3D小説「bell」本編

■山本美優/12月21日/20時55分

2014/12/21 20:55 投稿

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  • bell本文12月21日
山本視点
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 母に車で、駅まで迎えに来てもらった。
 急に帰ってきた私に、母はとくべつ驚きもしなかった。
「いつまでいられるの?」
 と呑気に尋ねられる。
「明日の朝いちで帰る。必須のテストまだひとつ残ってるよ」
「そうなの? 年末は?」
「また戻ってくるよ」
「じゃあ今日はなんの用なのよ」
「忘れ物があったの。いいでしょ、別に」
「そりゃいいけど。晩御飯は?」
「食べてきた」
「そ。あ、みかんあるよ。持ってく?」
「送ってくれたのまだ残ってる」
「はやく食べないとかびるよ」
「だいぶ減ったよ。友達に配ったし」
 と、そんなやりとりをしながら、懐かしい道を走り実家へと戻る。
 父に「ただいま」と声をかけて、自分の部屋に駆け込んだ。高校まで暮らした部屋だけど、ベッドも学習机も小学生のころのままで、ずいぶん子供っぽくみえた。
 ――スマートフォン。
 そんなものどこにあるのたろう?
 押し入れの中の段ボールならやっかいだ。一晩中部屋の中をひっくり返すことになるかもしれない。
 こんなところにあるはずない、と思いながら、まずは学習机の引き出しを開けた。
 いきなり、1段目だった。
 ――靴下?
 なぜか男物の赤い靴下が片方だけ入っている。なぜだ。父のものだろうか?
 私は父に確認しようと、その靴下を引っ張りだす。
 が、意外に重い。中になにか入っているようだ。四角く、平たい、それはまるで――
 まさか、と思った。
 私はその靴下に手を突っ込んだ。
 間違いない。中身は、スマートフォンだ。丁寧に充電器まで入っている。
 ――どうして?
 靴下の中に。だれの靴下だ?
「美優、お風呂入るよね?」
 と母の声が聞こえた。
「入る」
 と叫び返して、私は意識を引き戻した。
 重要なのはスマートフォンだ。壊れていないだろうか?
 充電器を繋ぎ、電源ボタンを押し込むと、ぶるるとそれは震えた。
 ――いける。
 ホームボタンを押して、ロックを解除した。パスワードはかかっていない。
 なんの変哲もないトップ画面が映る。アプリの数は、極端に少ない。初期設定のままだろうか。
 私はメールのアイコンに触れる。だが、メールフォルダは空のようだった。
 気が抜ける。
 ――無意味だった?
 へんに期待していたぶん、落胆が大きい。
 まったく。一体、なんなのだ、このスマートフォンは。
 ため息をついた、そのときだった。
 手の中から、ジングルベルが流れ始めた。 

 今、目の前で。
 10年前に受け取ったスマートフォンに、メールが届いた。
読者の反応

ねこくん@3Dbell長崎コラ班猫神雅 @kun_inu
電波ないけどメール着信!


秋月みお@劇団SOL(楽器好き) @mio_3dbell
ちょっとまってこのパターン…。


まにょ@ソル大阪 @mannnory
ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ


桃燈 @telnarn
持ってるはずのない男物の靴下の中、しかも引き出しの一番上という普段から使いそうな場所に一発で出てくるのに、忘れてしまっていたというのは明らかにおかしいわけで、やはり虚構を書き換えてずっと前に貰ったことになったと見るべきだろうね。


傍観者@2期でもニール派 @bell_watch
つまり二期で電波ありのときは山本ちゃんに繋がるってこと?


ドックしぃ@3D小説参加inソル @shixi_inuinu
+(0゚・ω・) + wktk!!





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