3D小説「bell」本編

■久瀬太一/12月25日/13時40分

2014/12/25 13:40 投稿

コメント:1

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  • bell本文12月25日
久瀬視点
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「今のところ、私から公開できる情報はこれだけ。追加でもう少しなにか渡せるかもしれないけれど、ちょっと待って」
 とリュミエールは言う。
 でも、これだけでは
 きぐるみは、窓の方を向いて、呟く。
「そろそろ発車の時間みたいだぜ?」
 その直後、ぷしゅりと音が聞こえて、バスのドアが閉まる。
 次は12月25日です、と、今日の日付がアナウンスさせた。
 バスが走り出し、トンネルに入る。
 オレンジ色のライトが流れていく。
 その景色さえずいぶん懐かしく感じた。
 でもこの懐かしさだけは、気持ちの良いものではない。
 胸がどきどきする。
 このバスの窓からみえるのは、いつだって考えたくもない未来ばかりだ。

       ※

 まずみえたのは、洋館の一室だった。
 さきほど、リュミエールにみせてもらった動画と同じ部屋のようにみえる。
 そこにいるのは、やはり山本。
 それから、ニール、ファーブル、なぜか宮野さん、雪。
 オレもいた。あまり形容したくない表情で、うつむいて考え込んでいるようだった。
 オレは――バスの中のオレは、思わず「え」と声を出す。その風景には、奇妙なものが映り込んでいた。
 こちらの動揺なんて関係なく、窓の向こうのニールが言った。
「やっぱり、どうしようもねぇよ」
 彼はつまらなそうに山本を指さす。
「犯人は、こいつだ」

【BAD FLAG-08 推理失敗】

       ※

「いや、ちょっと待てよ」
 とオレは叫ぶ。
 やるべきことはなんとなくわかった。
 とにかく山本は無罪だと証明しなければいけないようだ。
 それはたいへんなことだし、全力で臨まなければいけない。
 でも、その前に。
「なんでお前がいるんだよ!」
 オレはきぐるみに向かって身を乗り出す。
 先ほどみえた光景。そこには。
 間違いなく、このきぐるみが映り込んでいる。
「なんでだろうな? いや、オレも知らないよ」
「知らない?」
「ってか、オレこのバスから降りる気ないもん。よく似た別人じゃないか?」
「いてたまるかそんなもん」
 いったい、どうなっているんだ。
 くそ、とオレは呟く。
 きぐるみはにやにや笑ったまま、また窓の外を指す。
「おい。もうひとつあるぜ」
 あるなよ、とぼやきながら、オレはまたそちらに視線を向けた。
 バスが再び、トンネルを抜ける。


読者の反応

ミズノ@名古屋(_・ω・)_ダァン!! @painterstudent
バットフラグきたー!


ナンジュリツカ@3D小説第1部大阪現地組 @nandina_citrus
うわぁ。推理失敗かぁ。 そしてなぜ映り込んでるの!少年ロケットwwwww 


悠梨@bellの音色は鳴り止まぬ @pear84
「いてたまるかそんなもん」せやなwwwwwwwwwwwwwww 


リコリス@レンブラント派/たけのこ派 @lycoris_3d
雪ベルト確定とひきこもりきぐるみは把握した


子泣き中将@優とユウカの背後さん @conaki_pbw
もう一つ…だと…





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久瀬視点

コメント

久瀬君とロケットのやり取りがおもしろくなってきたw

No.1 119ヶ月前
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