じっと動画をみつめていると、ひとつのコメントが、目に飛び込んできた。
ビンタするように、私は思い切りそいつを振った。
それは他のコメントと同じ速度で左へと流れていく。私は慌てて、シークバーを操作して、停止ボタンを押した。
※
間違いない、タイマーボックス「のみ」を振ればタイマーが止まる!!
※
そんな馬鹿な、と思った。
私は爆弾に目をむける。
振るって、そんな。爆発しないのか?
タイマーボックスというのは、あの赤い数字が動いているものだろう。つまり、爆弾の本体にみえる。
性質の悪いいたずらだと思った。
でも、とはいえ。時限爆弾には2本のコードの他にスイッチのようなものはない。分解することも難しそうだ。もし本当に解除方法が用意されているのだとしたら、そしてそれがあのコードではないのだとしたら、振動というのは納得のいく答えだった。
私はカウントダウンを続ける時限爆弾の前にしゃがみ込む。
軽く、ぽんと、その冷たい外装を叩いてみた。反応はない。赤いタイマーは今も無機質にカウントを進めていく。悪魔の足音みたいに。
私は再び、PCの画面に視線を向ける。
――と、私の不安を吹き飛ばすように、
※
バッテリーに触らずにタイマーだけ振るらしい
佐倉さん、タイマーBOX「だけ」振ってみてください!!
タイマーのみ振ってみてください!!
※
動画に、いくつものコメントが流れていた。
※
タイマーBOXのみ振ってください。
爆弾を強く振ってください
タイマーの方だけを振って下さい。
佐倉さんタイマーBOXを振って!!
佐倉さん、時限爆弾のタイマーの部分のみ振ることは可能でしょうか?
タイマーのみ振ってみてください!!
★★★恐ろしい状況で一人耐え抜いてくれてありがとうございました。
遂に解除法が判明しました、赤と青の線が出ている箱だけを小刻みに振ることで停止できます。
※
私はカウントダウンを続ける時限爆弾の前にしゃがみ込む。
軽く、ぽんと、その冷たい外装を叩いてみた。反応はない。赤いタイマーは今も無機質にカウントを進めていく。悪魔の足音みたいに。
私は唾を飲み込む。
――やってやろうじゃない。
心臓が強く鳴っていた。
それに、ボーカロイドの歌声が重なる。
胸の痛みに顔をしかめる。恐怖で涙が滲んでいた。
曲がサビに入る。
悪い奴らを片っ端からなぎ倒し進む奇跡の熱。
なんだそれ。無理やりに苦笑する。わけわかんない。でも、なぜだか私は、その熱を知っているような気がした。
私はもう一度ノートPCに視線を向けて、それに軽く触れてみた。
内部でファンが回っている。その振動を感じる。PCはほのかに温かい。それはきっと、私の体温よりも少しだけ高い温度だ。
――ああ、そうだ。
思い出す。
――久瀬くんの手も、温かかった。
彼に会いたい。もう一度、彼の顔をみたい。
だから息を止めて、その冷たい箱をつかみ――
ビンタするように、私は思い切りそいつを振った。
子泣き中将@優とユウカの背後さん @conaki_pbw
コメント投下されたの確認!どうだ?!
灯咲 彼岸@8/8誕 @hishou_higan
一時間きった!
佐倉さんに届け!
もっち @mochi_0307
誰だ佐倉さんに久瀬くんのことを好きなのかと聞いたやつはw
スター(ロボ) @Sutaa
と、ここでオチ。フラッグは折れるかな…?
はにわさん@がんばらせてください @haniwa82828282
さて、どうなる…
yunyanpuru @yunyanpuru
小説いつくるかな…
ヌマハチ@3D小説読者 @_NumaBEE_
ドキドキするぅううう!ヽ(°д。ヽ≡ノ°д。)ノ
桃燈 @telnarn 2014-07-25 20:17:30
完全にシナリオ班が超特急で書いているラグやな!
※Twitter上の、文章中に「3D小説」を含むツイートを転載させていただいております。
お気に召さない場合は「転載元のアカウント」から「3D小説『bell』運営アカウント( @superoresama )」にコメントをくださいましたら幸いです。早急に対処いたします。
なお、ツイート文からは、読みやすさを考慮してハッシュタグ「#3D小説」と「ツイートしてからどれくらいの時間がたったか」の表記を削除させていただいております。
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