『卑怯者の島』
今回は「ゴー宣道場」の門弟の感想を紹介します。
「私は読むのが遅いので、いつもは一気読みできないのですが、
今回は止まりませんでした。
滴る汗だか、涙だか、もうなんだかわかんない物を
タオルで拭いながら一気に読んでしまいました。
本当にドキドキしました。自問自答を繰り返しながら読み進み
読み終えた後もずーっとドキドキが止まりません。」
(ビビさん)
「一気読みしました。「戦場」という言葉から想像される過酷さが
抉り出されていて、本当に戦場を通ってきたかのような
疲労感がありました。
ヌルい、おかしい、不自然、ご都合主義と感じる描写が
一つもありません。
変な言い方かも知れませんが、描かれるあらゆる狂気が
腑に落ちました。
色々な種類の「卑怯」と「勇敢」が、自分に問いかけてきます。
最初はやはり神平に感情移入してしまいますが、
それぞれの人物に自分を重ねて考えてみたいです
(すぐにはできそうにないですが)。」
(けろ坊さん)
「フィクションとは言え自分が本当に戦地に行った感覚になり
あのような極限状態にいたら起こりえるだろうと思う精神状態、
人間の駆引きがとてもリアルに描かれていたと思います。
右側、左側の論壇も一度この作品を読んで改めて戦争とは
何かを真っ向から向き合うべきではないかど彼らに
お薦めしたいです。
また、戦地の島にいる人間たちだけでなく兵士の人間関係や
生い立ちも多様で考えさせられるものがありました。」
(アッキーさん)
「「卑怯者の島」は日本人にリアリティというものを
突き付けた作品だと思います。
生に執着するか、それを振り切るか、その葛藤の中で自分に
負けてしまう人間は卑怯者でしょうが、自分は完全な
安全圏にいて、殺すか殺されるかの心配もなく、
自分の無様な姿をさらしてしまう心配もなく、過ちを
犯して罪悪感にさいなまれる心配もなく、
自分を少しも後ろめたいことはしていないと思えてる
人達はどうなのだろうかと考えました。
もっと卑怯者かもしれません。
それを確かめるには、自分の本性が試されるところにあえて
身をおいて、自分自身、勇敢になるか卑怯になるかの
葛藤を感じてみるしかないのかもしれません。」
(TAKASAKIさん)
他にもあると思うのだが、時浦くんが休み前に
選んでおいてくれた感想は以上です。
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