あの人と恋人になる優しい方法 プチ占星術

宇多田ヒカル『もう角、腹にブッ刺してくれちゃう人をどこかで期待してそうで、でも向かっていくとヒカル、よけちゃうの』って言われて。誰かに怒鳴るとか、怒鳴り返すとか、人とケンカできないんですよ。

2013/11/19 17:48 投稿

コメント:2

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 ロッキングオンジャパン2001 5月号






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◆【今週のコンテンツ】宇多田ヒカル
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クソ底辺y死です。


宇多田ヒカル18歳のインタビューです。

インタビュアーの鹿野淳さん恐らく当時40歳手前でしょうか。と、10代である宇多田ヒカルとの話の歯車が恐ろしいほどかみ合っていました。天才がもつ大衆性はそういう景色も見せてくれるんですね。詳しくは雑誌でどうぞ。





ノーミュージックノーライフという言葉を、皮肉るのが主流の昨今ですけれど、音楽が血液みたいに、体中を流れるみたいな感覚はなんかわかる。全ての芸術は音楽の状態にあこがれる、っていったウォルターペイターおじさんの気持ち分かります。



それではハイライトからどうぞ。



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●ハッピーなオーラを出されるなあと思って。自分の中でそういうの自分に課してるところってあります?
「ちっちゃい頃から大人ばっかり、一人っ子だし、親二人とおばあちゃんとお手伝いさんだったのね、家の中に。で、なんか子供ってさあ、自我がまだできてないから、周りにいる大人の幸せが自分の幸せだと思っちゃうじゃない?自我ができる前って。そこで自我形成に失敗しちゃうと、一生自分の幸せわかんなくて、誰かの幸せが自分の幸せだとしか思えない人間ができあがっていっちゃうって。まあ誰でも少しはそれはあると思うんだけど。でも、例えば家族が『あ、なんかちょっと悪いムード?』とか思ってるときって、子供ってすごいピエロ、道化になって、ちょっと盛り上げようとか思っちゃうじゃん。そういうの、ちっちゃい頃って比較できないから自分だけかなあって思ってたら、太宰治さんの、『人間失格』だっけ?」
●人間失格の話だよね
「小学校の時に読んで、ずっと道化道化って自分の事言ってて、みんなそうなんだあ!って思ったのね。どこかなんかこう……やっぱり周りをハッピーにさせたいって気持ちって、すごくあるんじゃないかなあと」





「べつにね、こういう人に聴いて欲しいとかは―――聴いてくれてたらそれはもうすげえっていうか。それだけ、なんつうんだろうなあ……まあ、いくら『何万枚売れましたよ宇多田さん!』って言われても、なんか数凄すぎて。例えば『100億円あげますよ』って突然言われてもさ、『は? いや、そりゃ嬉しいけど……うわー、マジ? 凄え!』っていう、なんか実感ない。目の前に積まれたらさあ、『おぉー!』ってなるかもしれないけど、でもCD買ってくれた800万人の人を目の前に集めることはできないし。想像を絶するってほんとこれだなって思うんだけど。実際ファンメールとか来るとね、ラジオに来たFAXとか読んでると、ああこういう人がいてくれてるんだなあって。どう見ても今の私は恵まれてるよね? それ間違えると失敗するから」





「強い感情を受けたときって、たぶん、脳とか身体とかが、『おい、これはちょっと、このままじゃちょっと抱えきれねえぞ』とか思って、たぶんちょっと客観的なところで音楽で吐き出そうとするんだろうけど。そういう風に常に客観的に孤独やらなんやらっていうのをちょっと感じてないと、あたし、一人じゃ持ってらんないから。手がもう一本あるかのように(笑)自分にこう想像の手なのかもしれないけど、そこは客観性っつうか。ちょっとヒョイっと持ってもらうみたいな(笑)それが音楽だったり」




「これ分かってもらえるのかなとか、ちょっとあのー……歌詞ブッ飛び過ぎてるかなあとか、分かってもらえるかなあとか思う時に、そういう事意識すんのってさ、ちょっとかっこ悪いって思うじゃない?アーティストは誰でも、誰一人にも理解してもらえないかもしれないっていうリスクを背負うことが大事なんだよってどっかで読んで。なるほど、そりゃあるな、そのリスクは分かってると思うんだけど。ミュージシャンならさ、アーティストなら、そんなこと気にせず、『これがあたしだ!』ってがーっと突き出せっていう感じも、考えもあるんだけど、やっぱり友達にわかってもらいたいとかいうのと同じ感覚でさ、聴いてもらう人にもやっぱちょっと分かってもらいたいって思うじゃん?だから、たまに『じゃあ、もうちょっと明るくしようかな』とか(笑)。『最後、ちょっと救いいれちゃおっかな』とか。そうやってると後から聴いた自分も逆に『あ、自分もちょっと救われてる』って思ったり」
●素晴らしいロックって――――普遍的なロックっていう考え方に対して、今言ってるつもりなんだけど。独りぼっちであるっていう自分の生き方や考え方に対して物凄く自覚的な人が、それを吐き出して歌うのがロック。でもそれの奥で「どうせみんなわかってくれないよ」ってイジけてるロックは僕はダメだと思う
「ああ、ああ、ああ!(笑)」
●それは世の中を変えていかないし。そうではなくて、やっぱり分かって欲しいっていう? 悪く言えば臆病な考え方ですよね。その考え方っていうものが、やっぱりロックっていう、比較的暗くて、絶望的な音楽で人に勇気を与える、最終的な手段だと僕は思うんです
「あ、ありがとうございます。なんかすごい安心した。うん。いやぁ、ありがてえ(笑)」





