ゼロタカのerg日記

金色ラブリッチェ感想

2020/09/11 18:27 投稿

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はじめに読んでください
このブログの方針 (ar1942177) 
ネタバレ注意



記念すべき?第一回目は金色ラブリッチェ(略称:金恋)です。
なんでかと聞かれたら、つい最近プレイしたからです。三年前の作品だけどね……。
そのFDでもあるGTについてもまとめて語っていきますたかったです。

公式サイト(※リンク先R18注意)
SAGA PLANETS http://sagaplanets.product.co.jp/top.html

参考
金色ラブリッチェ&金色ラブリッチェ-GOLDEN TIME-ビジュアルファンブッ(※R18注意)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4799506390/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o00_s00?ie=UTF8&psc=1&redirect=true

金色ラブリッチェ COMPLETE SOUNDTRACK
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B078GLDB6N/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o00_s00?ie=UTF8&psc=1


Saga Planetsからの作品。ヒロイン全員金髪だったり萌えゲーアワード準大賞だったり、
申し訳ないがサガプラにしては珍しく話題作になったなと思った。

なにより、サブヒロイン以外をさかき傘氏の単独ライターとのことで、ルート間の齟齬や
設定崩壊といった致命傷を防ぐだけでなく、非常にまとまりのある一作になっていたのは高く評価したい。

以下本編あらすじ

私立ノーブル学園。
そこは未来の紳士淑女を作る場所。
教養だけでなく、
品格を学ぶための
全寮制の学園である。

とくに今年は、さる北欧の小国より
王族を招いたとかで、
学園は例年にない緊迫感を帯びていた。

主人公、市松央路が
思いがけないことからお姫様に気に入られ、
学園に叩きこまれたのはそんなとき。
空き部屋の関係で、
女子寮の端に押し込まれたのは
そんなときだった……。

(金色ラブリッチェHP ストーリーより抜粋)


エロゲのあらすじは正直どれも似たようなものなのでコメントは差し控えるが、
女子寮うんぬんって最初期だけだったなと思った。

さておき、このゲームはまず起動するとタイトル画面ではなくいきなりプロローグが始まる。
その後、一回だけ選択肢が出てくるが、そこで選択したヒロインのルートに突入──
ではなく、プロローグ終了後にヒロイン選択画面になる(プロローグ終了後はタイトル画面のSTARTで同じ画面へ行く)。プロローグでの選択はCG差分用、フルコンプに興味がない勢は適当に一人選べばよし。でも全部確認したくなる。


まずはそのプロローグの感想からいこう。

細かい物語の序盤部分は体験版が公開していると思うので、そちらをやってみればわかるのだが、勘違いからお姫様を軽い誘拐をしてしまった主人公が、その尻拭い?のためエリート校に転入する。主人公はごく普通な家庭育ちのため転校後しばらくエリート貴族達(家柄の良いお金持ち)に庶民だと差別されているが、徐々にクラスメイトや寮生と打ち解けていくゆるふわ日常シーンが展開されていく─

とまぁ言っちゃなんだが、ごくごく普通な、よくありそうな萌えゲーの導入である。

このあたりの評価はまぁやろうと思えばできるのだが、実に面倒くさい。
めちゃくちゃ面白い訳ではなく、かといってダメという訳でもない。
面白いか面白くないかで聞かれれば、十分面白い。でも、特筆するほど何かある訳でもない。

ごく自然に物語に没入させてくれるのでしっかり良質なのだが、尖った部分は特になく、普通に面白いと言ったブログとしてまとめるには検証しにくい絶妙なラインである。
どこが面白い、といった具体的なシーンを上げるのはここでは避けるとして、全体的な雰囲気や世界観は楽しみながらプレイできる、と言った程度にしておこう。他に思いつかん。

そんな具合で、日常シーンも面白いよ。と、まとめたいのだが……


時々、なんでそんな喧嘩売るの……?といったシーンが目に付く。


これはプロローグだけでなくその後の個別も含むが、例をあげると野球、歌手、テレビ業界、映画、国の政策(ゆとり教育)……
などなど、あらゆる方面にチクチク言葉を投げつける日常シーンが登場する。
その内容について理解はできなくはないのだけど……。



画像1 チクチク言葉歌手編




画像2 チクチク言葉野球編


ちなみに補足しておくと、これら発言は別に後の伏線というわけではない。
おそらく『あるあるネタ』の亜種として挿入しているのだろう。

しかし、その『わかる~』といったユーザーの共感を得るために、歌い手を「『歌手になりたい素人』で終わった」と評す(画像1)、『野球は宗教』(画像2)、『最近の映画は~』といった、他のエンタメをとにかくサゲる。
このエンタメ面白いよね~、といった話題の盛り上がり方は俺の記憶違いかもしれないが、
おそらく作中に、ない。

野球に関しては後述の玲奈ルートでとことんダメ出しをするつもりなので、一旦置いておこう。ここではキャラ設定上、主人公がある程度野球についてやさぐれた言い方になるのが仕方ないけども……と言う程度に留めておく。

しかし、テレビや映画関連の話題などでも『コンテンツがダメになった原因』といった掛け合いやモノローグが出てくる。

指摘内容については支離滅裂ではなく、部分的に理解も共感も示せるのだが、
その喧嘩腰に映る態度には流石に疑問符が浮かんでしまう。


厳しい言葉で表現するなら『理解はできるけど、不愉快』


エロゲで一万回はやった、目玉焼きには何をかける?といった可愛いあるあるネタで共感を取りに来ているのなら楽しいものだが……。

ただし、その話題で1シーン終わらせるなどは一度もなく、決して長くはない。
せいぜい4.5クリック分だろう。

似たような感覚としては、やたらウンチクを説明されている感じだろうか。
エロゲで豆しばを披露されても「そう……」としかならないので、その感覚に近い。

とはいえ、さらにフォローをしておくと、これは極々一部だ。
1日進行を1シーンで仮に区切ったとして、その頻度はせいぜい4.5日進行に一回程度。
そして前述の通り、一回の分量も短い方だ。

この辺は「癖のあるライターだなぁ」ぐらいでスルーしておける範囲なので、特に作品の質を貶めているなどの問題といった訳ではない。が、個別、そしてGTにも一部出現するのでそのたびに「なんでそんな喧嘩売るの……?」と思うのだった。

