兼業農家おじさんの日記

うわっ…私の肥料、少なすぎ…?

2016/09/25 03:29 投稿

コメント:19

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こんばんは。おじさんです。

最近周りの手伝いなどで秋植え野菜やイチゴなどを植えたのですが・・・



 肥料入れ過ぎ・・・


え?野獣先輩?良いから見とけよ~頼むよ~

■一般的な農家の土づくり

まずみなさんご想像の通り、一般的な慣行栽培では作物の養分の殆どを肥料などに依存しています。よって畑には大量の肥料を投入しているのですが・・・なんでも入れればいいってもんじゃあない。あまり考えて入れている人居ないように見えるけど・・・

・元肥(もとごえ)
畑に最初から入れておき、作物を植えるタイプの肥料になります。
基本的にはまず根を育て、葉を綺麗に開かせるのに必要な分を投入します。

・ペーハー(水素イオン指数)調整
作物には適正なペーハーが必要なので、灰などで調整します。貝殻などを入れる人も多い。
日本の雨は基本的に酸性(5~6)であり、土壌に石灰石などが少ないので自動的に酸性に傾いています。特にヨーロッパ原産の作物などは酸性に弱い。

・有機肥料(完熟堆肥)
遅効性でナチュラルだと言う謎の説の元によく使われています。元肥として使うと最後まで効いたりするんですが、普通の農家が分解速度や吸収率まで計算して施肥しているとはまったく思えません。どちらかと言うとたくさん入れ過ぎてもなんとかなる、そんな程度に考えられています。鶏糞・牛糞が多い。


こんなものを入れて、バリバリトラクターなどで耕します。
 米ぬか、苦土石灰イン!

そして
・追肥(ついひ)
実などが育つ前などに必要な養分を追加で投入するものになります。
化成肥料(化学肥料)などは即効性がありすぎて実が育つ頃にはなくなっていたり、あまり最初に入れ過ぎるとツルばかり伸びて収穫したい部分が育ちにくくなったりするので。

■その肥料本当に効いてるの?

なぜ年寄りはお金にならない作物にこれでもかと肥料を入れるのか解りませんが、とにかく肥料がないと作物は育たないと言うことらしいです。
しかし、慣行栽培の畑であっても無肥料でも育つことがあります。それはなぜか・・・去年の肥料分が余っている事が大半なんです。やっぱり入れ過ぎじゃないか・・・ちなみに二年もやってるとまったく育たなくなります。肥料がないとダメな土地になっているので当たり前だよなぁ。

肥料の主な種類ですが、大体はNPKです。窒素・リン酸・カリですね。
窒素は葉や茎の生育に大きく関係し、リン酸塩は根・花、トマトなどの実、カリウムも根。
葉物の生育やペーハー調整にカルシウム、光合成安定のためにマグネシウム。
このあたりが一般的に、絶対必要な養分となります。

以前水耕栽培をご紹介しましたが、実は作物の生育にただの土は必要ではありません。土は作物の培地であります。固定ができて、適度に水分と酸素(あまり知られていないけど根に酸素が無いと作物はダメです)があって、栄養が吸える形になっていれば別にスポンジだろうが何だろうが作物は普通に成長します。
つまり、NPK・CaMgだけを溶かした水に根っこを刺すだけで殆どの作物が育つことができます。

一般的に必須と思われている土そのものがマイナス要因となることが多々ありまして・・・
代表的なものがお年寄りによくある「深くまでしっかり耕せ」神話であります。
深くまで耕すことで水の浸透性が良くなり雨の多い日本でも根が腐りにくく、また酸素も通りやすく、根の成長も土が柔らかいために楽になります。が、その分肥料の流亡が多くなり、豪雨などで崩れやすくなります。
更にしっかり耕しすぎることで、自然にエネルギーを生産し土を柔らかくするはずの微生物のコロニーや団粒構造を破壊(多くの有用な微生物は嫌気性・酸素が嫌い)してしまい、実は養分を生産できなくしています。更には土が雨などで締まってしまい、実は固くなってしまうと言う矛盾もはらむ。

