課題2 (有効回答数36)
あなたがインタビューする人
- 趣味は実験や観察
- 自由研究で賞を,なんども受賞したことがある
- ジュニアドクター育成塾事業に参加している
- 将来の夢は理系の研究者になる
※実験講座で,かんがえた質問を使う場面がありました。事前学習は,このように講座での学びを深めるために行いますので,かならず受講前に行っておく必要があります。
図1 課題2の回答
それぞれの質問について,代表的な例を3つずつあげます。
1 研究について聞く(回答数35)
- これまでに自分がしてきた実験や観察で一番みんなに教えてあげたい研究は何ですか。
- 研究で出た結果で,とくに驚いたことは何ですか。
- どういう実験がすきで、これからチャレンジしてみたい実験はなんですか。
- 将来,研究者となった際にどのような研究をしていると思いますか。
- 将来科学をどのような場面で生かしていきたいか。
- あなたが思い描く将来の研究者像とはどういったものですか。 また,具体的にこういう研究者になりたいと思う人がいるのであれば,その人も教えて下さい。
- どうして科学が好きなのか。
- 科学には,物理学,化学,生物学,地学などがありますが,あなたはどの分野が一番好きですか。
- なぜジュニアドクターに応募したのか。
4 その他(回答数29)
- 科学者や研究者で誰が好きですか。
- 自由な時間には何をしますか。
- 理科の研究以外で好きな教科は何ですか。
みなさんの質問は,相手の研究内容や,研究が好きな動機を聞くものが多く,相手の将来像を聞くものが非常に少ないことが特徴です。どうしてなのでしょうか。この回答のちがいについてかんがえるのも,ひとつの研究です。たとえば,これを聞く相手が大学生だったら,結果は大きくちがうかもしれません。なぜなら,大学生にとっては「働く」という将来像は,みなさんよりも近くにあるからです。では,小学生と中学生と高校生と大学生,そして大学院生だと,相手の将来の夢を聞く回数にちがいがでるのでしょうか。こうしたことを数学的にかんがえるのが統計学(とうけいがく)という学問です。
まとめ
さて,どうして理系人材の育成プログラムで,インタビューの方法をかんがえる必要があったのでしょうか?
えっ!? インタビューができなくても理系の分野の能力には関係ない?
とんでもない!
理系人材育成事業の課題で,理系分野と関係のないことはしません。この課題は科学的思考力をはかるものです。もし,あなたがこの課題を文字どおりの「インタビュー」だとかんがえて,ちょっとふざけた(おもしろいと思う)質問を答えたのだとすれば,また,もし「理系の才能に,この課題は関係ない」と思っていい加減な回答をしたのだとすれば,あなたには広い興味や関心と科学的思考が不足していると言わざるを得ませんね。
この課題でかんがえたのは,あなたが,なにかを知りたいとき,どうすれば良いかという方法です。
人間は聞けば(だいたいの場合は)答えてくれますが,自然は物言わぬ相手です。私たちが,言葉で質問しても,なにも答えてはくれません。
では,物言わぬ相手から,あなたが知りたいことを聞くには,どうすれば良いでしょうか?
それには,質問のしかたを良くかんがえなければなりません。つまり,実験・観察の計画を良くかんがえなくてはなりません。選抜試験でわかったように,決められた時間で,目標を達成するためには,良くかんがえて,実行にうつさなくてはなりません。一方で,かんがえるばかりで手が動かなければ結果を出すことはできません。
今回の課題は,実験・観察の計画を立てるための最善手(最小の回数で最大の結果を出す方法)をかんがえることが目標でした。もう一度,あなたの回答を思い出してみてください。
あなたの回答は最善手になっていましたか?
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