3D小説「bell」本編

■佐倉みさき/8月4日/16時50分

2014/08/04 16:50 投稿

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佐倉視点
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 ブラックアウトした視界の中心に、ぽっかりと、四角い光が浮かんでいた。
 その様は、簡単にたとえるなら、映画のスクリーンのようだった。
 私は客席さえみえない、自分の手足もわからない小さな映画館にいて、ただまっしろなスクリーンだけをみている。そんな風だった。
 白い画面の左下に、ぼんやり文字が浮かび上がる。
 ――リュミエールの光景、準備中。
 なに? リュミエール?
 とまどっていると、スクリーンに、新しい文字が浮かんだ。
 ――準備が整い次第、『ある少年の光景』を上映いたします。もうしばらくお待ちください。
 ある少年? 久瀬くん、だろうか。
 準備ってなんだ。
 私がそう考えたのを読み取るように、スクリーンの文字が変わった。
 ――貴女が「彼の過去」を理解するたびに、より正確に「彼の光景」をみられるようになるでしょう。たとえば貴女は今、「1コマ目」を理解しています。現状では、こうです。
 スクリーンになにか浮かぶ。
 その映像はひどく乱れている。
 が、ふいに。
 そこに、かつての久瀬くんが映った。たぶん小学校に入る前の、まだ保育園に通っていたころの彼。
 彼の隣には、怒ったような表情の女の子がいた。彼女はホウキにまたがって、必死にジャンプしていた。
 だがその映像はまたすぐに乱れ、意味をなさなくなってしまう。
 ――なんだ、今の。
 映像というにはあまりに短い、1枚の写真みたいな光景。
 やがて乱れた映像も流れ終え、スクリーンは純白に戻る。
 そこにまた、文字が浮かんだ。
 ――現状、判明しているのは、「1コマ目」だけです。
 ひとコマ目? あれが?
 ほうきにまたがって、「とべるの!」と言っていたペンギン。
 それが、彼女なのか。
 ――残った3コマをヒントにエピソードを理解し、「彼の光景」を完成させてください。
 文字は、それを最後に、沈黙する。
 私は白い――リュミエールの光景、準備中とだけ書かれた――スクリーンに向かって、尋ねる。
「これに、どんな意味があるんですか?」
 ためらうような時間のあとで、スクリーンに文字が浮かんだ。
 ――物語を先へと進める、儀式のようなものです。
 意味がわからない。
 私はさらに質問を重ねようとして、そのとき。
 より強い光が、視界に射した。
読者の反応

軽巡洋艦蓮霧 @renmu0309 2014-08-04 16:53:10
イベントフラグ「40コマ漫画1」ていうことは「40コマ漫画2」もある?  


コウリョウ@ソル賑やかし班 @kouryou0320 2014-08-04 16:53:25
14多忙もペンギンだけど…  


リョウゼン シュウ @shuu_ryouzen 2014-08-04 16:55:43
8「さみしい。」に繋がるのは確定なのかな??


なかめ@3D小説参加中 @huyusirone 2014-08-04 16:59:29
イベント開始まであと一分……! 





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