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山田玲司のヤングサンデー 第389号 2022/5/9

食べ物の話

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僕は昔から「やるべきこと」に突き進んで生きているのが好きなので、どうにも「食べること」に関心が薄かった。


漫画家が締め切りに追われ、ペン入れをしながらおにぎりを食べる、みたいなのに憧れていたのもある。


実際何回も観た手塚治虫のドキュメンタリーには、本当におにぎりを食べながら漫画を描くシーンが出てくる。


「私は何かに夢中なので「食べ物」なんかに構っている場合ではないのだ」

みたいなモードに酔いたいのだ。 

ホント馬鹿だね。


なので一時期聴いていた「バナナマン」のラジオなんかは、そういう理由で聴くのを辞めた。


彼らの話は面白いのだけど、その話の内容のほとんどが「何が美味しいか」という話なのだ。


少しは楽しく聴けるのだけど「また食べ物の話か・・」と思うようになって、気がつくと聴くのを辞めていた。

なんかそういう話は「無駄な感じ」がしていたのだ。


でもどうなんだろう? 


食べ物を語るのはそんなに「無駄なこと」なのか?

なんて考えるようになった。



【フード理論】


ライムスター宇多丸さんのラジオで昔「フード理論」というのが話題になった。


確かその時ゲストの人が言っていたのは「優れたアニメ(映画等)には何かを食べるシーンが入っている事が多い」というような話だった。


「食う」「寝る」「抱く」などの動物的行動の中に「人間の本質」が立ち現れる、という様な話だったと思う。


今回考察していた「進撃の巨人」でも多くの「食べるシーン」が効果的に入ってくる。


この作品が「生きるか死ぬか」の物語なので「食べること」は特に重要で「サシャのイモ」や「マーレのソフトクリーム」「ハンジのシチュー」など印象深いシーンが多い。


もちろん「ジブリ作品」「富野作品」も食べるシーンは多く、そのどれもが効果的に作品を深めている。


「死ぬ」に対しての「生きる」を表すには、まず「食う」なのだろう。



【何を食べてる?】


「玲司先生は普段何を食べているんですか?」という質問をもらう事もある。