ジュニアドクター育成塾事業「科学イノベーション挑戦講座」について説明します。
このプログラムの目的は,理学者,化学者,分子生物学者,動物行動学者,地質学者,天文学者,ロケット工学,機械工学,プログラミング,ロボット工学など,いろいろな分野で活躍するリーダーとなる理系人材をそだてることです。
あなたは『科学者』と聞いて,どんな人を思い浮かべるでしょうか?
私の調査では,多くの人が『白衣』を着て,『試験管を持った』『男性』のようです。
『科学者』のイメージ?
私は化学の合成化学を専門していたので,多くの人が想像する科学者のすがたをしていましたが,おなじ化学でも白衣を着ない科学者もいます。じつは,科学者のうち白衣を着る仕事をしている科学者はそんなに多くないのです。科学を研究するヒト,『理系人材』には,じつにいろいろな得意分野を持つ人がいます。物理学,化学,分子生物学,動物行動学,地質学,天文学,医学,薬学,化学工学,ロケット工学,機械工学,プログラミング,ロボット工学などなど。ときには社会計量学や統計学,金融工学など文系といわれる分野にも理系人材はたくさんいます。
こうした人たちのほとんどは『白衣』を着ていません。このプログラムでは,あなたの持っている非常にせまい『科学者のイメージ』を打ち破り,幅広い領域で活躍するリーダーになる科学者をそだてることを目的としています。
白衣を着ていない科学者もいっぱいいるぞ!
さて,この科学者たちは大学の『何学部』で勉強したヒトたちなのでしょうか?
理学部?農学部?工学部?医学部?薬学部?それともそれ以外でしょうか?
もくじ
1 ジュニアドクター育成塾事業とは
2 いろいろな受講コース
3 どんなことをするの?
4 いつ,どこで行うの?
5 申し込むには?
6 選抜試験って?
7 保護者の方へ
A選抜はかならず行う必要があります
B欠席や問題行動,未回答が続いた場合は受講資格を取り消します
C突出した才能を持つお子様の対応について
※このプログラムでは,あなたへの連絡にインターネット(V-CUBE Gate)を使います。また資料を作成するためにパソコンがつかえることが重要です。
1 ジュニアドクター育成塾事業とは
ジュニアドクター育成塾というのは,小学校5年生から中学校3年生が参加する,次世代のリーダーとなる科学者,科学技術者,プログラマーなどの理系人材をそだてるためのプログラムです。最大5年間かけて,実験講座と研究活動によってみなさんの力をのばしていきます。
とくちょう① 小学生も参加できる,はじめてのプログラム!
これまでのプログラムは,中学生以上が参加するものでした。今回,はじめて小学生が参加できる形でプログラムがはじまりました。小学生,中学生から時間をかけて,あなたの力をのばしていきましょう!
2 いろいろな受講コース
愛媛大学のジュニアドクター育成塾事業「科学イノベーション挑戦講座(ちょうせんこうざ)」は,3つの受講コースを用意しています。
① 通学受講生 25名選抜。通学受講生は,愛媛大学に通学してすべての講座を受講します。
② ネット受講生 15名選抜。ネット受講生は,通学がむずかしい人が参加する方法です。年5回以上通学して,参加できないときはネット配信で講座に参加します。プログラムは通学受講生とおなじです。
③ 未来の受講生 人数制限なし。愛媛県外で通学できない人でも参加できます!選抜はありません。ネット配信のみで講座に参加します。プログラムは通学受講生とおなじですが,一部のネット配信が受講できません。通学できない遠隔地や小学5年生〜中学3年生以外でも参加できます。ただし,1年で受講は修了すること,大学での実施には参加できないこと,成長記録がもらえないこと,研究活動に参加できないことなどが,他のコースとちがいます。
とくちょう② ひとりひとりの成長記録をつくります!
