3D小説「bell」本編

■メリー/12月24日/15時10分

2014/12/24 15:10 投稿

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  • bell本文12月24日
メリー視点
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 ――今のところ、メールへの返信はない。
 私の期待とは裏腹に、「いい子の候補者たち」は現状、それぞれのクリスマスイヴを満喫しているのだろうか。
 もちろんたった10分ていどで返信がこないこともあるだろう。でもなんだか奇妙な不安があった。それはそれで仕方がない、とは割り切れなかった。
 今日はまだ9時間ほど残されているが、なんとか彼らと連絡を取る方法をみつけなければならない。
 でも、どうやって?
 ――そうだ。
 ひとつ、試すべき可能性を、私は手にしていた。

       ※

 久瀬くんがほんの数か月前に消えてしまったのだ、と知ったのには、もちろん理由がある。 私はしばしば、特別なバスに乗る。
 そこで、いつも決まってひとりの少女に出会う。
 最後尾の座席に座った少女。
 おそらく彼女は私よりも深く、私の事情を理解している。
 同時に、久瀬くんのことも。きっと私よりもよく知っている。
「これを、渡しておくよ」
 と彼女は言った。
 それは白いスマートフォンだった。
「どうして?」
「いつか必要になるかもしれないから。これは主人公のスマートフォンだよ」
「なに、それ」
 くすりと笑う。
「私が主人公になるの?」
「そうじゃないけど、そこが空席になったから。とりあえず貴女が持ってて」
「空席?」
「だって」
 言葉を濁して、彼女はうつむく。
「そのスマートフォンがあれば、ソルと連絡が取れるんだよ」
 ソル。その名前も、彼女から聞いたものだ。
「貴女が苦手な、ソル?」
「苦手なわけじゃないよ」
「私はソルと連絡を取る必要がある」
「もしかしたら」
 私はそのスマートフォンを受け取って、ホームボタンを押してみた。
 どこにでもある普通のスマートフォンにみえた。特別なものにはみえなかった。
「電波が入ったら、注意してね」
「わかった」
 確かに今は、電波の表示は圏外になっている。
 不安そうに、彼女は言う。
「でも貴女は、私の味方でいてね」
「もちろん」 
 私はほほ笑む。
「だって、私と貴女の目的は同じでしょう?」
 私たちはいわば、運命共同体なのだ。

       ※

 あのバスから物を持ち帰れるなんて考えもしなかったけれど、でも白いスマートフォンは間違いなく私の手元にある。
 私はそのスマートフォンのホームボタンを押してみる。
 電波が、入っていた。
読者の反応

少年(臨時代理! notベルくん) @3d_bell
まぎらわしいから、ツイッターの名前を変えときました!


少年(臨時代理! notベルくん) @3d_bell
@knta_no 
スマートフォンにはいっている連絡先は、2つです!
制作者と、主人公です!


少年(臨時代理! notベルくん) @3d_bell
なんかリプライ多すぎて対応できない!
とりあえず今は私を少年くんのかわりだと思ってくれたらいいよー。
そんなわけで、主人公のメアドにメールを送ってみたいと思います。


少年(臨時代理! notベルくん) @3d_bell
さいしょのほうにもらったコメントにこたえられなくてごめんなさい!
まず、このコメントを主人公に送りますね!
@3d_bell こんにちは。主人公、のアドレス宛てに「あなたはメリーさんですか?」とメールを送ってもらえますか?


少年(臨時代理! notベルくん) @3d_bell
返信がきました!
【メリーからの返信】
そうです。メールをいただいてありがとうございます。あなたは?


少年(臨時代理! notベルくん) @3d_bell
このコメントも送ります!
@3d_bell 反対意見がなければ「メールを受け取った。解読には時間がかかるだろうから待っていてほしい」と主人公へ送ってほしい。


少年(臨時代理! notベルくん) @3d_bell
さっきのコメントに返信がきました!
【メリーからの返信】
わかりました、ありがとうございます。
私は制限時間が、今夜いっぱいだと想定しています。





※Twitter上の、文章中に「3D小説」を含むツイートを転載させていただいております。
お気に召さない場合は「転載元のアカウント」から「3D小説『bell』運営アカウント( @superoresama )」にコメントをくださいましたら幸いです。早急に対処いたします。
なお、ツイート文からは、読みやすさを考慮してハッシュタグ「#3D小説」と「ツイートしてからどれくらいの時間がたったか」の表記を削除させていただいております。
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