厳しめの意見を書かせてもらったが、その他の日常パートは笑いありで非常に楽しく進み、
多少の山あり谷ありはあれど、基本的には素晴らしく良質な内容にまとめられている。

それだけに、他のエンタメ関連に喧嘩を売る謎のスタイルが際立ってしまった。終始穏やかにいけば良いのに……と思ってしまう。
主人公だけが毒づく訳ではないのだが、ビジュアルファンブックのインタビューによると(P139)、『(中略)・・・ときどき心の闇が出てきてしまう感じでしょうか』とあるので、
主人公のやさぐれ感でも出したかったのだろうか。


さて、個別の感想に行く前にもう1つだけ。

プロローグにおける僧間理亜について、この場で触れておこう。

主人公、市松央路が教室や学園でまだ居場所がなく、誰も立ち寄らない立ち入り禁止の屋上で昼休みを過ごしていたらそのまま放課後になり、その時出会った喫煙家の金髪ヤンキー少女。

理亜は浜松湖に落ちる夕日を眺めるために屋上に夕方になると現れる。その夕焼けを見ることがゴールデンタイムであり、央路と彼女はその絶景スポットの秘密を共有する。

帰宅時に寮の隣部屋ということも知り、女子寮で警戒されている央路と不良として怖がられている理亜とで共通項が見つかり、次第に央路の部屋に度々現れたり、屋上で央路が相談や悩みを持ちかけて聞いてもらうなど、男友達のように仲を深めていく。

プロローグ中盤で央路が今も大事な思い出として残している10年前のキャンプ(後述)で
出会った金髪の少女が、央路と転校するきっかけになったお姫様(シルヴィ)であり、その時のシルヴィの初恋相手が自分かもしれないとそわそわし始めてからは、二人をくっつけようと央路を焚きつける。

結局シルヴィから初恋の相手は央路ではなくソーマ君だと判明し、ソーマ=そうま=僧間
と理亜のことであり、央路のことではなかった(とも言えないのだが)。
けれど、子供の頃同じ場所で遊び、再開を約束した幼馴染たちが10年の時を経て偶然にも再び同じ場所に集った、という締めでプロローグは終わる。

判明した、といってもこの時点では理亜の口止めによりソーマ君が僧間理亜でありノーブル学園に通っていることはシルヴィは知らないのだが。

彼女の詳細に関しては、後で改めて触れるとして、ここで彼女とのやり取りは『生き方』についてが大部分を占める。

主張の内容は初見時はなるほどね、と普通に含蓄のある言葉と受け取ったが、振り返ってみるとなぜゴールデンタイムやカッコつけて生きることに拘っていたのかがわかるのは憎い演出だなと思った。


画像3 僧間理亜とのやりとりの一例


ひとまず簡単に彼女に触れたところで、個別ルートへ。

まず、攻略順だが、玲奈→エロイナ→茜→シルヴィの順でプレイした。茜はメイン一人攻略後に解放される。
順番はシルヴィ→グランドルートの流れにした方がスムーズに物語を追えると感じるので、
シルヴィルートを最後にすることをおススメする。
他の三人に関してはお好みで良いと思う。

登場人物ざっくり紹介
市松央路・・・主人公
シルヴィ・・・お姫様、幼馴染1
僧間理亜・・・ヤンキー、幼馴染2
妃玲奈 ・・・同級生、ギャル
エロイナ・・・シルヴィの護衛
栗生茜 ・・・後輩
縞投良 ・・・幼馴染3、央路の前の学校の野球部のエース
千恵華 ・・・妹
城ケ崎絢華・・理亜の友人、主人公を学園から追い出そうとする
カミナル・・・シルヴィの妹、愛称はミナ

では早速、俺の攻略順に沿った各キャラの感想に移りたいと思う。


妃 玲奈(CV.遥そら)



画像4 玲奈


本当はまず公式HPのキャラ紹介をここに引用しようと思ったのだが、玲奈というより他のキャラの紹介文が本編のキャラとあまり合っていなかったので、簡単な説明を書いておく。HPは初期設定をそのまま載せたのか?

テーマは『黄金律』。ちょうどいい、というニュアンスのようだ。
キャラクターとしては一言で言うなら緩い系のギャル。
距離感が近く、相手の懐に自然に入っていくことができる。誰とでも仲良くなり、誰とでも仲良くなりにいくタイプ。遠慮なく色々な話のネタを振って振り回される、登場すると場を楽しくする。
そして愉快な一面だけでなく、相手の機微に聡く、お節介焼きな一面もあり作中でもママみを感じさせる良いキャラクターである。
「ちょうどいい」というテーマ通り、人間関係のバランス感覚に非常に長けたキャラクター設定となっている。

正直、こういう距離感の近いキャラはド性癖なので、CV.遥そらということもあり、
真っ先に攻略したという個人的なものもある。

肝心のシナリオだが、ぶっちゃけ玲奈がメインではない

メインではない、というと少し語弊があるが、このルートは市松央路のノーブルに来るまでの過去の清算の物語がメインだ。

そもそもこの作品は「メインヒロイン三人を使って舞台設定や背景を説明する」という
構成になっている。

個人的にはこの表現は高評価であるし、この作品が単独ライターという強みを活かした結果だろうなと思うので、上手いことやるなぁとニヤリとしたものである。

とはいえ安心してほしいのが、それはそれとしてヒロイン一人にスポットライトを当てて物語として成り立っている。

さて、ではその内容であるが、ざっくりと説明すると、


『転入前の学校でプロ注目エースかつ強打者の幼馴染とバッテリーを組んでいた央路が、
あること(野球外)で監督に意見を言い、懲罰で二軍落ち。干された結果、扇の要を失ったチームは初戦敗退。チームメイトから大事な試合の前に余計なことすんなと恨まれ、
居場所を失いそのまま学校ごとフェードアウト。

