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山田玲司のヤングサンデー 第326号 2021/1/25

「幸せ」とは何か?

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その昔、あるお坊さんに「幸せって何ですか?」と聞いたことがある。


その時にそのお坊さんは「幸せとは量の問題ではないと思うんです」と言った。




何か「素敵なもの」を見つけると、人はそれを沢山集めたくなる。


猫が好きな人は、ついつい「2匹目の猫」が欲しくなる。

「いい靴」や「いい服」「いい車」「いい映画」「いい旅行」・・

「もっと欲しい」と思うものはいくらでもある。


ところが「増えた幸せ」は最初がピークで次第に減少する。


僕はかつて「魚を飼う」という沼にハマった事があるので、その辺少しわかる。


魅力的な魚はいくらでもいるので、ついつい「沢山」欲しくなる。

そして部屋中を水槽が占拠した頃に気がついた。


いくら魚を増やしても「最初に買ったネオンテトラ」に感じたトキメキが感じられないのだ。


これはあらゆる「コレクター」が感じる事だと思う。


みうらじゅんさんはそんな「コレクターの宿命」を死ぬほど理解した上で「あえて集める」という道を選んだらしい。


本人はそれを「苦行」と言っているけど、これはディスカバリーレイジチャンネルの「初めてのインド哲学」でやった「促進」という道だと思う。

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「促進」とは煩悩を否定せず、むしろ積極的に向き合う事により真理に向かう、という生き方だ。




【促進成仏ヒュー・ヘフナー】


「促進」の反対は「寂滅」で、これは煩悩を抑えていく道の事。


インドでは「促進」がブームの時と「寂滅」がブームの時が交互にやってきた歴史があるらしい。

(その辺の詳しい話はディスカバリーレイジチャンネルの第82回でやってます)


今回のヤンサンで考察した「プレイボーイ帝国」を作ったヒュー・ヘフナーの人生はまさに「促進」の人生だろう。


彼の生まれた時代は厳格なキリスト教社会と戦争で極端に「欲望」を抑えられていた時代だった。


まさに「寂滅」の時代だろう。


ところが彼は社会の人々が実は「寂滅(厳格)」には生きてはおらず、厳格な社会の裏で「欲望むき出しで生きている人達がいる」という「社会の2重構造」に気がついてしまう。


そしてアメリカは戦争に勝ち、物質主義が始まる。

「寂滅」は「促進」へ変わっていった。


その決定的な後押しをしたのが「プレイボーイカルチャー」であり、それを体現した「ヒュー・ヘフナー」だった。


それは自由をもたらし、多くの選択肢を生み出し「面白いこと」を沢山教えてくれた・・・


そこまではいい。