■あるクリスマス
その夜、少年はバス降り、ホテルへと向かう道を走っていた。
昨年、彼女と約束していたのだ。――来年も絶対に、また会おう、と。
ずいぶん到着が遅れてしまった。
もしかしたら、少女は悲しんでいるかもしれない、と少年は思った。
彼女には、絶対に悲しいことが起こらないようにする。それも、約束のひとつだと少年は思っていた。
――もちろん、そんなことできるわけがない。
そのことを少年は知っていた。
これまでもいくつかの、悲しいことを体験していた。
少年の力ではどうしようもないことが、たくさんあった。
――でも、オレはそんな嘘、つきたくないんだ。
本当に。嘘ではなく。彼女にふりかかる悲しいことを、すべて消し去ることができればいいと思っていた。
だから、冬の夜の道を、少年は必死に走った。
※
ホテルの前で、少年は彼女の後姿をみつけた。
彼女は落ち込んでいるように、うつむいて、でも足早に歩いていた。
――どこに、行くんだろう?
声をかけようと思った。そのときだった。
彼女は信号のない道路を、うつむいたまま渡ろうとして、そのとき。
鋭利な光が彼女を刺す。尖ったブレーキ音が、響いた。
少年は、ほとんど意識もせず、走り出していた。
そして、少女の背中を、まるでビンタみたいに。
思い切り腕を振って、突き飛ばした。
あしか(蜜柑) @asika809 2014-08-24 20:00:08
@sol_3d 過去編きた?
ラピス @rapiss 2014-08-24 20:00:59
事故の光景・・・
みお@3D小説はまだまだ続く @akituki_mio 2014-08-24 20:00:14
おおおおおおおおう 久瀬くん(ミニ)イケメン
あいう @aiu_096 2014-08-24 20:00:33
キャーーーーーー久瀬君かっけーーーーーー
そーとく@傍観ソル @atrass0077 2014-08-24 20:01:07
ビンタこっちか!なら今日はないのかな
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