ノーブル学園に転入後(時系列復帰)に幼馴染と再び出会い、その時の嫌な記憶を
思い出すも玲奈に慰めてもらい、なんやかんやあって恋仲。

その後、幼馴染と夏以来の再会、もう昔のことだとある程度割り切り一旦和解する。また央路の現在の居場所を知った元チームメイトたちとも再会し、縞が監督にハードワークさせられており、それを見たメジャーのスカウトが高校をやめ今すぐ渡米することを勧めていることを聞く。色々しがらみもあり渡米を拒否しているが、一番は
メジャーは野手評価だけど投手やりたいからメジャー行きたくないンゴとごねる幼馴染を一打席対決して勝利。渡米を後押し、玲奈ともこれからもよろしくなハッピーエンド』


このルートは非常に言いたいことがたくさんあるのだが……1つずついこう。

とりあえずエロゲなので、まずは玲奈との関係から。

『なんやかんや』の部分を詳細に見ていこう。


幼馴染の縞投良と再会し、過去のことを思い出して気分が落ち込んでいるところを玲奈が膝枕で慰めてくれ、今まで溜め込んでいた夏の嫌な思い出を玲奈に涙ながらにその時の想いを吐露する。その後はすっきりし元通りになったが、その日以来彼女のことを女の子として気になり始める。

しかし、央路としても気になり始めたきっかけが自分の情けない姿を見せた日からであり、玲奈も仲の良い友達以上恋人未満のような居心地の良い関係だと思っていたため、
シルヴィや理亜に背中を押されつつもお互いに仲の良い男女の友人として過ごしていた。

そんなところを、絢華が売り出し中の俳優から貰った怪しいアロマを寮の人間が誤って使用。換気をしたら玲奈と外出中の央路の部屋ににおいが流れてしまい、空気を逃がそうとするも央路と玲奈が帰宅し、しばらくいるうちに発情。
3Pで玲奈に中出し、もし出来てたら責任取ってパパになると宣言し、検査結果を待つ。
結局出来てはいなかったが、検査結果を待つ日々で、友達で恋人という関係でも上手くやっていけるとお互いに確信し、晴れて恋人となる。


まぁ恋人になるきっかけとも言える部分だけ「えぇ……」って感じだが、
そこに至るまでは萌えゲーとして王道であり、普通に良質なテキストだったと思う。
初Hがそれでいいのかよというツッコミはなしで。

あとどうでもいいけど、金恋は全体的に妊娠についての意識があったのが新鮮だった。
エロゲは基本的に(避妊意識)ガバガバじゃねぇか。というのがほとんどなので。

友達から恋人へ移る過程の悩みなどはよくできていたと思うし、
人懐っこいキャラを使った王道でもあるのだろう。

恋愛過程においては奇をてらわず、仲の良い友人から恋人にステップアップしていく物語をとても綺麗にまとめていたのではないだろうか。

友人の延長のような、お互い知り尽くした熟年夫婦のような恋人関係というのが描かれており『こういうのでいいんだよ』となる良いイチャラブゲーだと感じた。





画像5 玲奈ルートのイチャイチャ


問題はここからだ。

おそらくこんなツッコミをしているのは俺ぐらいだろう。

しかしどうしても言わせてほしい。

俺自身野球が好きで「もしこれから先、野球かエロゲの片方しか許されないならどっちを選ぶの?」という仮定を出されたら、即答で野球を選ぶぐらいには野球が好きである。

なので、アニメゲーム問わず、野球描写が出てくると非常に厄介オタクに成り下がってしまうのだ。

ということで、少し見苦しいかもしれないが、このルートにおける野球描写に特大のツッコミをいれさせてもらおう。言いたいことはたくさんあるぞ。


1. 監督に意見言ったら干されてそのまま退部

確かに、人がやるスポーツなので監督が気に入らなければそのようなこともあるだろう。

さて、どのような意見を進言したのかをざっくり要約してみた。



「野球部の応援に吹奏楽部が強制参加。でもその中の知り合いにバンドのコンテスト(部外)とバッティングした部員がいるから、野球の応援を強制しないでそちらを優先させてやってくれと"央路が"何度も掛け合った。しかし、野球部の後援会の人たちが応援は全員じゃないとダメ!というのもあって監督も譲れず、結局央路は二軍落ち」


前半は、まぁよく聞く話だ。
野球強豪校では野球の応援を優先され、吹奏楽の大会を諦める。応援のために高い楽器を夏の炎天下に晒さなければならないし、ほとんど強制参加だと。
この辺は長い歴史のあるからこその高校野球の難しいところでもあり、良くない慣習だろう。

確かにわかる。自分たちのために、誰かが夢を諦める必要はない。その通りだ。


それと一軍捕手を大会前に二軍落ちさせるのは別である。


まさに「ベンチがアホやから野球がでけへん」状態なんですがそれは。

野球のことで意見を言ってきたならともかく、野球外のことで何度も意見する学生を、
しかも替えの利かないキャッチャーを、そんな理由で干す???

野球のことなら仕方ない、サヨナラのチャンスでバントの指示を無視してホームラン打ったらそら干される。
某捕手も移籍前の球団で首脳陣と揉め、干されて喧嘩別れしているので、
チームスポーツとは往々にして似たようなことが起きるものだ。

が、これは野球関係ないことで揉めているのである。

これだけで干されていることから、主人公側が相当の不義理を働いたのではないかと疑いたくなるが、後に部員などから「カッコいいこと」と評されているので、ここでは練習前後に監督や後援会を説得した、程度に考えておこう。

そもそもスポーツの世界なら多少性格に難ありであっても、実力が抜けていれば、特にアマチュアならその選手を勝つために起用せざるを得ない側面もあるはずなのだが……。

しかしこの場合、代わりがいたり、本人談を信じ「実力がダウン」しなければ、確かに面倒くさいやつは外されたりするだろう。

では、その実力の如何について、作中で細かいことは描写されていないが、央路の実績を推測してみよう。

「去年県内の決勝のときエースと抱き合ってる写真」に央路が映っていることから、エースご指名の捕手ということもあり、一年の夏からの可能性もあるが、少なくとも一年の秋にはほぼレギュラーであったことが示唆されている。エースの力が大きいとはいえ、作中で「央路と組んでいる時は中学三年間と一度も1イニング3失点以上はしたことがなかった」との談があることから守備貢献度はかなり高く、共に一年生ながらスタメンに名を連ね、全国へ導き、好成績を収めている……。