通学受講生は,いろいろな挑戦ができたり,学会に参加できたりしますので,もっとも学ぶ機会が多くあります。ネット受講生は「参加したいけど事情がある」人が学ぶことができます。どちらのコースでも,ひとりひとりの成長記録をつくります。将来にむかって,あなたの力をのばしましょう。
※未来の受講生は成長記録をつくりません。
とくちょう③ ネット受講でどこからでも受講できる!
ネットによる受講で,愛媛大学から遠い土地でも受講できます。ネット受講生は「参加したいけど事情がある」人も学ぶことができます。未来の受講生は,登録すれば参加できますが,大学に通学することができないなどのちがいがあります。いろいろな人たちが参加できるコースがありますので,あなたに合ったコースを見つけましょう。
3 どんなことをするの?
科学者,科学技術者,プログラマーなどの理系人材にむけた,いろいろなプログラムを用意しています(実施内容は予定です。会社名はあいうえお順,敬称略としています)。
総務省統計局 データの統計分析
岩谷産業株式会社 水素社会を支える技術
株式会社ウエノフードテクノ 食べものの安全を守る科学技術
株式会社テックプログレス プログラミングとロボット
田中貴金属工業株式会社 都市鉱山リサイクル実験
愛媛大学プロテオサイエンスセンター 無細胞タンパク合成システム
愛媛大学社会共創学部 レゴロボット
愛媛大学工学部 ハイブリッドロケット
など様々な分野を学びます。
とくちょう④ いろいろなことを学ぼう!
このプログラムでは広く科学,科学技術,プログラムなどの分野について学びます。あなたの力は,あなたの思っていなかったところでいかされるかもしれません。色々なことを学ぶことが必要です。
プログラミングや実験,観察を通して学ぼう
そして,ここで学んだことを,誰にでもわかりやすく伝えるために「えひめこども科学新聞」を作成します。科学新聞作成では,愛媛新聞社のご協力を得て,伝えるプロから「話す,見る,聞く,伝える」技術を学びます。
とくちょう⑤ だれにでも,わかりやすく,伝える!
スティーブ・ジョブズさんもビル・ゲイツさんも山中伸弥教授も大隅良典名誉教授も大村智北里大学特別栄誉教授も,すぐれた科学者,科学技術者,プログラマーはみな,すぐれた「伝える力」を持っています。たのしかった,おもしろかったでおわるのではなく,「なに」を学んで「どのように」たのしかったのかを伝える力をそだてましょう。このプログラムでは伝える力を学ぶために,伝えるプロ,新聞社の協力を得て,えひめこども科学新聞を作って,あなたの伝える力を育てます。
見る,聞く,考える,伝える
4 いつ,どこで行うの?
日程 月2回,第1,第3日曜日を予定しています。来年3月まで続きます。
時間 実験講座 8:30〜11:30,チームアクティビティ 11:30〜12:30
場所 愛媛大学
実施回数 年間20回程度(予定)
予定表を以下に示します。書いていない9回目以降は,今後予定を決めていきます。プログラムは3月まで続き,次年度は新たに始まります。
回 |
開講日 |
実験講座 8:30~11:30 |
チームアクティビティ 11:30~12:30 |
1 |
7月23日(本試験日) |
選抜試験 |
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2 |
8月6日 |
愛媛新聞社 「話す,見る,聞く,まとめる」 えひめこども科学新聞第0号「他己紹介」 |
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3 |
8月20日 |
大橋淳史准教授(教育学部) 基礎講座 「食品の安全を守る科学技術」 |
ネットを利用するときの注意点 |
4 |
8月21日 |
応用探究講座 「微生物の働きを抑えるには」 |
自由研究相談会 自由研究課題を持ち寄って まとめる準備をしよう |
5 |
9月3日 |
えひめこども科学新聞第1号 「食品の安全を守る科学技術」 |
水素燃料航空機を取材しよう 愛媛県民フェスティバル |
