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【制作の舞台裏】脚本の公開と技術解説です。『一日秘書艦 五日目』

2021/02/18 12:00 投稿

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インタビューアー(以下イ)「黒Pさん! 見ました、一日秘書の五日目!!」
私「なんですか黒Pって。。。まぁ、 見て下さってありがとうございます」
イ「今回はフルアニメーションに挑戦なさったんですね! 取り組んでみて如何でした?」
私「正直モーション制作はしんどかったですね。ですが辛いということはなくて、苦労はあれど最後まで楽しんで制作に取り組めた印象です。胡座かいてグラーフと話す由良とか(笑)」
イ「最後の説教の引きですね(笑) ここの由良さんには毎回驚かされます!!」
私「あいつに"さん"付けは不要ですよ。ウチにいる連中は基本どこかズレてると言うか、極端な話頭がおかしいんです。マトモだと逆に浮いて見えて、天城に至っては役が地味すぎてもはや存在が空気ですよね。そんな輩を纏め上げて指揮を取れる奏は本当にすごいと思います」
イ「確かに仮に私が提督だったら、あそこでやっていける気がしないです(苦笑)」
私「普通だったらそうなるはずです。そりゃ高給取りになるよねっていう話ですよ」
イ「問題児だらけの32鎮手当ですか(笑) ではまた質問を持ってきたので良いですか?」
私「どうぞ」

イ「キャラクターの設定はどのようにして生まれてくるんでしょうか」

私「あんまり深く考えないで直感で決める事が多いですね。原作の設定や世界観を再現する気は毛頭ないんで、『こいつがこうだったら面白いな』という思いつきを大事にしています。そうやってどんどん作り変えていって、いざ出演させるとなった時には話が面白くなるように各話毎にキャスティングしてって感じですね」
イ「なるほど、それであの由良s..."由良"は生まれたと(笑)」
私「お姉さんキャラで通ってますけど、"実はネコ被ってて綺麗な姉を演じてるのは姉妹の前だけ"っていう設定だったら面白くないですか?」
イ「なるほど確かに!」
私「最初は散々な言われ様でしたけどね。『2次でもこれはやりすぎ』だとか『由良"さん"じゃない』とか。『そっちの理想なんか知ったことか』って全て無視しましたケド」
イ「お強い(笑) 今はそのような意見は見受けられませんね」
私「見慣れたんでしょ。結局人ってそういうもんです。もうあの由良じゃないと今見てくれてる方はダメなんじゃないですか?(笑) 逆につまらない由良の方に戻してみますか!!」
イ「ダメです、やめて下さい!!(笑) アレがいいんです!」
私「そう言われちゃ仕方ないですね、アレで続けますよ」
イ「今の話を受けてもう一つなんですが、キャラの設定に関しては実際のアニメからもアイディアをもらったりしますか?」
私「当然あります。人気が出たり面白い作品には必ず理由がありますから、それがキャラクターの多様性だったら参考にしますね。『ToLoveる』とかは素晴らしい塩梅だと思いますよ」
イ「確かに。多くの登場人物がいるのに被らないというか、それぞれ個性があって差別化がしっかりできてますよね。みんなカワイイです!」
私「ストーリーも勿論大事ですけど、登場させる子達の設定やバランスも大事なんです」



作品を見て下さりありがとうございます。黒Pです。
上記のインタビュー形式は話を広げやすくてマイブームになっているので、しばらく続けようかなと思っています(笑)


さて、何から話したらいいのやら......まずは脚本からにしましょうか。


[画像1 資料その1]


[画像2 資料その2]


[画像3 資料その3]


[画像4 資料その4]


[画像5 資料その5]


[画像6 資料その6]


[画像7 資料その7]


 2ページ目ですが今回の『五日目』、実は当初堅物の長門が出演予定でして長門の秘書艦辞退により呂が代わりに呼ばれるというのが本来のシナリオだったんですが、長門も含めると動画が10分を超えそうだったので止む無しでカットとなりました。。。
 そこで機転を利かせて翔鶴の負傷により呂を呼ぶという流れに切り替える事とし、結果として違和感なく繋げられたかなという印象です。攣ってくれて助かったよ翔鶴。

 そして今回からカットのナンバーを脚本に直接書き込んでいて、修正が必要なカットの番号が一目でわかるようにしてあります。
 Macで編集している際にカットの修正が必要になった場合編集のタイムラインを見て『156, 177a, 179b』といったカットナンバーを覚えるなりメモ書きをして、Windowsが置いてある部屋まで移動する必要がありました。
 その時にこの書き込んだ5枚さえあれば、どのカットが何番かというのがすぐにわかるのでその効率を考えてことです。手間ですがバックが大きい