「ミュージシャンとかクリエイターの人は、普通の人、それを仕事にしてない人が忘れてもいいこととか、麻痺したほうが逆に健康的なこととかを、麻痺せずに、こう、感じ続けなきゃいけない事が仕事なんじゃないの?だから、うん・・・まあね、極端だとか、上がり下がり激しいとか言われても、なんか・・・うん、敏感でいたいすね」


「なんかねえ、そう、人とケンカできないんですよ。だから、落ち込む時とかも、全部一人でもう、済ましちゃうっていうか。で、誰かに怒鳴るとか、誰かに怒鳴られて怒鳴り返すとか、そういうの、なんか・・・恋人にしろ家族にしろ、なんもケンカってなくて。」





「友達といろいろ話ててケンカしないって言ったら『なーんかヒカル、闘牛士っぽいもんねー。ちょっとなんか冷めてるっていうか、対話してる分には凄く対話してるなって思うんだけど、実際突進していくと、赤いのちらちらちらつかせてたくせに、フワッって振り払っちゃうんだもん』って。『でも、どこかよけきれないで、もう角、腹にブッ刺してくれちゃう人をどこかで期待してそうなんだけど、でもね、頑張ってヒカルに向かっていくとね、ヒカル、ハッてよけちゃうの』って言われて。はあなるほどぉ、もっとちゃんとケンカ思いっきりしたり、そういう怒りとか感情を誰かにぶつけたりとか、もうちょっとしたいなあと思って。今んとこ、あたしには音楽しかないのね、そこまでいっちゃうとね。」
●最終的にやっぱり自分でケリつけなきゃっていう風に、全ての物事に対して、思ってるからじゃないですか。
「なんか、不便な性格でねえ・・・(笑)」
●ただ、やっぱり音楽の中で自己完結してないですよね、それが。
「うん(笑)。そう、やっぱりね、一人じゃね、完結はできないよ。完結しちゃったらちょっと困るかもね、ある意味。」




「今回作ってて思ったのが、まあそりゃ人間同士の溝とか距離って、絶対なくならないから。縮めたいと思う人がいても、そりゃあお互い縮めと思いつつ、でも一つになんなきゃいけないとか、全部わかり合えなきゃいけないって思うのは間違ってるじゃん。」
●うんうん
「その絶対消せない距離っていうのを、大事にしなきゃいけないわけ。そこを愛する事がその人を愛することだって、凄く思ったのね。でも、それでもその距離をなくそうと思わずにはいらんないっていうのが、まあそれは言葉で表現するっていうのって難しいし、言葉なんてって風に詩人のみんな思ってても、結局詩人て言葉で表現する道選んでるけど、とか。でも、わかってるけどそうせずにはいられない、みたいな。『でもわかってるんだよ?』っていうのはちゃんと、一番、こう……正しい道って言ったら変かもしれないけど、自然、人間としていいんじゃないかなあと思う」
「うん。なんか……歳とってくにつれてさあ、まあみんないつもちっちゃい頃から、誰か探してると思うんだけど。やっぱり自分の事全部わかってくれる人とか、似た人とかを探していくじゃん。それっていうのは、そういう距離がなければいいなって思うからなんだろうなあって思ってさ」
●それが諦めきれない想いなんだよね。けして繋がらないのに。
「うん。でもね、その繋がれないって事をちょっと客観的に、クールに考えないと――爆発しちゃうのかな」
●うん、うん。宇多田さんの歌は、僕は、心が涙を流してるのではなくて、心が血を流してるような音楽だと思うんですよ
「おお」




「800万人の人を感動させるのも、1人の大事な人を感動させるのも、癒すのも?ある意味、同じ実りなんじゃないかなあと。歌詞のなかでも一瞬とか永久とかすごい考えたんだけど、そういう事なのかなあと思って。」

















コメント

ロランP
No.1 (2015/05/28 02:17)
なんつーか、アーティストは感受性が
高すぎる弊害として
普通の一般人とは違った感覚を有するために
幸せになれない

そう、感じました。
不器用だなって思います。
ロランP
No.2 (2015/05/28 02:19)
私も記事を書いてますし
エンターテインメントの為に体をはったりしてますけど

相手を分かりあおうって思いますし
それが出来るって信じてるのが違いですね。

だって、おなじ人間ですよ
全部とは言わずとも
分かりあえるにきまってるでしょ。
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