6 |
9月17日 |
?? 基礎講座 「タイトル未定」 |
スケッチの手法(仮) |
7 |
10月1日 |
応用探究講座 「タイトル未定」 |
科学者を分類しよう(仮) |
8 |
10月15日 |
えひめこども科学新聞第2号 「タイトル未定」 |
かさ袋ロケットによる 宇宙探査ミッションモデル(仮) |
実験講座は,チーム活動で学びます。基礎講座,応用探究講座,科学新聞作成講座の3回で,ひとつのテーマについて深く考えます。
① 基礎講座は,いろいろな分野の科学者,科学技術者,プログラマーなどの理系人材が来て,それぞれの専門分野について紹介してくれます。実験や活動で,その分野について学びましょう。
② 応用探究講座は,基礎講座で学んだことから,自分たちが解決する課題をえらんで,課題を解決する方法を考えて,解決にむけてチームでがんばります。
③ 科学新聞作成講座は,2回で学んだことについて,チームで1枚新聞をつくります。それぞれが記事を作成して,学んだことを誰にでもわかるように伝えましょう。科学新聞作成講座は愛媛新聞社の記事編集のプロが指導してくれます。
チームアクティビティは,実験講座とはちがってチーム内でいろいろな活動をして,研究者の仲間をつくります。
とくちょう⑤ 最大5年間,無料で学べます!
講座はすべて無料です(遠方からの通学費は支給されません。また遠方への移動の際の飲食費はご負担いただきます)。通学受講生およびネット受講生は,1年後に第2段階への選抜があります。第1段階で1年間,第2段階で最大4年間,あわせて最大5年間,無料で学ぶことができます。
※高等学校の生徒は通学およびネット受講生として参加できません。
※第2段階へ進んだあとに受講コース(通学受講生とネット受講生)を変えることができます。
とくちょう⑥ 第2段階からは研究活動がはじまります!
第2段階に進むと研究活動がはじまります。研究テーマは,みなさんと話し合って決めていきます。研究のやり方は,私たちプロの科学者とおなじ「共同研究(きょうどうけんきゅう)」という方法です。小さなテーマ(あなたや他の人のテーマ)の結果を合わせて,大きなテーマの目標を解決するのが,共同研究という方法です。あなたひとりの力では,なしとげられない大きな成果をえて,学会などで発表しましょう。
とくちょう⑦ 研究活動は学会などで発表します!
このプログラムの前に行われたプログラムでは,あなたのセンパイが研究成果を日本科学教育学会や日本化学会中国四国支部大会,日本生物教育学会で発表して受賞しています。あなたの研究テーマにあった学会などで発表して,全国にいるあなたの仲間と交流しましょう。
5 申し込むには?
下にあるアンケートサイトに行き,もうしこみフォームに記入して,選抜試験を受けます。選抜試験に合格すると,通学受講生およびネット受講生として参加できます。選抜試験に合格しなかった場合,または通学ができない遠隔地,対象年齢以外の方は選抜をしない未来の受講生で参加できます。
もうしこみフォーム しめきり 7月20日
※保護者の人に書いてもらうこともありますので,保護者と相談してからもうしこみましょう。
通学受講生およびネット受講生
https://questant.jp/q/53960CXG
未来の受講生コース
https://questant.jp/q/MK26CG4E
もうしこみで必要なこと
・あなたの情報(なまえ,学校など)
・あなたの受賞歴(自由研究等の受賞など)
・あなたについての質問への回答
・あなたが参加を希望する理由
わたしが科学や科学技術が好きな理由(200〜400字)
このプログラムで,あなたがもっともがんばりたいことはなんですか?(50〜100字)
あなたがこれまでがんばってきた研究について,ひとつだけをえらび,その研究を
わかりやすく説明してください(100〜200字)
・保護者の方に書いていただく部分
お子様の科学の才能と科学者への意欲について教えてください(200〜400字)
保護者の方の情報(お名前,メールアドレスなど連絡先)
6 選抜試験って?
