ライジングの仕事を終え、また例の大作のペン入れに
復帰したが、調子のよかったGペンを捨てられず、
引き続いて使っている。
だがそろそろ危ないかな?という状態になってきた。
若干、ハネが悪くなってきて、細い線のキレに
疑問符が付くことが多くなってきた。
そろそろ変えるか?
今度はチタンの高価なペン先を使ってみようと思うが、
まだ今のペン先でイケることはイケるから、
もったいなくて思い切りがつかない。
未練がましいだろうか?
よく尽くしてくれた女はそう簡単に捨てられる
ものじゃない。
ババアになって使い物にならなくなっても、
そうあっさりとフレッシュな女に乗り換えることが
出来るか?
それと同じことだ。
今のペン先は古女房みたいなものだ。
フレッシュな女に乗り換えても、その女がとんでもない
役立たずということが、往々にしてあるのだ。
新品のくせにサイテーの女というものがいる。
その時の腹立たしさは尋常ではない。
だから古女房の利用価値を考え出したりする。
キレが悪く、細い線は出せなくなっても、太い線は
今のままの方が描きやすいかもしれないなどと・・・
それでもいつかはボケてしまって、ぶっといまつ毛を
描いてしまって、ムカ――――――ッとしたりする。
このボロペン先め―――――――っなどと
叫んでしまうが、こいつもフレッシュな
働き者だった頃があるのだ。
思い出は大切にしなければならない。
例えこのペン先を捨てる時が来ても、わしは
このペン先には感謝したい。
よく頑張ってくれた。
お墓でも作って、英ペンとして、顕彰してやりたい。
靖ペン神社でも作りたいくらいだ。
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小林よしのりライジング
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