つまりは、肥料を入れるには耕さなくては綺麗に混ざりませんし、多少流亡してもその分多く肥料を入れれば良いし、固くなってもまた耕すから問題ないと言う観念から生まれた栽培法=慣行栽培であります。
もっとも一般的で昔からやっていると思われているこの栽培方法は、実は肥料をガンガン入れるような栽培には向いていないと感じられます。肥料や機械は最新になっているのに、土は昔からあるものを使いまわしているのですから。

えーと、何が言いたかったんだっけ。
そう、肥料をいくら入れても有効に効く量を最大限吸収できるセッティングが必要であると。そう言いたかったんです。
大抵は適当に灰をぶちまけ、適当に袋に書いてある量より多めに肥料を入れて、何も考えず耕しているわけですが、なぜかみなさんそれでもある程度上手くいっているようにみえます。それが土の力であり、毎年同じ土地で作ると言う経験の力なんですね。これが水耕栽培ですとこうはいきません。

でも今から始める人たちはこうはいきません。
・土の固さ、特に水を吸ったときどうなるか
粘土質などですと特に固くなりやすく、酸素も不足するので砂を入れるなどして改良が必要。
表土が柔らかいと泥はねなどがひどいのでワラを敷いたり。マルチがあれば別に良いけど。

・養分(水分)の保持量
イオン化(作物が吸収できる状態)した養分をどこまで根に接地する高さの土が保持できるか。
少ない場合は腐葉土などの有機質が必要。多すぎる場合は肥料を減らすか砂を投入。

・地下水位、浸透
肥料流亡を防ぐためある程度浸透力が少ない層が下に必要になりますが、地下水位が高すぎると根が腐ります。高い場合は暗渠や砂利層を作る。低すぎる場合は粘土層を。また畝の高さも調整。

・ペーハー推移
年間通してのペーハーを測定。そこから追加で灰を撒くなど工夫する。生えている雑草からも推移は予想可能。降水量が多いと酸性に傾きやすいとかいろいろ。

・他、雑草の発生率など
他要因で養分を消費する分を計算

・生産力
土中で養分を作り出している量を考える。慣行栽培が長いとほぼ無い。

いろいろやって大体の肥料投入量を考え、来年に生かす。それだけで肥料が少なくて済むし、根焼けなどのトラブルも減るし、余分な肥料が少ないと虫も発生しにくい。耕し方の選択も優位にできて、作業効率もUP。

要は化学を勉強すると「農家のカンと経験」の意味が解ってくると。今の農家を超えるには化学を勉強しよう。

そんなこんなで、いろいろやった結果、化学的にはロスの多い土を使った栽培は非常に非効率的。しかし商売として見ると安い生産施設である土は最強。であるならば科学的に化学肥料を使わない選択肢が出てきたわけで。
ある意味それが有機栽培であったはずだったんだが・・・

まぁ、とにかく、一番言いたいのは他がジャカスカ肥料入れてるからって真似して入れなくていいし、作物がなんかおかしいなと思ったらまず最初に養分が足りないのかと考えないようにして欲しい。

でも最後は
 神・頼・み♥

コメント

変態糞農家 (著者)
No.19 (2016/09/26 22:43)
>>18 dera35さん
ありがとナス!

あくまで個人の推測ですが
1.特定の養分が欠乏、また使わない養分が蓄積すること。
2.微生物などのバランスが崩れる。害虫などが増える。
3.アレロパシーと言う成長・発芽阻害物質が蓄積する。自分の科に対しても有効なものが多い。

こんなところかと思われます。
1に関しては実はそれほど重要な要素ではない可能性が考えられます。特に欠乏する方についてはたぶんまったく関係ありません。むしろ過剰になる部分、例えば、窒素も実はかなりの種類があってその科が利用のできない窒素分が土壌に飽和し、肥料として投入した分が上手くイオン化できないなどの可能性はあるかと思われます。
2に関して、これは明らかですね。その科を栄養とする食害虫や病原菌は絶対に増えますから。... 全文表示
dera35
No.20 (2016/09/27 08:28)
>>19
勉強になります!どうもありがとうございます!
変態糞農家 (著者)
No.21 (2016/09/27 18:43)
>>20 dera35さん
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