実績だけ見ても完全にエリート捕手である。というか少なくとも小中の頃から大エースの縞とバッテリーを組み続けているので、縞の要望などがあったのかもしれないが二人一緒にスカウトされていることも推察される。
それを監督の意向なのか後援会の意向なのか知らないが、歯向かうから外したろ!って……。

もう野球関わるのやめたら?レベルの横暴である。

しかも干した直後に夏春で県内連覇で全国でも好成績を残した学校が、夏の予選一回戦敗退って……もう敗因はっきりしとるやん。
もはや監督が頭下げて央路に戻ってきてもらう案件だ。

和解はしたがチームメイトも悪役扱いになっているのが非常に可哀そうだ。
大エースと一緒に全国制覇だ!って言ってる時にレギュラー捕手が監督に野球以外のことで
歯向かい干された挙句、それでエースがスランプ、一回戦で散ったのだ。そらキレるわ。

もうこうなると「監督を殴って無理やり言うことを聞かせようとした」レベルじゃないと
そうはならんやろ……と言いたくなる。

作中では、「監督に逆らったらこのようなことはスポーツでは当たり前だ」といったセリフがあるが、こんな内容当たり前ではないし、逆にお前何したんだよと聞きたい。

もちろん、毎年テレビで報じられるような綺麗な世界ではないのだが……まぁ長くなるし、
ここで語ることでもない。

そんな訳で、玲奈にこの一連の流れを吐露し、CGと共に良い感じのシーンっぽいのだが、
こっちは???である。

そもそも前半部分も吹奏楽としての大会、ではなく、吹奏楽部の部員の何人かが、個人としてバンドを組んでおり、プロになるのかただの趣味なのかは知らないが、コンテストが試合の日と被っちゃった。部活よりもそっち行きたい、と言う話だ。

「その理由でいいよって言ってくれる部活はねぇだろ……」という感想もある。
部としての活動でない行事と被ってしまったのなら優先されるのは部の活動じゃないか?
と根が体育会系なので思ってしまう。
シルヴィルートでも多少このバンドについて触れられるが、このブログでこれ以上触れるつもりはないので、この話はこれでおしまいだ。

とにかく、これがまず1つ目だ。


2. 幼馴染のエースにハードワーク、そしてメジャーのスカウトが勧誘





画像6 ハードワーク


ドラフト拒否して直接メジャー。た、田沢ルール……(撤廃されましたね)。

それはさておき、この辺の流れを改めて言うと、

『敗戦後からのエースのスランプに監督激おこ。いつまで経っても直らないから朝から練習終わるまで投げ込みさせまくる!それを見たメジャースカウトが壊れちゃ~うと思い、今すぐ海を渡ろうと提案してくる』

ふーんと思うかもしれない。今どきメジャーのスカウトだって日本の高校生をチェックしに来るので、高校生がいきなりアメリカというのは全然問題ない。

問題はメジャー側ではないのだ。

まず幼馴染のエース縞投良君のスペックを見てみよう。


身長198cm
Max160キロの速球
1大会6ホーマーと打撃センスも抜群


大〇かな。まぁモデルを想像させることで、すごさを分かりやすくしたのだろう。

1つ言うなら、有名校だと練習や試合に地元のおっさんたちが見に来ることがあるので、
160キロ投手をそんな雑に扱ってる姿を見たら、怒鳴りこみもあるぞ。

というかご贔屓の後援会はむしろこっちに怒るべきだ。

マスコミ注目されるようなアマチュアからのトッププロスペクトは、まず第一に絶対に壊してはいけないと過剰なくらい普通は周りが守っていく。
某公立高校は投球制限でエースを温存し、賛否は出たものの目の前の勝ちに拘らず、選手の体を大事にしているということで賞賛の声が大きかったと記憶している。

逆に甲子園決勝まで一人で投げ抜くことはもう美談にならない。これも時代だなと思う。

まぁこの辺はレギュラー捕手を大会前に干す無能采配をする監督なのだから、クソ無能ということで許されるのだろう。

あと、練習では少ない球数でと言っているが(公式戦が控えていない時かつ毎日ではないが)
ブルペンは週数回は入るし、試合の球数以上を投げることも当然ある。
試合と練習では疲労度が全然違うので、試合で100球投げるためには練習で同じ球数を投げているようじゃお話にならない。まぁこれは流石に細かいツッコミか。





画像7 プロ入りの密約


同じ場面でプロ入りなどの話題が出ているが、この辺の密約については知らない。
昔のように裏金を渡していることはないだろうが、実際行われているんじゃないか?


けれど、高校からプロ経由せずにメジャー行きたいというだけの理由で
スカウトはそんな脅しを高校側にかけることはない、とだけは言っておこう。


20年前ならいざ知らず、今はアマチュア球界でもメジャー志望なんてザラである。そんなことで脅していたら選手なんて取ることはできない。

かの二刀流は直接メジャーへ行くと在学時に宣言していたが、名門校からそのような事例があってもプロは本人の意思を尊重するだろう。これは単純に強行指名した挙句、選手に入団拒否されると貴重な指名枠を無駄にしてしまう、という大きな理由もある。
そして大事なことであるが、ドラフトを調べてみたところ、騒動後のドラフトでも二刀流を輩出した高校から選手がプロ入りしている

プロとアマチュア球界では各球団でそれぞれ懇意にしているラインがある。おそらく選手側がプロに不義理を働き、プロ側を激怒させ二度とそこにスカウトを派遣しないという事例もあるにはあるのだろうが……こちらの話はあまり聞かない。

どちらかと言えばプロ側が不義理を働き、アマチュア側を怒らせ、その結果球団に対して指名拒否を叩きつける話を聞く(こちらも10年に1度クラスだが)。

勘違いしがちだが、プロの立場が絶対的に上、ということはない。
相対的に見ればプロ側が多少は強いだろうが、基本的には大事な選手をあずかる立場なので
お互いに信頼関係というのも必要になってくる。

10年に一人の逸材は惜しいが、そのために今後長年に渡ってその学校、企業から出禁を喰らってドラフト指名ができないのは避けたいし、細心の注意は払っているだろう。
楽〇と日本〇命みたいにはなりたくはないのだ。

