機体が浮くための揚力は、前方からの空気の流れによって発生する。そのため、秒速2mの向かい風が吹くと、秒速5mの力で機体が浮くことができるのだ。地上で走ることの不利な条件が、空を飛ぶことにおいては有利になることが、不思議だと思った。

男子2
人よりも軽い機体?
機体の重さはなんと49.5㎏で、乗っているパイロットよりも軽い。軽さの秘密を聞いてみると、カーボンという釣竿などの軽くて、丈夫な素材で作っているそうだ。さらに、接着剤の重さも、瞬間接着剤と24時間かけて固まるものでは、重さが違い、軽い方を選び、時間をかけてでも軽くできるように作っているそうだ。機体を作るうえで一番苦労したことは、どれだけきれいに作れるかだそうだ。また、遠くに飛ばすためのコツは、滑らかに作り、風の抵抗をなくすことだそうだ。僕は将来、二宮忠八の考えたカラス型飛行機に乗って、琵琶湖の空を飛びたいです。

男子3 ※2017年9月12日17:26追記
9月3日、城山公園で開催された県民祭会場で二宮翔会を取材した。
二宮翔会とは愛媛大学航空力学研究会のことで、人力飛行機を制作するサークルである。
二宮翔会の作る人力飛行機は、二宮忠八がかつて設計したカラス型飛行機をモチーフとしており、この愛媛県出身の偉人の名をサークル名としている。
現在制作中の飛行機は、機体の重さが30キロで体重50キロのパイロットを乗せて飛ぶ。軽量化された発泡スチロールとカーボンの機体で鳥人間コンテスト出場を目指している。


小学校5年
男子1
僕がインタビューをした事は、鳥人間を作る素材です。翼は、薄い発砲スチロールと木材で、本体は、釣り竿などに使われている物で、座席は、発砲スチロールでできています。一番重いのは、パイロットになる様につくっているそうです。

男子2
人力飛行機、秒速7メートルで飛ぶ!
人力飛行機は足の力でペダルをこいで空を飛ぶ。しかも、その速さは秒速7メートル以上でなければならない。この速さで飛ぶのは大変な体力を必要とする。
9月3日に城山公園で開催された県民祭で、僕は人力飛行機の操縦席を見せてもらった。操縦席には足でこぐためのペダルがあり、こいでいる力がわかるメーターで見ながら、ペダルの重さを調整することもできるようだ。ペダルを回して240ワット以上になると、秒速7メートル以上になり、飛び続けることができる。そこで、僕は操縦席に座り、ペダルをこいでみた。ペダルはとても重くて、僕の最高値は213ワットだった。4時間も240ワット以上でペダルをこぎ続けた人がいると聞いて、僕はびっくりした。9月末にはテスト飛行があり、来年の7月末には鳥人間コンテストがあるそうだ。ぜひ頑張ってほしい。

男子3
9月3日に城山公園で開催されていたえひめ県民祭の「ええもんフェスタ」にいき、愛大工学部の「二宮翔会」の人力飛行機を紹介するブースがあり、取材をしてきた。
二宮翔会では、ライト兄弟よりも先に模型飛行機の飛行実験に成功した二宮忠八の飛行機の設計を元に人力飛行機を再設計している。鳥人間コンテストに出場する人力飛行機の多くは、胴体と翼がコックピットの上についている高翼機らしい。二宮翔会では、パイロットより下に飛行機のある低翼機(カラス型)での挑戦がされていた。機体を軽くするため、機体は、カーボンという素材を何枚も重ねている、とのこと。ブースで展示されていた現在の形に至るまでには、5〜6年かかっている、ということだ。展示はされていなかったが、機体には30メートル近い翼が張られる。飛んでいるところは、どこで見られるかと尋ねると、ユーチューブでぜひ見てほしい、とのことだった。見てみると、飛んでいる姿はとてもきれいだった。部員は6,7名〜37人と、その年によってバラバラだそうだ。工学の楽しいところは、自分の知識がそのまま反映されるところだ、と二宮翔会のお兄さんは話してくれた。10人近くの方に、なぜ人力飛行機の会に入っているのかと質問すると、全員が「楽しいから」と答えた。カラス型の人力飛行機の考え方が盛り込まれた模型飛行機をつくって遊ぶコーナーが隣接されており、参加してきた。腕をまわすように風に乗せて飛ばすと、模型飛行機は遠くまで飛んだ。楽しくて、閉会の5時まで模型飛行機を広場で飛ばした。二宮翔会のカラス型人力飛行機が鳥人間コンテストにでるとき、ぼくは必ず応援する。きっと記録更新してくれるだろう。

女子1
9月3日松山市の堀之内公園で『ええもんフェスタ』が開催された。その中で私たちは、『二宮翔会』のブースを取材した。
『二宮翔会』とは、2002年に設立された、愛媛大学の人力飛行機製作サークルです。愛媛県出身の二宮忠八が設計した『カラス型飛行機』をモチーフにした、人力飛行機を設計・製作し鳥人間コンテストに6回出場しています。最長飛行距離は2010年に記録した769m!展示されていたカラス型の人力飛行機について、二宮翔会の応援団長のラッシャー宇和島さんに取材しました。人力飛行機の重さは60㎏前後で、体重が50㎏以下の人が乗って、秒速6m、時速に変えると時速21㎞くらいで飛びます。人力飛行機の世界記録は1400mくらいで、二宮翔会の769m。少ないようですが、これには理由があって、二宮忠八さんがつくったものを基に作ったからです。具体的には、普通のものは、運転席が軸より下にありますが、二宮さんのものは上にあります。また、普通のものは尾翼が1枚(十字型)ですが、二宮さんのものは2枚(V字型)になっています。私は二宮さんの作ったものを基にした人力飛行機で鳥人間コンテストに優勝して欲しいと思います。

女子2
9月3日、私達は愛媛大学工学部の人力飛行機制作サークル「二宮翔会」の方々に取材した。今回、二宮翔会は自身が作った出場デモ機を展示し、パイロット体験ができるようにしていた。インタビューに応じてくれたのは佐藤泰輔さん(愛媛大学工学部大学院2年)。今、二宮翔会での最高秒速は1.7m、時速は25kmだそうで、今までで一番長く飛べた距離は768mだそうだ。今年は直前に機体が故障し、出られなかったが、来年は鳥人間コンテストに出場し、新記録を目指すそうだ。飛ぶときは風の影響を受けるから、練習のときは風が少ない明け方に飛ばすそうだ。太陽の暖かさで機体に貼ったフィルムが縮んでしまうので、昼に組み立てると条件が悪くなる。だから、「徹夜で機体を組み立てる必要があり、大変です(笑)」と佐藤さんは語った。

以上です。熱心に取材した受講生の記事は,それぞれにバリエーションがあって非常に興味深いですね。

たのしかった,おもしろかったで終わっては学びが深まることはありません。たのしかった,おもしろかった気持ちを,自分のなかでしっかりとした形にすることが重要です。そのために,だれにでも伝わる記事を書くことは,とても良い練習になります。「飛んだ長さは努力の長さに比例していた」というタイトルは,それをとても良く表していますね。