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石川 温の「スマホ業界新聞」
2013/01/19(vol.018)
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《目次》
1.ASUSが「PadFone2」をSIMフリーで販売
━━このままでは失敗しかねない、PadFone2の「アキレス腱」
2.スマホが「目」と「耳」を持ったらどうなるか。
━━「SATCH」と「Toneconnect」の可能性
3.アメリカ通信キャリア事情
━━上位2社は依然好調。T-Mobileは流出続き苦戦中
4.今週のリリース&ニュース
5.編集後記
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1.ASUSが「PadFone2」をSIMフリーで販売
━━このままでは失敗しかねない、PadFone2の「アキレス腱」
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1月12日、ASUSは「PadFone2」を発売した。Qualcomm「Snapdragon S4 Pro」クアッドコアCPU、メインメモリは2GB。OSのバージョンはAndroid4.1.1となる。画面は4.7インチ、1280×720ドットだ。最大の特徴は10.1インチの画面を付けることが可能となっており、通常のスマートフォンとタブレットの両方を使うことができるのだ。チップセットやメモリーはすべてスマートフォン側が持っており、タブレットの画面部分はあくまで出力先ということになる。スマートフォンの場合、通常はアプリが縦長に表示されるが、スマートフォン部分をタブレットに合体させると横長の画面として利用できるようになる。
通信部分もスマートフォンに内蔵された状態なので、スマートフォンとタブレットという2つの用途を満たしながら、通信契約は一つで済むというのが魅力だ。
実際に触ってみたが、スマートフォン部分も軽く、コンパクトにできている。クアッドコアの割にはややメニュー操作で引っかかりを感じたが、通常の使用では問題なさそうだ。手になじむサイズでありながら、重さは135g、タブレットに合体させても649gと見た目は重たそうだが、意外と重さは感じない。一般的な10.1型タブレットの重さの範疇に収まっている感がある。
今回、発売されたのは「PadFone2」であり、実は初代PadFoneも存在していた。しかし、「国内キャリアと交渉を進めたが、採用されることはなかった」(ASUS関係者)という。スペックが向上した PadFone2でも採用の見込みがなかったため、ASUSとしては、SIMフリーで発売することを決断。7万9800円という値付けで家電量販店などで販売されている。
スマートフォン時代となり、日本国内でもSIMフリーで販売されるケースがわずかながらに増えてきた。例えば、昨年8月にはNECカシオがイオンリテールの販売網を通じてSIMフリー端末「MEDIAS NEC-102」を販売している。しかし、この製品はどちらかと言えば、NTTドコモ向け製品をベースに独自にカスタマイズした商品で、ユーザーからすると「在庫の余った製品をSIMフリーで出した」という印象に近い。その点、PadFone2は、最新スペックでありながら、きっちりとSIMフリーで投入してきたといえる。
一瞬、「7万9800円は高い」と感じるが、iPad retinaディスプレイモデルの64GB、Cellularモデルは6万9800円。ここから2年間縛られ、割引をされるため、一概に比較はできないが、端末の価格としてはスペック相当だと言えるだろう。しかも、「スマホとタブレットで両方使える」というメリットを考えるとお得感があるかも知れない。
しかし、ASUSの今の売り方を見ている限り、スマートフォンとして使えると訴求しているものの、SIMフリーがなんなのか、どうやって契約すればいいのか、どこのキャリアがいいのかといったアナウンスはほとんどない状態だ。
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