全体的に読んでいて、やっぱりこのライター野球嫌いなんだろうなと思う。
モブに「野球部は基本ブサイクだけど~」と言わせたり、日本の野球界の人気低迷やスターについて出てくるが、嫌味ったらしくて悪意に満ちている。言い方が全部チクチク言葉。

別に好きなものだけ書けとは口が裂けても言わないが、上述の他エンタメへの喧嘩腰など、物語の本筋じゃないことでとにかくグチグチ言ってくる。そのあたりはモヤっとする部分と感じた。ヒロインとの掛け合いは良質と評価できるだけに非常にもったいない。

作品の本筋から逸れすぎてしまうので、このあたりにしておこうか。

実際まだあるのだが、「これはエロゲの世界……」と納得させればギリギリ許せる。
(ex.夏から四か月野球を離れていた人間がバリバリの球児からホームラン。縞がメジャーへ
行き数年後ホームランキングになってる)


玲奈ルートに関して、非常に長文野球描写のダメ出しをしてしまったが、

玲奈とのやり取りや二人に関する話はめちゃくちゃ良い

ということは、改めて強調しておきたい。

野球に興味がない人やエロゲなんてそんなもんと思考を切り離せる人ならば、たぶん良い話として受け取れるんじゃないだろうか。たぶんね。
話自体も重くないし、イチャラブシーンは良質なので、俺の酷評を真に受けずプレイして確認してほしい。


さて、次に行きたいところなのだが、チクチク言葉、野球描写、そしてグランドルートについてどうしても発散させたかったから筆を取ったところがあるので、ここからは今までの文章量にはならず、あっさり目となる。見直したけど、書くことなかった。

これは悪いことではなく、純粋に楽しめる良質なイチャラブゲーだったということだ。
ということにしておいてください。


エロイナ・ディ・カバリェロ・イスタ(CV.あじ秋刀魚)



画像8 エル


メインヒロインの一人。
シルヴィの日本での護衛隊長。愛称はエル。
厳しく真面目な人だが、優しく親しみやすい。
テーマは『金メダル』。とはいえスポ根ではなく、夢を追うかどうかにスポットが当てられている。

このルートを要約をすると

『王女シルヴィの護衛の人として密かにパパラッチにより人気が出て、盗撮が行われ困っていた。エルはフェンシングの試合を控えており、パパラッチなどで周囲に迷惑がかかると考えるが、その対策として恋人のような人物がいれば世間の関心は薄まるということで、シルヴィの提案より央路が恋人の振りをすることで騒ぎを収めるように計らう。そうして恋人の振りをして半ば通い妻のように央路の部屋で一緒の時間を過ごしていく内にお互い惹かれあい、結ばれる。フェンシングを楽しんでいるエルだが、シルヴィの護衛のために続ける気はないと好きなものを諦めようとする。しかし、央路と結ばれもう一度向き合う。最後はシルヴィの護衛を離れることになるがフェンシングを続けることを決意する。そして2020年へ……』


恋人の振りからお互いに徐々に惹かれ合うという実に王道な物語。その後自分の役割から一度は央路を拒むが、最後は迷いを振り切り結ばれる"王道"と評するしかない。

このルートではシルヴィとエルが血のつながった姉妹であり、王族の事情でシスア家にシルヴィが養女として向かい入れられており、幼い頃日本に来たのはシスア家に出される前だった。という設定が明かされる。

こちらの設定としてはシルヴィルートに多少関わるぐらいだろうか。単独ライターで管理しているため、このルートでは玲奈ルートのように央路の事情は詳細は語られずぼかす形でしか推察できないし、この姉妹ということもシルヴィとエルのルート以外では明かされないので、実に上手く管理しているものだと感心した。

内容については、上記の通り王道物語であり、普通に楽しめた。

このルートでは玲奈の時のように特段引っかかるようなこともなく、高水準な萌えゲーとして問題なくプレイできたというのが感想だ。

特に、ED前のシルヴィとの絡みは非常に素晴らしかったと思う。

全く本筋とは関係ないが、フェンシングで2020年の話が出てきて「東京五輪は、もう……」と少し悲しい気持ちになったことだけ記しておく。

特筆することはないが、良いルートだったと締めさせてもらう。



画像9 エピローグのエル


栗生 茜(CV. 土屋粘)



画像10 茜

サブヒロイン。彼女だけ担当ライターが違う。バーニング。
後輩女子で体育会系。陸上部そのおっぱいで陸上は無理でしょ。
入学時に半月板損傷でリハビリ生活、現在ようやく復帰ということらしい。

物語としてはやはりサブヒロインなので要約するほど内容もなく、突っ込んだ話はない。
メインヒロイン勢と違い彼女側からのアプローチが多めで告白も向こうから。その告白を受けて央路が意識し始める。
デートでボウリングや犬カフェに行くなど一般的な萌えゲーといった具合。

茜のフォームを央路が持ち前の観察眼でアドバイスするなどから陸上部のマネージャー兼茜のトレーナーとしてサポートする立場になり、本格的にトレーナーとしての勉強を始める。
エピローグでも陸上選手となった茜の支えているのが伺える。

後輩系のルートとしては外さないそれなりのルートだったんではないだろうか。

余談だが、茜の影響でラジオ体操をやり始めたが動画編集やこのブログ等で座りっぱなしが多い生活で、ラジオ体操はなかなかいい運動になっている。

一度騙されたと思ってやってみることをおススメする。



画像11 茜 エンド

シルヴィア・ル・クルスクラウン・ソルティレージュ・シスア(CV.猫村ゆき)



画像12 シルヴィ


特大のネタバレ込みで語っていきます。
グランドルート込みの話になるのでもう一度注意。





この作品のセンターヒロイン。
天真爛漫で無邪気なお姫様。世界的に有名なピアニスト。
いつも大勢の護衛がついており、大食いで好物はメロンパン。

このルートの概要は

『10年前に参加したキャンプで共に過ごした相手が央路とシルヴィだとお互いに確認してからも、央路のシルヴィへ抱く気持ちが恋愛感情なのかわからないままでいた。そんな時、風邪を引いた央路を心配したシルヴィが看病を引き受ける。自分を心配してくれる姿、そしてソルティレージュにいるシルヴィの周りの人間や世間でシルヴィの婚約者候補と話題になっている恋のライバルなどが登場しモヤモヤを覚え、自分がシルヴィが好きなのだと自覚する。