 更に資料7に関してですが、これは何かと言うと最後の説教シーンで天城の口パクを制作するために用意した簡易版タイムシートです。
 これに関してまず強く言及しておきたいんですが、私は口パクの制作に補助ツールは使用していません。全て私の手動キーフレームによる制作です。

[画像8 説教する天城の口パクモーション]
1200Fの間ずっとしゃべり続けている。とんだ怒りん坊である。


 人の動きは人が作るものです。

一応試しに検索でヒットした補助ツールを触ってみましたが、想像していた通り使用するに足りるものではありませんでした。


以下その問題点。

1. あからさまな"これで作りました"という手抜き/機械感満載
2. ソフトウェアによる自動生成なので、配置されたキーフレームを見たときにどうなっているのかがわかり辛くエディットし辛い。
3. これに頼るとファイル紛失やOSの更新等でソフトが使えなくなった時に自分で作れない


 1. はソフトウェアの仕様によるもので例えば「あいうえお」と入力すれば「あいうえお」のモーフが[1.00]のキーフレームとして制作されるため、機械じみた動きになります。
設定項目で一応アジャストができるようですが、そこにつぎ込む時間があるならさっさと一から自分で作りましょう。はっきり言って"時間の無駄"です。
 フリーソフトなのであまり多くは求めませんが、今の時代こういったソフトはAIの学習機能付きが当たり前ですので、そう言った観点でも今後の成長は見込めません。

 2. は想像するに容易いと思いますが自動生成なのでパッと見で見たときにキーフレームが大量に乱雑に配置されているように見えるので、"どのキーフレームがどの口の動きを構成しているか"というのが本当にわかりにくい
 これを一から自分で制作していれば自分でやったことなので何をやっているかがわかりやすいはずで、エディットでも理想通りのものを作るのに苦労しません。その点でも悪。

 そして3。楽をするソフトウェアに頼っていると、その後いざ求められた時に自分の手では全く作れないという事態に発展します。


そもそもな話、こういうツールに頼らないと作れないなら最初からやらない方がいいです。
「『制作』というモノをナメるな」と言いたい。





なんかヒートアップしちゃったので落ち着いていきましょう(笑)

 続いて技術面に関して、本作から2つの新しいことに取り組みました。
一つは冒頭でも記した『フルアニメーション』。そしてもう一つは
『背景画のみにRay-Tracing(Ray.x)を適用』している事です。

 
 それぞれ簡単に触れていきたいと思います。



1. フルアニメーションについて

 モーション制作と聞くと難しく思われがちですが、特段難しく考えることはなくて普段自分たちが無意識に行なっている行動、歩く/座る/立ち上がる/挨拶をするといった動きに対して「歩く時には胴体がこれだけ上下左右に揺れて、腕振りの振幅、周期はこれくらいか」ですとか「椅子から立ち上がる時に膝や腰、上半身はこういう動きになるんだな」と改めて見つめ直すことで、時間はかかりますが一つ一つ噛み砕いていくと意外と簡単に作れます。

つまり物理による力学的な体の動き(遠心力、重力加速度、モーメント等による運動エネルギー)の点と点(=キーフレーム)を滑らかにベジェ曲線で繋いで、見た目の違和感なく再現できれば良いという事なんです。
CGのアニメーションとは、現実世界での物理シミュレーションです。

 あと取り組んでみて大事だと思ったのは、上のことに直結しますがモーションが上手くいかず悩んだらその場で実際にやってみること。
それにより違和感の正体を特定できたり、より細かい動きをフレーム単位で追い込んでいくことができます。
呂500が登場した時のあのキャピキャピなモーションも実は自分でやっていたり(恥←
 

[画像9 黒ギャルビッチな呂500のタイムライン]


今回の制作を通じてわかったんですが、私は女性のちょっとした仕草や表情、可愛らしい動作を作るのが得意なんだとわかりました。
自分で言うのもなんですケドね(苦笑)




2. Ray-Tracing BG

 あくまで実験段階ですが、背景画(鎮守府やiMac等の動かない背景として扱うモデル)に対しRui.様の『Ray.x』を導入しました。

[画像10 従来のシャドウ描写_1]

[画像11 Ray-Tracing描写_1]

 こちらは普段シーンのベースとして呼び出す奏の提督室テンプレートですが、従来のものと比べるとこれだけ質感の差が生まれます。


[画像12 従来のシャドウ描写_2]

[画像13 Ray-Tracing描写_2]

 シャドウの描写も勿論ですが、中でも特筆すべきは『iMac Pro』でサーフェイスの質感が向上され尚且つ周囲のオブジェクトも明るく鮮明に描写されている事もあり、メタルが従来の描写よりも表現できているように見えます


