3D小説「bell」本編

■久瀬太一/8月8日/14時

2014/08/08 14:00 投稿

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  • bell本文08月08日
久瀬視点
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 ホテルの部屋に戻って、違和感に気づいた。
 鞄の位置が変わっている。
 ――誰かが、この部屋に入った?
 書き物机の引き出しを開ける。
 そこになければならないものが、なかった。
 思わず舌打ちがもれた。視界が暗くなったような気がした。
 オレは部屋を飛び出し、すぐ隣の八千代の部屋をノックする。
 ドアはすぐに開いた。
「どうした?」
 と八千代が顔を出す。
「あんた、オレの部屋に入ったか?」
「いや。どうして?」
「誰かが、部屋に侵入した」
 八千代が珍しく険しい表情を浮かべる。
「なるほど。ファーブルは意外に強引だな」
「どういうことだよ?」
「考えればわかる。君があいつに会いに行ったなら、オレは君のあとをつける。ホテルに人はいない」
「鍵のかかった部屋だぞ?」
「どうにでもなるさ。オレにだってそれくらい、どうにでもできる」
「そうかよ」
「なにか盗られたのか?」
 オレは額に、右手を押し当てる。
「飾りだよ。クリスマスツリーの」
 あの白い星が、確かになくなっている。
 なるほど、と八千代が言った。
「ファーブルまで欲しがるなら、やっぱり君の星は、ただの食事会の入場証ではないな」
「そうなのか?」
「ああ。ファーブルは食事会の常連だ。いまさら強引に、そんなもの手に入れても仕方がない」
 たいへんだな、とオレは口先だけで応える。
 でも本当は、そんなものどうでもよかった。
 もっと大切なものが、オレの部屋からなくなっていた。
 ――くそっ。ファーブルに気を取られていた。
 いつもなら、持ち歩いているのに。
 今日はあいつを警戒して、大切なものを部屋に置いて出た。
「そんなに気を落とすなよ」
 と八千代が言った。
 だが、これだけは、ショックがでかすぎる。
 今のオレにとってはもっとも大切なもの――ソルからメールが届く、あのスマートフォンが、あるべき場所から消えていた。
読者の反応

VIOLA@ソルコミュ!オーナー @viola_vfreaqs 2014-08-08 14:02:10
スマホがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?!?!?!?!?!!???


セトミ@レンブラント派アイちゃん派 @setomi_tb 2014-08-08 14:02:52
ちょおおおスマホなくすなよ持ってろよおおおおおお  


いちごみるく @pon_hane 2014-08-08 14:04:11
スマ・・・え?スマホ・・・え?
・・・嘘やん  


もやしさん/ふゅー @777Moyashi 2014-08-08 14:05:13
ちゃんと持ってろよおおおおおおおおおおおおおおおおお  


光輝@oculus泥酔 @koukiwf 2014-08-08 14:07:52
おいいいい、久瀬えええええ!!!
 

都入り木庭 @kbmkt_ 2014-08-08 14:10:38
うわー久瀬くんうわー  


ヌマハチ@SOL @_NumaBEE_ 2014-08-08 14:06:12
次電波が入ったらファーブルとやり取りできるってことでおk?  


煙@制作者派 @smoke_pop 2014-08-08 14:13:38
おっと…これはむしろソル的には面白い展開なんじゃないか?初めて久瀬くん以外と連絡が取れるかもしれんぞ?  





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お気に召さない場合は「転載元のアカウント」から「3D小説『bell』運営アカウント(  @superoresama )」にコメントをくださいましたら幸いです。早急に対処いたします。
なお、ツイート文からは、読みやすさを考慮してハッシュタグ「#3D小説」と「ツイートしてからどれくらいの時間がたったか」の表記を削除させていただいております。
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