その気持ちを理亜に吐露すると、理亜がネックレスとして付けていた指輪は同じくシルヴィも持っている金色のペアルックの指輪であり、10年前に作った二人で作った指輪がこの時のためだと教えてもらい、応援されながら受け取る。
その後はシルヴィに釣り合うためにマナーや勉強頑張り、外交官目指すことを決意する。

シルヴィ主催のクリスマスパーティ下準備で領事館にお招き、ゲストとして呼んだマリアが理亜と同一人物であることを央路にネタバラし、10年ぶりに幼馴染三人が揃う。

シルヴィとの恋ライバルとのすったもんだありつつもお互いの気持ちを確認して無事に交際。
クリパでシルヴィのピアノとマリアの歌で共演をし、シルヴィと踊ってエンド。』


エルルートでもあったが、日本を知らない外国の人に日本あるある的なネタは目立ったかなという印象。数があっただけで、だからどうという訳ではないが。

付き合ったあとなどのドタバタ劇はとても微笑ましいもので楽しくプレイできた。

しかし萌えゲーだから大目に見るが、一国のお姫様と一般庶民が恋愛、なのにその辺の葛藤はうっすいなぁという感想だ。ライターによると普通の学生恋愛っぽさを出そうとバランスに苦労したらしいが、逆に普通の恋愛になりすぎたというのが率直な感想だ。別に王女様である必要がなかったなと思ってしまう。

一応「自分でお姫様と釣り合うか?」とか気にする場面はあるけど、「ソルティレージュは自由恋愛だから」と、王族周りからの承認が早すぎるしあっさりしすぎていた。
だからダメという訳でもないし、普通に良質なイチャラブゲーである。
設定ミスでもないのだから許容範囲だろう。

このルートの央路がシルヴィのために自分磨きで努力描写が多いので、そのあたりは好感が持てるところか。

作中で面白かったなと思ったシーンは領事館での会食でマナーについての選択肢が全6題出題されることだろうか。
筆者はテーブルマナーについては無知なため、作中でも教えをもらっていないマナー問題はQSQL多用という悔しい思いをしたものである。フランス式とイギリス式のテーブルマナーがあるんすね。

この問題に正解すると王族3P突入というのもある意味面白かった。そもそもメインヒロイン全員3Pあるのはなかなかっすわ。

あとは一貫して他のルートでは央路、縞、千恵華が幼馴染ということは明記していたが、
このルートで初めて千恵華が央路の妹であることが明かされた。

シルヴィは最初から攻略可能なので、購入者全員が最後にやるのか?という疑問点はあるものの、俺のような「センターヒロインは最後にとっておく」勢にとっては「そうか、そうきたか」と腕組みをする結果になったのではないだろうか。

単独ライターによるルート管理がここまでハマるのかと感心しきりだった。

少し全体的なことになるが、このゲームではうざモブとして登場するキャラが各ルートで存在するが、最終的には面白要因として退場していくので、どのルートをやっていてもストレスはある程度感じるものの最後はギャグオチで締めくくるため、後味も良い。

イチャラブ萌えゲーであるということから需要にきっちり応えているというのは、
それだけで評価していきたいポイントだ。

少し話が飛んでしまったが、シルヴィルートは、お姫様と恋愛感というのはあまり得られなかったが、彼女とのイチャラブのやり取りは高評価ポイントであり、他の個別にも言えることだがそこそこの文章量で非常に良くまとめられた内容だった。



画像13 ED後の踊るシルヴィ


さて本題に入ろう。

ここまでは前座だ。

この感想を書く最初のモチベは間違いなくグランドルートにある。

ここまで振り返ってみたが、各ルート非常に質の高いイチャラブゲーであり、
そこに詐欺の類は一切ない。

ヒロインと紆余曲折あるものの、しっかりと結ばれ、二人で共に歩んでいく……
実に王道的によくまとめられて物語であった。

が、ここからは違う。

なぜ、金色ラブリッチェというゲームが萌えゲーアワード2017年の準大賞と『シナリオ賞』を受賞したのか、間違いなくここにある。

このエンディングはおそらく賛否があるのだと思う。
純粋な萌えゲーとして購入している人間には詐欺めいたものを感じるかもしれない。

しかし、間違いなくシナリオゲーとしては秀逸だったのではないかと思う。

前置きが長くなってしまったが、改めて振り返ることにする。


僧間理亜(CV.小鳥居夕花)



画像14 理亜


まず初めに、このルートはグランドルートである。
全ヒロインを攻略後に現れる。
このルートは今までの物語の雰囲気から一変する。

金色ラブリッチェという作品の根幹が、このルートにある。
金色ラブリッチェという作品が評価された理由は、このルートにあると言って過言ではない。


メインヒロインの各ルートで理亜の印象的な伏線があるのだが、ここではシルヴィルートに絞って少し見ていきたいと思う。


シルヴィルートでは央路とシルヴィが結ばれることを積極的に応援し、いつ結婚するのかと尋ねたり、マリア・ビショップの正体が僧間理亜であり、央路の部屋の隣に住んでいることがシルヴィに発覚した後、理亜の部屋での彼女たちのやり取りでは再会できないと思っていたとシルヴィの心情が吐露される。
また10年前にシルヴィが突然髪を短くしたことを思い出すが、その詳細については秘密にしたままである。



画像15 シルヴィルートでのシルヴィと理亜のやり取り


そしてシルヴィと央路が正式に結ばれた後、もうやり残したことはないと安心し、
その後マリア・ビショップを引退することを決めた。
そして、シルヴィルート最後では彼女のセリフで締められる。



画像16 シルヴィルートED後での理亜の語り


この辺りの伏線から推測できることは、せいぜいシルヴィと理亜が10年前のキャンプで央路との恋愛絡みで何かしらの約束をしていた、程度だと思う。

他にも多少何かあるな?と感じる部分こそあれど、詳細を考えるには材料が少ない。
メインヒロインたちのルートでは理亜のポジションというのは何か抱えている主人公の親友ポジという役割に徹していた。



