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新事実が発覚、「ダウンロード違法化潰し」は漫画家の総意ではなかった

2019/03/29 15:16 投稿

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情報提供でわかった新事実

漫画家協会の声明は一部の意向だった

 ダウンロード違法化について述べたところ、意外な反響がありました。日本漫画家協会の周辺の複数の異なる筋から、ダウンロード違法化に反対する協会の声明はすべての漫画家の総意ではない、という情報提供があったのです。

 そこで、まずはどのような情報提供があったのかを記しておきます。ちなみに、複数の方からの情報提供の内容は基本的にほぼ同じであり、かつ私もそれらの情報の裏取りをしたので、信憑性は高いと思います。

 提供された情報のエッセンスは、非常にシンプルです。ダウンロード違法化を定めた著作権法改正法案の国会提出先送りのきっかけとなった、ダウンロード規制に反対する日本漫画家協会の声明は、協会全体(漫画家全体)の総意ではなく、協会の理事長とごく一部の理事のみの意向で作成・公表されたのが、実情のようです。

 協会の幹部の中にも声明の内容に賛同しない人がいるようですし、また、そもそも声明の内容や公表について、協会の一般会員である漫画家には事前に何も周知されていなかったようです。

 それでは、なぜそのようなことが起きたのでしょうか。情報提供してくれた人たちが共通して指摘しているのは、日本漫画家協会が自らの意思として声明を出した(ダウンロード違法化に強硬に反対したかった)というより、背後にいる一部の学者と弁護士の強力な後押しが引き金になったのではないか、ということです。

 なるほど、言われてみれば、漫画家協会の声明はわずか数行だけで、その内容も、これまでダウンロード違法化に反対してきた学者の主張をほぼ丸写ししただけのような感じになっています。

 つまり、それら一部の学者と弁護士がダウンロード違法化に反対する自らの主張を押し通すために、漫画家が利用されてしまった面があるのかもしれないのです。違法ダウンロード被害の当事者であるはずの漫画家も違法化に反対しているという構図は、法案潰しには格好の材料になるからです。

 ちなみに、情報提供者が異口同音に言っていたのは、漫画家協会の主張が漫画家の総意ではないということです。実際、海賊版被害に苦しんでいる人気漫画家の多くは、漫画家協会には入っておらず、出版社と連携して活動しているようです。だからこそ、出版社は漫画家協会と違って、ダウンロード違法化の実現を強く求めていたとも言えます。

新制度が導入されるプロセス

業界団体の意向はどこまで届く?

 以上の情報の内容がおそらく事実であろうことは、これまでの動きからも証明されるように思えます。

 あまり一般的には知られていませんが、政府の審議会での議論を経て、法律の制定・改正により新たな制度が導入される場合、手続き的には次のようなプロセスを経る必要があります。

(1)審議会で制度の原案を議論し、報告書という形で一般に公表

(2)審議会の報告書についてパブリックコメントを募集

(3)パブコメの内容も踏まえて役所が法律案を作成し、閣議決定(政府原案)

(4)国会提出前に与党による審査。自民党で言えば、部会、政調審議会、総務会の順番で承認を得る(“与党プロセス”)

(5)与党プロセスを終えた法律案を国会に提出

 つまり、業界団体などの民間の側が新たな制度に対して意見を言う場合、(2)のパブリックコメントを提出するのが通常のやり方となります。

 ところが、今回のダウンロード違法化については、文化庁が昨年12月から今年1月にかけて行なったパブリックコメントの募集に対して、漫画家協会は何も意見を提出していないようです。

 その一方で漫画家協会は、(4)の自民党での与党プロセスの途中、正確には2月22日に文科部会で法案が了承された後、2月28日に政調審議会、3月1日に総務会というスケジュールになっていたところ、政調審議会の前日である2月27日にダウンロード規制に反対する声明を公表しています。

 ひねくれた見方をすれば、政治に根回しして文科部会で潰そうと思ったけれど、それがうまく行かなかったので、自民党の政治プロセスの本丸である政調審議会と総務会の前に声明を発表し、ネット世論も味方につけて自民党の政治家をビビらせたのではないか、と思えるタイミングの良さです。

「プロ筋」にしかできそうに

ない政治への働きかけ

 こうした漫画家協会の動きは、ある意味で政策プロセスの実態を熟知している者、つまり政策の「プロ筋」のやり方と考えることができます。

 というのは、法律案を作成する役所は、自分たちが考えた制度をそのまま法律にしたいので、それに対する反対意見をパブリックコメントとして提出しても、現実には無視されるか、適当にあしらわれるのが関の山だからです。

 それよりも、与党の政治家に根回しをして、法案審査の与党プロセスで「反対」と言わせる方が明らかに賢い戦術です。特に、政治家はネット世論も気にするので、同時にネット上で反対意見を盛り上げられれば、非常に効果的と言えます。

 それでは、こうした戦術を漫画家協会の内部の人たちで考えられるものでしょうか。大変失礼な言い方になって申し訳ないのですが、政治慣れした業界団体ならともかく、おそらく政治には疎いであろう漫画家の方たちだけで考えられるとはとても思えません。

 となると、漫画家協会というよりも、背後にいるのであろう学者や弁護士が声明や戦術を考え、協会の一部の幹部の人たちがそれに乗っかった可能性が高いのではないでしょうか。そう考えると、やはりダウンロード違法化への反対は、漫画家全体の総意ではなく、一部の人たちによるものだった、と考えるのが自然ではないかと思います。

ダウンロード違法化は必要か

有識者の便乗意見が多すぎる

 もちろん、だからと言って、ダウンロード違法化を定めた著作権法改正法案の提出を先延ばしした自民党の判断が、間違っていたと言う気はありません。

一般ユーザーのスナップショットへの懸念など、検討が十分ではなかった点について、しっかり対応していく必要があるのは事実なので、その意味では、さらにしっかり違法化の具体的内容を検討する時間ができたのは、結果的に良かったのではないでしょうか。

 ただ、その一方で気になるのは、法案提出の先延ばしが決まった後にネット上で散見される、有識者と称する人たちのコメントです。どれも判で押したように、「漫画家が反対した」「やはり日本の文化は模倣の要素が大きいんだ。だから今回のダウンロード違法化は間違っている」と、いろいろな人が同じようなことを書いています。


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