くぁん のコメント

小林ハルさんの壮絶な人生を見ていると、つくづく謙虚にならなくては…と思う。歴史を知るとは?その歴史の中で、今の自分達と同じように、考え、行動し、色んな感情を味わった人間達の人生を知ることでもあるのだな、としみじみ思いました。

自ら、"身のしまつ"をつけさせる為、芸の厳しさを叩き込まれるのと同じように、全盲の娘に裁縫や洗濯、一切の身の回りのことが出来るよう躾けた母親との物語も本当に感動的でした。心を鬼にする事の辛さや大変さは想像を絶するし、女親にしか出来ない"愛"なのかもしれない。事実、ハルさんは芸と共に、この生活能力が身を助けていたのだから。

コメンテーターとして番組に出演していた下重暁子が、男はこういった話(瞽女)をロマンで語りがちだけど、女から見ると生活そのものなのだ、という言葉が印象に残った。ドキッ!そ、そうなのかもしれない…。

宿命を背負い、苦しい事、切ない事を口にする…又は、人を憎むことは母親の教えに反すると、生涯それを貫き、修身していく様は"ど迫力"でした!タクシーで温泉場を離れ、単身老人ホームに向かう映像はあっさりし過ぎていて、見事過ぎました!

先ずは、「はなれ瞽女おりん」の原作を購入し、読み始めたのですが、村の人達にとっては瞽女も雲水も、芸やありがたい説教と引き換えに米や塩、金を所望する人は等しく「物乞い」と呼んでいたそうです。その「物乞い」にもグラデーションがあり、村人や、当時子供だった作者(水上勉)がもっとも嫌いだったのは山伏だったそうです。高圧的で、物がもらえるまでは外口の前(門付け)で金輪際動かないような荒々しい「物乞い」だったそうで、それに比べると瞽女の人達はいかにも"哀れ"というイメージだったとか。

なんだか、『ライジング』の感想ではなくて、番組の感想みたいになってしまいましたが、たかだか100年ちょっとの、マスメディアが創り上げた煌びやかな芸能は、奈良時代から1300年以上続く芸能の歴史の助走期間があっての飛躍なのだと理解しました!

男系継承が皇室の歴史、伝統だと嘯いている男系固執派、自称保守なども、たかだか100年ちょっとの男尊女卑の歴史にしがみつく本物の哀れな"慰み者"であると思います。

又、篠田正浩、岩下志麻コンビの映画『おりん』も見てみたいと思いました。今週もありがとうございました♪

No.39 1ヶ月前

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