画像17 シルヴィと交際後のやや不穏なやり取り


メインヒロイン攻略時にはまだ解放されていないが、登場の仕方や各ルートでの伏線じみた張り方からして、グランドルートとして登場するだろうな、というところまでは読みやすかったと思う。

そして攻略前は少し暗めのお話かな?程度に思っていたのだが……

良い意味で期待を大きく裏切ってくれた。


あらためて、央路とシルヴィ、理亜の出会いを時系列に沿って、グランドルートで明かされる設定と共に振り返ってみたいと思う。


『10年前の町内会のキャンプは、難病を患う子供の慰問のため企画されたものだった。
央路は町の子供側、シルヴィは慰問の国賓、理亜は難病を抱えた病院側として参加しており、
央路が理亜を当時男だと勘違いしていた要因は、理亜が脳に腫瘍を抱えている難病患者であり、手術のために髪の毛がなく、包帯や帽子を常に被っていたことに起因する。

理亜の腫瘍は根源治療が不可であり、手術を控え、生存率は5%以下とのことだが、子供の央路は全く理解していなかったため、走り回ってシルヴィと理亜の三人で遊んでいた。病気と聞いても、早く治せよと声をかけてくる央路の接し方が理亜にはうれしく、大切な思い出となり大事にしまっていた。

またこの時、シルヴィと理亜が将来音楽でいつか共演したら良いと央路の提案、キャンプでの工作で、シルヴィと理亜は将来どちらかが央路と結ばれた時用にと男性用と女性用の指輪を作り、大きくなった時の約束としてお互いに大切に持って行く約束が結ばれていた。

キャンプの終盤、頭の手術のため短髪にせざるを得ない理亜がシルヴィの綺麗な髪が羨ましいと伝えると、シルヴィがばっさりと自身の長い髪を切り落とし、それをカツラにしてほしいと渡し、それを今でも使っている』


これが物語の中盤で明かされる、幼馴染三人の10年前の出来事である。

この約束や当時の出来事を肝心の主人公がシルヴィルートやグランドルートでほとんど思い出さないため、やや有難みが薄いなとは思ってしまった。ほとんどが言われてから「そういえば……」と言う程度か、存在すら覚えていないことが多い。

指輪の件など、央路には明かさず、シルヴィと理亜の二人だけの約束などもあるが、大半は覚えていないのは主人公としてどうなんだろうか、と疑問を後からこのような形で振り返ってみると思わなくもない。
プレイ中はどちらかというと物語の展開的にそれどころではなくて、あまり気にしていなかったのだが。まぁプレイ中に気にならなかったのなら問題なしとしていいのだろう。

シルヴィがソーマ君との再会後の喜び様など、幼馴染としての距離感というのはとても良かった。央路、シルヴィ、理亜の三人の10年経っても理解し合える関係と親しみ具合というのが随所で見られたことで幼馴染関係好き勢としては数少ないほっこりポイントだった。

明るい話題はこのあたりにして、本筋へいくとしよう。

時系列を理亜ルート開始時まで戻す。



画像18 Golden Time 選択時のプロローグ部分


まずグランドルートであるゴールデンタイムをスタート画面で選択すると、明らかにこれまでとは一変した雰囲気で物語は始まる。

理亜の独白が夕焼け鑑賞時の音楽と流れ、一気に身が引き締まる思いがした。

この時点でグランドルートは何か違うぞ……?という緊張感と共に物語が始まる。


このルートでは序盤でシルヴィが理亜を見つけるが、そのきっかけとなったミナとのやりとりによって理亜が激高するシーンは、今までとの物語と空気感が決定的に違うと知らしめたシーンであったと思う。



画像19 理亜ルートでのシルヴィの同じ発言


「もう二度と会えないはずだった」というセリフがシルヴィルートの時よりも、重くのしかかってくる。

その後は理亜との恋愛パートが織り込まれるが、しかしその合間に理亜のモノローグによって甘い雰囲気など感じさせないのは、シナリオゲーとして読むと非常に秀逸だった。



画像20 シーン切り替わり時の理亜モノローグ


合間のモノローグでは遺言のような理亜の一人語りが始まる。
この先何が起こるのだろうと言う緊張感、そして、この時点では理亜の詳細な状況を提示されていないため、漠然とした不安感を覚える展開だ。


少し飛んでその後、理亜が入院した後、病状を聞いた後に結ばれるシーン。

この辺りの覚悟が決まった際の央路の一直線に進む姿はゲーム全体を通してカッコよかったと思う。ここも単独ライターによる管理の賜物だろう。




画像21 病院での央路の告白シーン


シルヴィ主催のパーティで10年前の約束を果たすため、マリア・ビショップとして最後になる歌を練習し、パーティでシルヴィと約束の共演を果たす。
その後倒れて入院し、目が覚めても長い時間起きていられず、ほぼ寝たきりになったあとの、シルヴィとのシーン。

選択肢はないので、もちろんプレイヤーに央路の行動を変えることがはできない。
しかし、これで良かったのか?という葛藤は非常に心に響くものだった。



画像22 音楽堂でのシルヴィとのやり取り


このルートでは個別での天真爛漫なお茶目な女の子感は消え、シルヴィが覚悟を決めている、強い女の子であるのが印象的だった。

この辺りのシーンもどちらかは理亜を止める役割になりがちな展開なのだが、二人とも理亜がそれを望んでいないことは重々承知しているため、心の内は複雑だろうが、幼馴染の背中を支え続ける両者の覚悟が印象的だった。

病状が悪化し、病院の機械音が嫌だと苦しむ理亜を連れ出し、学園の音楽堂へ行き、
映った金色を見に、屋上へ行き新年の朝焼けを見るシーン。



画像23 ED前のやり取り


このシーン、理亜はすでに諦めた口ぶりのところを、嘆いたり、チープに死なないでくれと説得するのではなく、カッコつけること』『金色』『ゴールデンタイム』といったこの作品の根幹であるワードと絡めることで共に生きようとする央路が主人公然としており、感動的な仕上がりだった。


