3D小説「bell」本編

■久瀬太一/12月25日/21時30分

2014/12/25 21:30 投稿

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久瀬視点
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「ニール」
 と、オレは彼に呼びかける。
「お前、」 
「はっ。なんのことだよ」
 彼が素直に認めるとは思えない。
 だが、ひとつだけ、考えていたことがあった。
「山本がこの部屋に入る前、お前ともうひとりがこの部屋にいたとして。そのもうひとりは、どこにいったんだろうな」
「あ?」
「お前はこのきぐるみの中にいた。じゃあ、もうひとりは? この部屋から、上手く逃げ出せたのかな」
 これも、状況証拠だ。
 確信はない。
 だが、違和感があった。事件のあと、どうしてニールはずっと、ファーブルと一緒にこの部屋の扉を見張っていたのか。その行動は奇妙だ。
 ――もしも、ニールが見張っていたのが、扉ではなくファーブルなら。
 彼が扉の前から離れるときをずっと待ちわびていたなら、説明がつくように思う。
「お前がかばっていた『誰か』は、まだこの部屋の中にいる」
「……どうしてそうなる?」
「逃げ出すタイミングがなかったから。まだお前たちがこの部屋にいるうちに、部屋の前には山本がやってきた。山本を眠らせてあれこれ工作して、それから逃げ出そうとしたら他のひとたちが来てしまった。だからお前は第一発見者のふりをした」
「適当にめちゃくちゃなことを言ってんじゃねぇ」
「この部屋に、もうひとり誰かいるなら、隠れられる場所はそう多くない」
 たとえば、ロケットのきぐるみの中。
 オレはそこを確認してみるが、からだ。
 なら、もうひとつ。
「ニール。お前、ずっとそのソファから動かないな」
「気に入ってんだよ。別にいいだろ」
「そのソファ。中にものをしまえるタイプじゃないか?」
「知らねぇよ」
「立て、ニール」
「ああ?」
「その中をみせろ」
「ふざけるな。立とうが座ろうが、オレの勝手だろうが」
「ニール」
 オレはゆっくりと彼に近づいた。
 そして、飛びかかる。
「やめろ」
 ニールがソファに座ったまま、オレを蹴り飛ばす。だが、弱い。踏みとどまってその足をつかんだ。彼をソファから引きづり下ろしながら、叫ぶ。
「宮野さん!」
「オーケイ」
 彼女はソファに手をかける。やはり、それは開くようだ。
「やめろ」
 とニールが言った。
 だが、宮野さんがやめるはずがなかった。
 彼女はがばりと、ソファを開く。
 そこには――
読者の反応

inamura @onthedish
宮野さんがやめるはずがなかった


セイル @seiruforto
ソファに誰かいるだと 


のにか@富山sol @nyooo0207
え、メリー様…?
メリー様嘘だろ…。゚(゚´Д`゚)゚。


アステル@福岡Sol @asuteru21
ここで電波切れた!





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