森田浩介先生,新元素113番のニホニウム命名おめでとうございます!
本プログラムでは,開始年度の2013年8月1日に森田先生に本学にお出でいただき,新元素発見についてお話をしていただきました。話を伺って大いなる刺激を受けた小中学生たちが,愛媛から世界に大きく羽ばたいてくれることを期待しています。
教育学部で《科学イノベーション挑戦講座》特別講演「新元素113番発見の軌跡」を開催しました
https://www.ehime-u.ac.jp/post-34719/
次世代科学者育成プログラム事業開始年度で,右も左もわからずドタバタしているなか,お出でいただいた森田先生には大変感謝しております。新元素を生成するために,原子核同士をどのようにぶつけるかや,ロシアとの発見競争などの裏話が伺えて,私自身も大きな刺激を受けました。
とくに113番元素を確定させるための実験で,何年もの間データが出ないときのお話は研究者を目指す人には重要な知見です。森田先生いわく,データがでないときは以下のようにしたそうです。
「ひとつひとつの条件を確かめ,何がおなじで何がちがうのかを考えました」
「そのためには,できるだけくわしいデータが必要です。気温,湿度,天気,時間。実験したときの条件を,すべてくわしく記録することで,あとでデータを見返して実験条件を整理できます」
「みなさんが実験するときも,くわしいデータを記録しましょう」
アジア初,そして愛媛県出身の悲劇の科学者,小川正孝先生の遺恨を晴らした森田先生のご研究は大変な快挙だと思います。今後のご研究で,もし119番以降の元素が発見されれば,新しい元素が100個以上も存在することが証明され,周期表が塗り替えられます。化学者として,物質の基本となる元素の数が大きく更新されるのは,とてもわくわくします。ぜひ科学の新たな扉を開いていただければと期待しております。