エンディング後、理亜が復調し、退院したあとの一年間の日常が断片的に語られる。



画像24 逝去前最後の理亜のモノローグ


萌えゲーだからやっぱり死なないのかな、とエピローグでの話を見ていたところ、
最後は死別してしまうのは素直に感心してしまった。

もちろん、キャラが死ぬことはつらく悲しいことなのだが、この物語は彼女の生き様、終わり方というのが大きなテーマだったと思うので、ライターやサガプラはこのオチを恐れずに採用したことを賞賛したい。

彼女の終わりが描かれるからこそ、僧間理亜は金色になった

と言っても良いのではないだろうか。


グランドルートの全体を改めて振り返った感想だが、はぁ~キッツイ。特にシーン切り替わりで現れる理亜の独白がとにかく胸を締め付けられる言葉であった。

このキツさがたまらないというのがこの感想を書くモチベではあったので、悪い意味では当然ないのだが、「あぁ~……」とプレイ中何度となく呟いたものだ。

特にグランドルートは、死生観、カッコよく生きること、というのが印象的だった。

彼女のテーマは『金、最も美しいこと』。美しく生きる、彼女の生き様についてだろう。

エロゲとして扱いにくいテーマ、特に生き死にという難しいテーマを上手く使っていた。

筆者は鍵っ子(Key信者)なので、人の生きること、死んでなお残るもの、といった扱いのテーマには馴染みがあるものの、死生観をテーマに良い物語に仕上げたと高く評価したい。

特にこの作品では生き様=終わり方という幕引きをテーマに扱うのだから、生半可な取り扱いをすると一気に物語が崩壊するだけに、丁寧に調理した点は高く評価すべきだろう。

個人的にこのルートで印象的だった場面をいくつか見ていこう。

まずはシルヴィに指輪を渡されるシーン。



画像25 指輪の約束について


ここで指輪の詳細を聞かされる。
この話を聞いた後だと、シルヴィルートと理亜ルート以外を正史として受け入れがたい……とエロゲにおける並行世界論は履修しているはずだったのだが、久しぶりにしんどい思いをしたものだ。


またもう1つ、この作品の根幹であるが、シルヴィルート、そしてこの理亜ルートでは特に、『カッコいいこと』『金色』についてスポットが当てられている。

カッコよく生きることとはどういうことなのか、金色の解釈はそれぞれに任せるが、
今を生きることの大切さというのが伝わってくる。
こういうメッセージ性があるからエロゲは案外教養になったりするのだよな、と自らの人生を思い直してみるのが、シナリオゲーの楽しみ方だろう大半は毒にも薬にもならないけど)。




画像26 カッコつけるとはの問答


また、これに触れない訳にはいかないだろう。

理亜の葬儀が終わった後の屋上でのシルヴィとのシーン。




画像27 理亜逝去後のシルヴィとの屋上でのやり取り


その後、金のラブリッチェマークを入れたオロオラの箱を湖に投げ入れ、物語は──

という締めになっている。こちらの解釈はあえてこの場で明確にせずに、
プレイヤーの一人一人に委ねた方が良いだろう。あえて口に出すのはきっと野暮だ。


そして、もう一度シルヴィルートを最後まで進めると、追加エピローグが現れる。
そこでシルヴィとマリアという二人の娘がおり、シルヴィがピアノ、マリアが歌唱の共演をしている締めくくる、というのは素晴らしい演出だった。

言語化するのは難しいが『良かったね』とも違う、しかし、央路とシルヴィの間では
僧間理亜は傍にずっといるとも取れるエピローグはやるなぁと膝を打った。



画像28 数年後のシルヴィと娘のマリア


そして最後に、CG鑑賞モードへ行ったところで振り返りと理亜のウェディングCGの演出をしてきたのは震えた。
こういう一手間が、物語の余韻を高めてくれる調味料になっており、素晴らしいの一言だ。



画像29 EXTRA選択後に始まる演出




という訳で、全ルートの感想を長々と書いてみた。

ここまで真面目に読んでくださった人がいれば、お疲れさまでした。

書いてる方は楽しいので、読む方が大変だろうなとは思ってます。


最後に完走した感想です。

やはり単独ライターは強い、と改めて思わしめた作品じゃないだろうか。

もちろん、昨今のエロゲ事情を踏まえ、ボリュームの肥大化に伴い、複数ルートを一人で作業することは物理的に不可能になってきているという問題はあるのだろう。

しかし、この作品は全体的にまとまりが素晴らしいのだ。

実際、ボリュームに関してはめちゃくちゃ多い、という訳ではなかった本作であるが、
しっかりグランドルート含め、感情移入できるだけの長さはあった。

また、テーマもはっきりしていたのが良い。
キーワードを軸にして個人的に分類するとしたら

個別ルートで生きること、グランドルートで死ぬこと

を描き切ったというのは萌えゲーという枠の中でチャレンジングであり、そして質が伴っているからこそ評価された作品であったのだろう。

個別はあまり尖った部分はないものの高水準でイチャラブゲーを展開しつつ、徒にシリアス展開にせずにギャグ風味でまとめる。

グランドルートでは思い切って、シリアスゲーとして舵を切り、高いポテンシャルを見せた。

奇をてらわず、王道の物語で勝負するスタイルこそ正統派萌えゲーとして評価された点ではないだろうか。

もしかすると、純粋にイチャラブゲーを求めていた層にとっては、グランドルートはやや地雷に近いものを感じてしまうかもしれない。

ただ、話としては優れているので、シリアス許せん!という人以外にはちゃんと刺さるんじゃないだろうか。

BGMも個人的に好みなのが、『君と二人で』『Golden Time』と数曲あり、サントラを購入するレベルであったため評価したい。

こだわるのならOPで作品、特に理亜の心情などを歌っていたらさらに高評価だったのだが……まぁ求めだしたらキリがないところだ。

と言ったところでまとめよう。


クスッとできる、キャラが可愛い、話の転でそこまでストレスにならない、音楽も良い、最後のグランドルートがとても良く、名作とまでは言えないが面白かったと自信を持って言える良作であり、順当な正統派萌えゲー、75点


ということで締めさせてもらう。


本当はGTの感想も書く予定だったんだけど、あまりに長くなりすぎてしまったので
別枠でそのうち書きます。

では次回の感想ブログで会いましょう。


ほな、また。


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