ジュニアドクター育成塾事業は,国立研究開発法人科学技術振興機構から予算をだしてもらって愛媛大学で実施されるプログラムです。予算を出してもらうときに「かならず試験をして参加する人をえらぶこと」が約束になっています。そのため,希望する人をすべて参加させることはできません。
選抜試験日程
1 本試験日 2017年7月23日(日) 9:00~12:30
2 予備日 2017年7月25日(火) 13:00~16:30
※予備日は,どうしても本試験日に参加できない受講希望者を対象にした日程です。参加数によって合否に影響があることもありますので,原則として本試験日への参加をお勧めいたします。
選抜試験は以下のように行われます。
①思考力試験 60分
知識ではなく,研究において必要な「かんがえる力」をはかる筆記試験です。
②実験工作力試験 90分
課題があたえられますので,その場でくんだチームで課題を解決するための活動をします。研究において必要な「ちょうせんする力」「きょうどうする力」をはかる活動試験です。
③伝える力試験 30分
どのような工夫をしたのか,結果はどうなったのか,なにが大事だったのかなど,課題の解決における,よそう,結果,こうさつについてレポートにまとめます。研究において必要な「ひょうげんする力」をはかる文章作成試験です。
選抜試験などのデータをまとめて,参加する人をえらびます。くりかえしますが,えらばれなくても未来の受講生として参加することができます。ただし,未来の受講生は,通学受講生およびネット受講生とは,ちがうところもあります。
7 保護者の方へ:もうしこむ前によんでもらってね!
A インターネット環境が必要です
プログラムとお子様のやり取りにはインターネット(V-CUBE Gate)を利用します。また,予習動画の視聴と課題の確認・回答などがありますので,お子様が利用できるインターネット環境はかならず必要です。国立研究開発法人科学技術振興機構から受講生へのPC,タブレットの貸与は禁止されておりますので,インターネットに接続でき,動画視聴,画像のアップロード,Word,PowerPointファイルを読み書きできる環境をご用意ください。
※インターネットのご利用に関しては,プログラムで講習を行う予定ですが,原則として保護者の監督下で行っていただきますようお願い申し上げます。
B 選抜はかならず行う必要があります
国立研究開発法人科学技術振興機構から希望者全員の受け入れは禁じられており,かならず選抜を伴うという実施条件がつけられています。申し込みをなされたお子様が優れた才能を持つことは疑いの余地がありません。一方で,国民の付託を受けた税金で運営される事業ですので実施条件を遵守しなければなりません。大変申し訳ありませんが,ご希望に添えないこともありますことをご承知おきください。しかしながら,お申し込みいただいた方は,単年度登録制の未来の受講生(コースの詳細は2 いろいろな受講コースを参照してください)としての受講をお約束します。
C 欠席や問題行動,未回答が続いた場合は受講資格を取り消します
本プログラムは税金で運営されておりますので,受講者にも責任ある行動が求められます。欠席,問題行動,アンケートや課題の未回答,連絡への無回答が複数回続いた場合,通学受講生,ネット受講生,未来の受講生の受講コースを問わず,受講資格を取り消します。本プログラムは,大学教員がボランティアで実施しています。学校とは異なりますので,個別に事情を斟酌して連絡を差し上げる体制にはなっておりません。もし何らかのご事情がある場合は,お早めにご連絡くださいますようお願い申し上げます。
D 突出した才能を持つお子様の対応について
このプログラムは突出した才能をさらに伸ばすことが目標のひとつです。一方で,チームでの活動が多いため,チーム活動に課題をお持ちのお子様は,やや活動がむずかしい側面もあります。そこで,突出した才能をもつお子様はネット受講生として受け入れ,安全な活動は大学で,危険な薬品や操作をともなうときはネットで受講することをお勧めいたします。このコースはネット受講生15名とは別の特別コースとしてご用意する予定ですので,もしこちらの受講コースでの受講をご希望の場合は,もうしこみフォームの「お子様の科学の才能と科学者への意欲について教えてください(200〜400字)」のなかで一筆入れていただきますと対応がスムースに進みます。