日本の芸能の歴史、若衆役者の前髪禁止は知らなかったので面白かったです。
若さと前髪は絵面的にあった方がいいに決まっています。
どんなに風紀を取り締まろうとしてもその間をすり抜けてエロスの世界は発展していくのは
愉快ですね。
芝居、読み物、絵。人を楽しませるのことができる創作者は性欲、性癖と無縁であるはずがなく
人間は常にそれを求めている証拠でもあります。
好きな時代小説作家は池波正太郎氏ですが、氏は常に「白黒の間の様々な色合いが
世の中にあることを知らなくてはいけない」「人は善いことをしながら悪事をはたらく、
悪事をしつつ善行を行うもの」と印象的な言葉を残しています。作品の中で様々タイプの
男色のエピソードもあります。
創作者の性癖をどう多くの人を楽しませるものにできるか、隠し味を効かせるように
上手く表現できるのが本物の創作者なのだと思います。
それには小林先生が常に言われる「常識に命綱をつけて狂気の世界に飛ぶ」力量が必要
なのですね。　
芸能の世界が性、色ごとも武器にのし上がっていく弱肉強食の世界なのは歴史の必然性
と結びついているのを今回のジャニーズの件で改めて思い知らされました。
そうしたことをただ白黒で決めつけ、狭い視野でしか物を見なければ泉美木蘭さんの
今回のトンデモ見聞録のように人間の多様性に想像力のない化石のような思考で言論活動
する自称ホシュのような有様になってしまうのでしょう。