[画像14 従来のシャドウ描写_3]

[画像15 Ray-Tracing描写_3]
被写界深度ボケが両方に載っている点に注意。


食堂もしかり。全体的に明るくなりシャドウの描写も綺麗です。
この結果を受けて『Ray.x』の導入を決めました


 ちなみにキャラクターのモデルにも適用してみようと、奏とウォスパイで実験したのですが......。

[画像16 Ray-Tracing描写の奏]

[画像17 Ray-Tracing描写のウォスパイ]

綺麗と言えば綺麗なんですが、なんかアナ雪のエルザみたいで私の作品では微妙。。。
モデルに合う合わないもあるようなのでキャラクターへの適用はなしとなりました。



 さて。ここで問題になってくるのが『Ray.x』をMMDへ読み込むと言わば"Ray-Tracing仕様"となり、読み込んだモデルは全てこのエフェクトによりシェーディング/サンプリングの処理方法が変更され見た目が大きくが変わってしまいます
 そしてキャラクターのみを器用にRay-Tracing適用の対象外とする事はできません。

[画像19 カット034にてRay-Tracing仕様になっているMMDに摩耶を読み込んだ状態]
シーンの描写が従来の方法と異なるため、モデルを読み込んだ途端にルックがおかしくなる。



 これの回避法としてRay-Tracing適用のMMDと従来のMMDを両方用意しておき、背景とするモデルは前者へ、Ray-Tracingを適用しないキャラクターは後者へとインポートし同じカメラデータやモーションを読み込ませてレンダリングし映像編集ソフトにて合成するというものがあります。
 前提条件として後者にはのちの合成でキャラクターのみを抜き出せるようアルファチャンネル付きでレンダリングする必要があります


[画像20 カット034のRay-Tarcing描写による背景]

[画像21 カット034の摩耶]
通常描写アルファチャンネル付きでレンダリングする。



 このような単純な事で解決出来るんですがこの回避法にはトラップがありまして、それはキャラクターの足元や影が映るカメラアングルの場合、Ray-Tracingと従来のシャドウ描写では質感が異なるため上記の方法で単純に合成しただけではキャラクターが浮いて見えてしまうというものです。

[画像22 説教カットの従来の描写によるキャラクターのみとしたフッテージ]

[画像23 説教カットのRay-Tracing描写による背景]

[画像24 これらの合成結果]
影の質感が合っていないことに加え、背景レイヤーの上にポン乗せしているため本来背後にあるはずのプランターや照明をキャラクターたちが踏んでしまっている。


 従来のシャドウ描写はデフォルトで真っ黒ですが、Ray-Tracingによるイスや本棚のシャドウは薄く茶色が乗った色味になっています。これは正直かなり困りました。
 シャドウの色や濃さを変更するパラメータは一応存在しますが、Ray-Tracingの描写優先で綺麗に仕上がるように追い込んだ背景画の影に近付けようと毎回アジャストするのは非効率的ですし何より不可逆処理なのでナンセンス


結果としてこれを解決する方法を自分なりに編み出したのでどこかしらのタイミングでそれを解説したいと思いますが、編集にて解決しますのでAfter Effects必須となります。
サードパーティプラグインも必須ですが"フリー"で配布して頂いているものなのでこの機会に是非ゲットして下さい!!

[画像25 画像24の問題箇所を全て修正したもの]
影の修正に加え前後関係に分けてマットも用意しながらモデルをレンダリングし、キャラクターたちを背景に馴染むよう調整を加えコンポジットしていく。



ですがこういうのって文章だとわかりづらいし、私の言葉の表現やタイピングにも限界がありますので、できれば動画で解説したいところ。。。
映像の解説は映像で、考えておきます。どうやろうか。。。




2点に関しては以上なんですが『五日目』を作る以前に、新しい要素を"三つ"取り入れるという話をしました。
では取り入れる予定だった残りの一つはなんなのか。


それは。

[画像26 DaVinci Resolve 16の起動画面]
URSAで撮影に挑む兄さんが最高にクールである。


『DaVinci Resolve』にて編集を行うというものでした。

 このソフトに関しては素人なのでまずは公式にて公開されている"How To"を順調に消化することから始めましたが、動画編集ソフトに限らずCGやDAWといった商用ソフトというのは同じ分野のソフトで一度経験を積めば、他社製に乗り換えてもやれることは基本同じなのでパラメータやクリックするアイコン、ショートカットキーを覚えれば結構簡単に使えるようになります。
 そうして習得に励んでいるうちに「まだ不十分だけど試行錯誤すれば多分イケるな」という手応えを掴んだ時に、気付いた事がありました。

