3D小説「bell」本編

■山本美優/12月25日/16時30分

2014/12/25 16:30 投稿

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山本視点
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 私は偉人たちがずらりと並んだ部屋のソファに、ひとりぽつんと座っていた。
 ――どうしてこんなことになったのだろう?
 昨夜の、あの部屋での出来事は、あまりよく覚えていなかった。
 センセイと呼ばれる人に会って、紅茶を飲んで、それで。
 そのあとは意識を失っていた。
 私はなにもしていない、はずだ。人にナイフを突きたてるようなこと、絶対にするはずがない。そんなこと、これまでに一度も、しようとは思わなかった。
 でもこの館にいるほかのひとたちは、私が犯人だと考えているようだ。
 理由は、単純だ。
 私の手元に、ナイフが残されていた。
 そのナイフにはべっとりと血のあとがあって、それは私の手の形をしていた。 
 ――誰かが偽装したのだろうか。
 そう考えるのが、いちばん辻褄が合うように思った。
 でも、誰が? 考えてわかるはずもない。
 逃げ出そうという気にもなれなくて、今はこの部屋に軟禁されている。
 不思議なことに、警察はまだ来ていないようだった。警察がくれば間違いなく私に質問にくるはずだ。
 現状はどうなっているんだろう? 気にはなったが、この屋敷に、私に罪をなすりつけたい誰かがいるのだろうかと想像すると、部屋からでようという気にもなれなかった。
 ソファで身をちぢこめていると、扉がノックされる。
 私はぴくんと身を起こす。返事をする前に、扉が開いた。

 現れたのはベートーヴェンだ。
 前置きもなにもなく、彼女は言った。
「久瀬くんって知ってる?」
 どうして。唐突に彼の名前が出てくるんだ。
「はい。もちろん。貴女こそどうして」
 どうして彼を知っているんだ?
「彼、うちのバイトなのよ。電話があって、こっちにきたいって」
「え?」
 くるの? 久瀬くんが?
「なんかもめてたけど、アルベルトさんが呼ぼうって言って、さっき一緒に迎えにいったわ」
「いつくるんですか?」
「あと30分くらいかな。たぶん」
 ほんとに? なんて急展開だ。
「どうして、くるんでしょう?」
「さぁ。貴女を助けたいんじゃない?」
 友達なんでしょ、と簡単に、ベートーヴェンは言った。

読者の反応

みゆ@ソル見守り班 @yazima_miyuki
山本さん!
そして30分後?に久瀬くんも!


七視 @namelessnewbie
凶器はナイフか


Kazu @kenzouii
ここまで焦らして急展開くるとはw


amor000@bell情報ディーラー @nagaeryuuiti
ん? 血の後が手形? いや、それはおかしいよ。血ガ着いてない場所が手の形をしてるならともかく、逆は変だ





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