 タイムリーに先日ガジェット系YouTuberの瀬戸弘司さんもおっしゃっていましたが、『DaVinci Resolve』は『Premiere Pro』と比べると"バラエティなテロップが作りにくい"んです。これがほんともう呆れるぐらいに作りにくい(笑)。

 どれくらい使いにくいかは専門になってしまうので説明を省きますが、敢えてダルさでいうと『Premiere Pro』をMacとの相性問題で離れざるを得ず、良さげな『DaVinci Resolve』へと移行したが、使っているうちに色々と気付きやっぱり『Premiere Pro』へ戻りたいと思ってしまう理由の一つとしてこの"テロップ制作の効率の悪さ"を挙げるには十分すぎるといった具合。ちなみにこれは瀬戸さんの話で、その気持ち痛いほどよく分かります(笑)


 テレビのバラエティでよく見られるテロップは日本独特の演出なので、海外製の編集ソフトがその辺に上手く手が行き届いていなくて当然なんですが、それでも作りやすく組まれているのが『Premiere Pro』や『Final Cut Pro X』です。
 『DaVinci Resolve』は取り込んだ映像の編集のしやすさや編集機能に重きを置いており、編集ソフトとしてはどちらかというと落ち着いていてフィルム寄りに仕上がる印象で、実際に「これを使って編集している」と公言している方の動画を見ると、とにかく高画質で露光も整えられた映像で魅せるスタイルが多くDavinciらしさというものが全面に出ています。
 


そんなわけで私の作品の編集には合わなそうでしたので『DaVinci Resolve』は結局使用しませんでした。
そもそもAdobe製品で身を固めている以上.aepや.ai, .psdをダイレクトにインポートできる『Premiere Pro』を切る理由がないという話に完結してしまいます。

振り返ってみると、これまでに私が各分野にて最初に選んだソフトは自分にとって間違いがなく正しい選択ができていたのかなと思います。
某巨大バンドのメンバーさん全員が作曲やプリプロで使っていて、そして"業務用"という憧れから入った『Avid Pro Tools』は自分に合っていて今でも最高に気に入っています。

[画像27 Avid社が提供する現行最新のPro Tools 2020.12.0]


更に当初は『FCPX』と迷いましたが結果的に映像編集ソフトとして『Premiere Pro』を選んだおかげで同じAdobeファミリーの『After Effects』に出会い、今こうして映像の世界に居られるんですから何がきっかけになるかわかりませんね(笑)


そして今本格的な商用3DCGソフトとして『Houdini』を選択し現在勉強中です。

[画像28 Houdiniの無償試用版であるAPPRNTICE]
一部機能制限付きに加えレンダリング解像度がHD(1280*720)までとなっているが、どういった事が出来るのかで触れるには十分。


[画像29 HoudiniのUI]
HoudiniはSticky等のノードへの直接のメモ書きを除き日本語入力に対応しておらずUIは全て英語表記で固定されており、管理するファイル名にも日本語は一切使用してはいけない(パスが読めなくなりバグる)。
JISキーボード(日本語キーボード)も非推奨
私はファイルの管理に日本語を使用しないことに加え(MacとWindowsでの環境の違いにより生まれる文字化けが教訓)、iMac Pro購入時に"日本語は必要ない"とUSキーでオーダーしたのが功を奏した形だ。



この選択もきっと私を将来正しい方向に導いてくれるに違いない。そう願っています。
今までノードベースのソフトを触ったことがなかったので、プログラミングのように自分で一から組み上げていく感じが今やっていてとても楽しい。自分に合っていると感じます。

それに加えて『RedShift』や『Octane Render』等の外部レンダラーが続々とMacのGPUに対応しようとしているようで正式対応も秒読み段階であり期待せずにはいられません(RedShiftは最新のベータ版にて対応済みだが、OSは最新のBig Surが必要になる点に注意)。絶対買う!!
これによりわざわざCG用にWindowsを買わなくて済むのもありがたい話です。感謝!!


ただ。単に楽しいと思ってやっていられるのは今だけでしょうから、そう思えているうちに思いっきり楽しむこととします!!(笑)




さて。長々と書いてしまいましたが次回の投稿はいつになるでしょうか。。。
正直自分にもわかりません(笑)
ただ完成しているシナリオは手元に4冊あるので、また空いた時間にコツコツやっていく事になるでしょうが、完成したらまたその時はどうぞよろしくお願いします!!
実は今作業スペースの移動を計画していまして、それが実現すれば同じルームにWindowsが置けるようになり触れる時間が増えるので、少しは制作も捗るかもしれません。
それに関してはまた後日。


ではまた。

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